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所詮この世はラーメンなのさ
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「……申し訳ありませんですわ」
エリーゼ・ハルトマン
は天利の事務所で頭を下げた。
「まあいいさ、結果として人助けになったんだ」
海に落ちたドラ猫と
伊予 祐
を救出するため、結果として海に入ったエリーゼは、濡れた身体を乾かすために天利の事務所に来ていた。同行した
綾辻 綾花
は呟く。
「……思ったよりキレイですね」
泳げない天利と溺れかかった祐を、人を呼んで助けたのは綾花である。彼女自身も運動能力に自信がある方ではないので、あえて自分も海に入ることはせずに周囲の人間に助けを求めたのだ。
賢明な判断だったと言えるだろう。
常に煙草を咥えている天利の風貌からすると、事務所はさぞかし煙草臭いのかと思っていたが、思ったよりも殺風景であった。
「……あまり人が来ねぇからな」
ちなみに祐は午後の仕事があるからと、星ヶ丘寮にずぶ濡れのまま帰っていった。それでいいのかと思いつつも、天利にもエリーゼにも突っ込んでいる余裕はなかった。
そんな訳でエリーゼは、綾花に手伝ってもらって応接室で着替えをしている。
「小さな子供ではないのですから、一人で着替えくらいできますわ」
エリーゼは文句を言うものの、手伝わなければ事務室にいる天利の着替えを目の当たりにすることになる。綾花にはおっさんの着替えを覗く趣味はない。当然、エリーゼにも。
「それにしても、意外でしたね」
着替えを終えたエリーゼと綾花は事務室に戻り、天利が淹れたインスタントのココアを飲む。
「何が」
「ええ――だって、趣味ではないですけれど、サイズぴったりですわよ?」
ズブ濡れになったエリーゼの着替えを用意したのは天利だ。旧市街の安物衣料店で下着からワンピースまでひと通りきっちり揃えてきたことに、二人は驚きを隠せない。
「……ガキのサイズくらい、見りゃあ大体分かるんだよ……こいつもズブ濡れか」
自分の上着から煙草の箱を取り出して、天利はボヤいた。乾かしても、まともに吸えるかどうか。
「……申し訳ありませんわ」
天利が泳げなかったことは誤算だが、猫と祐を助けるために海に落としてしまったことはエリーゼに責任がある。エリーゼは天利に対して再び頭を下げた。
「ん……いや、どうせ吸わねぇヤツだからいいさ」
「吸わないんですか?」
天利の台詞に違和感を覚えた綾花が口を挟む。
「……人によっては、煙草は呑む、とも言うな」
「飲んでしまうのですか!? それは身体に悪いのではないのですかっ!?」
エリーゼが驚きの声を上げた。天利はニヤリと笑って続けた。
「煙草なんだから、身体に悪くて当然だろ……っとホレ、今日はもう帰んな、学生さんも」
綾花に渡しておいたスーパーのビニール袋に濡れてしまったエリーゼの服一式が入っている。誰かが持って来たのだろうか、クッキーの紙袋にそれを入れて服が外から見えないようになっていた。
「ええ、今日は帰りますわ。今度、お預かりした服を返しに参ります。けれど……」
妙な含みを持たせるエリーゼに、天利は言葉を待った。
「おじ様には、足りないものがあると思うんですの」
「金か?」
「そうではありません……助手ですわ! 探偵には助手がつきものですもの!! 私が助手になって差し上げてもよろしくてよっ!!」
えっへん、とでも言わんばかりの勢いでエリーゼは胸を張った。どうやら探偵という見慣れない存在、天利の奇妙な人柄に一定の魅力を感じてしまったのだろう。しかし。
「いらん。さっさと帰りな、嬢ちゃん」
天利の返事はひと言であった。着替えたスーツから濡れていない煙草を取り出し、口に咥える。かちりと音が鳴った。
「むー……即答ですのね……私、諦めませんのよ……それに私のことはちゃんと名前で――エルって呼んでくださいまし! 相手をきちんと呼ばないのは相手の人格を認めない行為だと先生が仰って――」
ふっ。
「げほっげほっ!!」
突然、天利がエリーゼに煙を吹きかけた。勢い込んで喋っていたエリーゼはその煙をまともに吸い込んで、咳き込んでしまう。
「何するんですか!!」
それを見ていた綾花は抗議の声を上げた。だが当の天利は聞こえてもいない風で、返した。
「その通りさ」
「……え?」
怒りを露わにした綾花と、煙で涙目のエリーゼは、聞き返す。
「相手の人格を認めない行為、その通りさ。だから帰りな――嬢ちゃんよ」
「……探偵さん」
綾花は息を飲む。天利がさっきまで見せていた少し愛嬌のある笑顔は消え、今の天利からは冷ややかな視線しか感じることはできない。
「むむー!! これくらいでは諦めませんのよ!! 今日のところは退散いたしますが、ダメと言われても勝手に手伝っちゃうもんね、ですわーっ!!!」
それでもめげないエリーゼは、煙草の煙から回復して天利を指差して宣言する。事務所のドアを勢い良く開けて出て行くエリーゼに続いて、綾花も後に続いた。
「……また、来てもいいですか」
「……勝手にしろ、人生は自由だ。それをやめさせる権利は、俺にもねぇよ」
そう呟いた天利の顔からは、何の感情も読み取ることはできなかったけれど。
☆
新江 天懸
は旧市街の比較的人気の少ない裏通りを走っていた。パッと見はチンピラ風の天懸だが、こう見えて野球経験者、未だにトレーニングは続けている。
裏路地から少し人通りの多い商店街に出る天懸。
「痛って!」
走り出した天懸と、すれ違いそうになっていた男――天利の肩がぶつかる。しかし天利はなにやら考え事をしていたようで、そのことにほとんど気付いていない。
「おい、何無視してんだよ、おっさん!」
「――あ? 何だって?」
心ここにあらずで歩いていた天利はようやく天懸の存在に気付いた。振り向きざまに天懸を見たその目線には倦怠感が漂っている。
それが天懸には、こちらをバカにしたような態度に映った。
「あんだぁ、やんのかコラ!!」
相手を敵と認識した後の行動は早い。挨拶代わりとばかりに右の拳がうなりを上げる。
「――!」
とはいえ、天懸も本気で殴るつもりはない。こんなテレフォンパンチは避けられて当然、相手がビビッたところに軽く蹴りの一発でも叩き込んでバランスを崩してやるか――。
「――あ?」
という天懸の目論見は大きく外れた。何しろ、天利は天懸のパンチを避けようともせず顔面で受け止めてしまったからである。
「ふふふ……この俺が坊主のパンチごときでひるむとでも思ったか」
「いや、どう見てもパンチ一発で沈んで動けねけようにしか見えねぇけど」
その通り、呟いた天利は地面の仰向けに倒れて空を眺めている。
「うん、痛ぇ。ぶつかったのにも気付かずに、悪かったな坊主」
「……いや、いいけどよ。俺も短気で……」
毒気を抜かれた天懸は近寄って天利を起こしてやった。
「……よく見る顔だな……そうだ、ラーメン屋の片隅でいつもラーメン食ってるおっさんだろ」
「俺も有名になったもんだな。そう言うお前さんはアレか、商店街のあたりの家族に厄介になってる坊主か――まぁどうでもいいや。天利 二十だ」
「……
新江 天懸
」
さりげなく向こうも自分を知っていることに軽く警戒する天懸。上半身を起こしたまま、天利は懐から煙草の箱を取り出した。一本咥える、火はつけない。
「……そうヒくなよ。俺は探偵でね、噂話は飯の種なんだ……聞きたくなくても勝手に聞こえてきちまうモンなのさ。お前さんの家庭の事情なんざ、美味くもなんともねぇよ」
「探偵……んじゃ、やっぱ浮気調査とかすんのか?」
今まではラーメン屋で見かける謎のおっさんだった天利の職種が明らかになったことで、天懸の警戒が少し解ける。見かけは高校生から二十歳前後のチンピラ風だが、実年齢はまだ若いである天懸にとって、探偵という職業が興味深く見えたこともまた事実だろう。
「依頼があれば大体何でもするぜ、そのヘンのおキレイな事務所サマとは違う……とはいえ今日はネコ探しだ。見なかったか」
天利は懐から一枚の写真を取り出して天懸に示す。浅葱眼鏡店の猫、ハシバミだ。
猫と聞いて、天懸の脳裏に先ほどの白猫が浮かぶが、写真とは違う猫であることがすぐに分かる。
「……いや、この猫は見たことねぇ……地図は持ってるか?」
天利が取り出した地図を広げて、天懸は簡単に印をつけ始めた。
「俺がいつも走ってるのはこの範囲で……こっち方面にはいねぇと思うぜ」
「……ふむ……見当違いか」
「ネコがうろつくのは縄張りの確認か、発情期だったら相手探しのパターンかだから……つってももう9月か、メス猫だったら発情期のセンはやや薄いな……オス猫だったらまだ可能性はあるかも知れねぇけど、相手がいねぇんじゃな……って何だよ」
「いや、やたら詳しいなと思って」
天利が率直な感想を述べた。
ただのチンピラにしては妙に猫の生態に詳しい天懸だが、それには事情がある。
そもそも天懸の両親は離婚しているのだ。それがきっかけで本土の私立中学で問題行動を何度も起こし、業を煮やした親から親戚の家に預けられてしまった。
離婚した父方の親戚に、生物系の学者が何人かいた。その影響もあって天懸自身も生物の生態に詳しいわけだが、本人にとってそれは時に複雑な感情を伴う知識でもあった。
「……うっせーな、かんけーねーだろ」
話を中断して走り出そうとする天懸。後ろから、天利が声をかけた。
「もしさっきのネコを見かけたら、そこに連絡くれ。または別の仕事の依頼でもいいぜ」
「……そこ?」
気付くと、いつの間にかズボンのポケットに名刺がねじ込まれていた。
「……喰えねぇおっさんだな」
そうして、また走り出す。そろそろ、夕日が町を朱に染めてくる時間に差し掛かっていた。
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月10日
参加申し込みの期限
2014年10月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月17日 11時00分
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