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所詮この世はラーメンなのさ
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種子島 タネ
は旧市街を歩いていた、目的地は書道専門店。愛用の筆を使いすぎのために割ってしまい、新しい筆を買いに行く途中であった。
勉学のためであるという大義名分のためならば、難攻不落の財布の紐も緩もうというもの。親への必死の懇願の甲斐もあってかどうにか軍資金を手に入れた。
二千円札、1枚。
「……すでに骨董品だよね、コレ」
なんとなくぶらぶらと旧市街を歩く。思わぬ珍品の登場に面食らったものの、二千円札に二千円の価値があることに間違いはない、筆を買うには足る金額だ。
日頃眺めてきた筆のうちの一本を自分のものにできる。愛用の品が割れてしまったことは悲しいが、筆は消耗品だ。それに新しい筆との出会いも、それはそれで心躍る一時――気を取り直して足早に専門店へと急ぐ。
そんな時である、見るからにヨレヨレの男が話しかけてきたのは。
「まぁまぁ食いなさいな、今日はこのタネちゃんの奢りさー!」
書道専門店へと歩いていたタネは、次なるラーメン屋を探していた天利に道を尋ねられ、そのままラーメン屋まで案内したところである。
そこは老夫婦が営む小さなラーメン屋であった。メニューは特に目新しさもヒネリもない素朴な味の醤油ラーメン。しかし1杯250円という格安の値段設定から、小腹を空かせた子供たちや運動部系の中高生が乏しい懐でもお腹を満たせるという、素晴らしい店なのだ。
「いや、奢ってもらう必要はないんだが」
天利は戸惑いの色を隠さず、それでも大人しくテーブルについた。
「いやいやみなまで言うな、袖振り合うも他生の縁ってね! ここで会ったのも何かの縁、同じメガネ仲間じゃないのさ!!」
バンバンとテンション高く天利の背中を叩くタネ。
「いやこれサングラスだからメガネとは」
「まぁまぁいいってことよ、ほらラーメン来たよ!!」
天利の抗議をぶった切るタネ。運ばれてきたラーメンを眺め、それでも天利は割り箸を手にした。
「まぁいいさ。それじゃあいただきます」
「いただきまーす」
二人はとりあえず無言、ラーメンにとりかかる。
なるほど派手さはないが、少量ながらも食べやすく優しい味で、まるで老夫婦の人柄がそのまま丼に盛り付けられたようなラーメンだった。
「……うん、うまい。……ところで、ネコを探してるんだが」
天利はラーメンを食べながらハシバミの写真を見せた。タネはキョトンとした顔をして、無邪気な笑顔を見せる。
「ううん、見てないよ? 天利さんの飼い猫?」
「いや、仕事で探してるんだ」
すると、タネはさらに分からない顔をして、首を傾げた。
「……仕事を探してる、んじゃなくて? ラーメン屋さんとか?」
「なんで今さらラーメン屋にならにゃならん。俺は探偵だ」
「探偵さん!?」
心底驚いた、という顔でタネは声を上げる。
「あ、さては学生さん。あんた……」
「い、いやその。なんか見るからにヨレヨレのスーツ着たくたびれオジさんがサングラスで無精ヒゲでラーメン屋っていうからどうみても仕事してなさそうでラーメン修行して店でも開こうとしてるのかなってほらタネちゃんこう見えても人情家だから可哀想なオジさんには優しさを見せておくべきかなってあのそのあはははは」
この間、0.5秒。
「……ほう」
「……ごめんなさい」
どうやら天利について勘違いをしていたらしいことを悟ったタネは、さっきまでのテンションに反して急転直下、一気に静かになってしまった。
「あの……すみません……私……その……」
「あ、いや別に。怒ったワケじゃねぇから、そんな気にしなくても」
ちょっとからかってやろうかと考えた天利は、タネの落ち込みぶりに逆に慌てる。テーブルがなんだか妙な雰囲気になった時、一人の男が隣のテーブルから話しかけてきた。
「へぇ、探偵さん。実際にいるものなんだねぇ」
年の頃は40過ぎだろうか、天利と同年代……顔の雰囲気からすると少し年上に見えるのは、彼が日本人ではないからだろう。
「……まぁな」
そのイタリア系の顔立ちの男へと視線を送り、天利は応対する。男も自分のラーメンを持ってテーブルを移ってきた。
「映画やドラマじゃよく見るけど、実際に会えるとはねぇ」
人懐っこい笑顔を浮かべながら、天利を眺めた。
「いやあ、うちのかみさんもねぇ……」
会話の合間にラーメンをすすり、その男、
ピーター・ビアズリー
は続ける。
「探偵もののドラマとか好きでねぇ。なんでも子どもの頃は探偵に憧れてホラあの、七つ道具とか自前で揃えたなんて言ってたよ」
「へぇ」
話の内容はどうでもいい話なのだが、なんというかリズムがいい、つい聞いてしまう。
「ええと、何だっけかなぁ……手帳とライトと、方位磁石、それに……」
「探偵バッジ、かい?」
「そうそう、それそれ!!」
天利の合いの手に、ピーターは相好を崩した。
「ところで、何の話だっけ?」
そこでふと、ピーターが話を戻す。
「ああ、そうそう。このネコを見なかったか?」
天利が懐からハシバミの写真を取り出した。
その写真を見たピーターとタネは、同時に声を上げる。
「あ、タネちゃんその猫見たことある……。この前ここのおじいさんが店先でエサあげてたわよ」
「ああ、その猫ねぇ。あっちの路地で見た気がするねぇ――うん、やけにはっきり憶えているから、間違いないよ」
天利はここにきて二人の目撃者にようやく遭遇した。
「ほう、もうちょっと詳しく教えてもらえないか? 天利 二十だ」
「
ピーター・ビアズリー
、写真家だよ。案内してもいいけど、このラーメンを食べるまで待ってくれないかな? 伸びてしまっては勿体ないからねぇ」
笑顔と共にピーターは言った。天利もまた笑みを返して、ラーメンのスープを飲み干した。
「勿論だ、何しろ世界はラーメンさ。ネコを追ってラーメンを伸ばしちまうワケにはいかねぇからな」
「ラーメンは世界かい?」
ピーターは聞き返した。天利は頷く。
「ああ、この世はラーメンみたいなモンさ」
「なるほど、ちょっと分かる気もするねぇ」
ピーターは自分のラーメンのスープを飲み干し、空になった丼を見つめた。
「麺にスープに具に、色んなものが詰まって混ざって、でもちょっとのバランスでダメになったり素晴らしい味を出したりするんだよねぇ……ま、焦りは禁物ってとこかな」
よいしょ、とピーターは立ち上がった。天利とタネも立ち上がり、ラーメン代を支払う。
「……また懐かしいものを」
タネが取り出した二千円札を見て、天利が呟く。
「う……奢るって言ったから、ちゃんと奢るよ」
良く考えたらこの二千円札は新しい筆代である。天利と自分の分を払ってしまっては1500円しか残らない。もちろんそれでも筆は買えるが――。
「いや、ここは俺に奢らせてくれよ、学生さん」
「え? いやでも、奢られる理由が」
天利がカウンターに置いた500円が、くるくる回った。
「こんなくたびれたオジさんに優しくしようっていう心意気が嬉しいのさ。別にタダじゃねぇ、今度仕事でも手伝ってもらうさ」
タネの頭にぽんと手を置いて、天利とピーターは店を後にした。
「ど、どうも……」
というタネの呟きを後にして。
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担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月10日
参加申し込みの期限
2014年10月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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