this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
<三羽烏の襲撃1>またたび市動物園が火事です
<< もどる
1
…
7
8
9
10
11
…
39
つぎへ >>
●おさる班(2)●
【サル山】
「キキィッ……!」
サル山に入るとその頭上から鋭い声が飛んできて、
夢宮 瑠奈
がはっとそちらを見上げた。
「あっ、パンチ!」
このサル山のボス猿だ。やはりパンチも同様に木の上に取り残されていたが、しかし救助が来たことが分かったのだろう。遠くまで聞こえる声でその旨を知らせ、何とか群れを落ち着かせようとする。けれども、木々の上にそれぞれ分断されている、サルたちのパニックは収まらなかった。
「とにかく、あの燃えてる木の炎を早く消さなきゃね。
さぁ李さん、その消火器で早くあの火を!」
そう言う
剣崎 エレナ
につられて、
李 小麗
もリュックから消火器を出しかけたが、一瞬判断に迷った。隣りでエレナが早く早くと急かしているけど、消火器はこれ1本きり。燃えている木は沢山あるが、消せるのは良くて2〜3本だろう。残りの木の火事が消せないのでは、全てのサルたちを助けることができない。
(ちがうのだ、この消火器を使う場面は、まだここじゃないのだ!)
「エレナ! エレナはバケツを持ってきてくれなのだ!」
面食らうエレナにそう指示すると、何を思ったのか小麗は水場の方へと向かう。しかしこのサル山の水場は、ヒルズの最初の能力使用時に出火して以来、ずっと火の海になっている。たとえバケツなど持ってきたところで、ここの水は消火に使えるようなものではない。
そんなことは百も承知だと言わんばかりに、小麗がさけぶ。
「大丈夫なのだ、圭花がしゃおりーに教えてくれたのだ!
この洗剤があれば、火は消せるって!(ばーーーーん)」
リュックの中から取り出したのは、圭花に託されたあの業務用洗剤。そのありったけの洗剤を小麗が、水場の炎の上からどばどば注ぐと……やがてその水面下から、もこもこ大量の泡が盛り上がってきて、
フッ。 水面の炎が、いっせいに消滅した!
「やったのだ! 圭花の言った通りだったのだ!」
混ぜ物をして、水をもう水とは呼べない代物にしてしまえば、ヒルズの能力の効果は及ばない。そしてこの洗剤水は、消火に転用することもできる。エレナが見つけてきたバケツにその水を汲み、水場からバケツリレーで木々の消火を始める小麗や瑠奈たち3人。
「これできっと全部の火事を消せるのだ!
パンチにおサルたち、もうちょっとの我慢なのだ!」
こうして、洗剤水を利用した3人の消火活動は順調に進み、木の上に取り残されていたサルたちも次々と地上に降りてきたが、やがて1つ問題が出てきた。火の回りが速い木は、高すぎてバケツの水が届かないのだ。燃えているのがまだ根元付近だった木の火事は、全て消し止めることができたけど、すでに半ば以上に火が達していて対処できない木が、まだあと5本ある。
そのうちの1本は、パンチが登っている木だった。
「キキィッ……!」
立ち昇る熱と煙に巻かれながらも、まだ木のテッペンで必死にボスの威厳を保っているが、このまま放置しておけば、遠からず焼け死んでしまうことは明らかだ。残り4本の木々に取り残されたサルたちも、同様である。
「早く助けないと……あなたたち、何か他に手は無いの?」
ガクガクとエレナに揺さぶられていた、小麗の目がそこでカッ!と見開いた。
「思い出したのだ! アリーセが前に、
パンチは『空気砲』が使える
って話してくれたことがあったのだ」
そう、小麗の言う通り、確かにボス猿パンチは動物の身でありながら、ろっこんが使える。殴りつける仕草で発動し、空気のカタマリのようなものを発射できる、という能力だ。
「パンチの『空気砲』で、あの燃えてる木を折っちゃえばいいのだ!」
「あ、そっか、そうだね!」
根元から折って木を倒してしまえば、テッペンにいるサルも地上に飛び降りることができるし、横倒しになった木の燃えている部分は、バケツの水で消すこともできる。その案に瑠奈も納得して頷き、小麗が大声でパンチに呼びかけた。
「パンチー! こっち見るのだー!」
けれども、「空気砲を撃て」という指示には、きょとーんと首を傾げるばかりのパンチ。
「んーっと、言葉が通じないのだ? なら、ジェスチャーで伝えるのだ。
こうしてー……こうすればいいのだ!」
と小麗が身振り手振りで盛んにアピールすると、ぽんと合点したように手を叩き、パンチがバナナを剥いて食べ始めた。
「ウキッキー!(ウマウマウマ)」
「ギャーー!」と頭の上で大きくバッテンを出す小麗、
「違うのだパンチ、ここで細かいくすぐりは今要らないのだ!
こっちは必死なのだ、こうして……こう! こうなのだ!」
「そうだよ、パンチー! くうきほー! 空気砲だよー!」
と瑠奈もぴょんぴょん加勢しての必死アピールに、ようやくパンチが理解してくれた。やおら幹の上に立ち上がると、拳を腰溜めにして下方に狙いを定める。そして、
バチコーン★
ていう物凄い衝撃音と共に、いきなり目の前でメキメキ根元から倒れ始めた木に、小麗と瑠奈とエレナが目を丸くする。同様に、その木の上にいたサルたちも総立ちで大騒ぎになるが、
「(はっ)み、みんな今だよ! 木から降りてー!」
という瑠奈の声に全員慌てて、地面に衝突する前に木から飛び降りる。やった! これでおサルが1組、無事に地上へ生還!
「すごいのだパンチ、その調子でどんどん行くのだ!」
頭上で大きな◯を作って正解のサインを出す小麗、その彼女の声援を受けながら、次々とパンチが周囲の木を根本から倒していく。いつものサル山とは違って一般客の人目が無いので、パンチのろっこんも本来の性能を発揮しているようだ。続いて2本目、3本目、……4本目! そしてとうとう、木の上にいるサルは、残りパンチ1匹だけになった。
「あれ? でもパンチはどうやって自分の木を倒せばいいのだ?」
真下にあの空気砲は撃てない。小麗と瑠奈の2人が、顔を見合わせる。
「ここで、さっきの消火器を使えばいいんじゃないかしら?」
「それなのだ!」
ようやくエレナが、初めて役に立つ提案をした。最後に残った木の消火をするのに、もう出し惜しみは要らない。小麗がリュックから消火器を取り出そうとした、しかしその時だった。
「あっ……!?」
空を指さす瑠奈の悲鳴に、小麗もそちらを見上げれば。
パンチの頭上めがけて最悪のタイミングで降ってくる、あの焼夷弾──。
上空の、対カラス班が撃ち漏らした1発だった。
【サル山前の通路】
パッと弾かれたように身をひるがえし、いきなり通用口の方へと走り出す瑠奈に、慌てて小麗が声を掛ける。
「ど、どこへ行くのだ瑠奈!?」
「お願い、しゃおりーちゃんも一緒に来て!」
もう、消火器で火を消しパンチを木から降ろしているような、時間の余裕は全くない。瑠奈は通用口からサル山の外に飛び出ると、手すりの外をぐるりと回りながら、パンチにも必死に呼びかけ続ける。
「パンチ、そこから飛び降りて! あそこ! あそこなら!」
瑠奈が指さす前方にあるのは、白線が引かれたパフォーマンススペース。かつてサルたちの五月病を治す時に使われて以来、ずっとこのサル山の前に残されている。
そして自分自身、この場所に立ったこともある瑠奈は、まだちゃんと憶えていた。ここには、
衝撃を吸収するためのマット
がある。
「……あった!」
そして続いて走ってきた小麗と2人で、そのマットレスを立て、サル山の真ん中にいるパンチに向かって、ありったけの大声で呼びかける。
「パンチ、このマットに向かって飛び降りて!」
必死にそう叫ぶ瑠奈を、じっとパンチが見る。
「うけとめるから! 絶対、あたしたちが受け止めるから!」
パンチが頭上の焼夷弾を見上げる。また瑠奈たちの方を見る。小麗も呼びかけに加わる。
「そこから飛ぶのだパンチ、どうかしゃおりーたちを信じてほしいのだ!」
パンチが地上を見る。そこには、小麗と瑠奈がこれまで助けた、ぜんぶのサルがいる。
またパンチが、2人を見る。その頭上に焼夷弾が迫る。瑠奈がさけぶ。
「おねがい! あたしたちをしんじて!」
パンチがくるりと2人に背を向け──、
空気砲を撃ったその反動を加えて、一直線に2人の方に飛んできた。「わわっ!?」その背中をぼふんっ、とマットレスの中央に受け止め、もんどり打って一緒に倒れる少女たち。
その直後、一瞬前までパンチのいた木に焼夷弾が命中し、たちまち業火に包まれて燃え上がった。でも、パンチはもう、ここにいる。ばっと顔を上げた小麗が、
「ぱ、パンチ!? どこも怪我はないのだ?」
「ウッキーーーー!」
そして堂々とマットの中央に立ち上がったパンチに、「やったぁ!」と小麗と瑠奈の2人が、左右から抱きつく。手すりの向こうから現れた、そのボスの無事な姿に、サル山にいたサルたちも喝采の手を叩いてぴょんぴょん大興奮だ。その様子を見て、瑠奈もにっこり笑って言った。
「パンチ……あたしたちを信じてくれて、ありがと!」
おさる班、小麗と瑠奈(とエレナ)──サルたちの救出に、無事成功!
<< もどる
1
…
7
8
9
10
11
…
39
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
<三羽烏の襲撃1>またたび市動物園が火事です
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
鈴木二文字
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
バトル
動物・自然
定員
40人
参加キャラクター数
40人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月22日
参加申し込みの期限
2016年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!