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<三羽烏の襲撃1>またたび市動物園が火事です
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●シロクマ班(2)●
【シロクマ舎】
「日月先生〜! 日月先生はここにいるべか? 急患〜! 急患だべさー!」
そんなふうに突然自分の名を呼ばれたかと思うと、空からふよふよ女子高生が飛んできたので、
日月 透
もこれには流石に面食らった。何だか重そうな桶を、バタ足の要領でえいえい後ろから押している。
その女子高生は、危なっかしい高度で手すりやプールを飛び越えると、日月の前にあたふたと降り立ち、ようやくひと息をついた。そして敬語で手早く、自己紹介を済ませる。
「日月先生、ですよね? あたし、
澪乃 澄佳
です。
急いで先生に治してもらいたい、怪我人がいるんです……!」
そしてこのタイミングでようやく、ここまで気を失っていた
旅鴉 月詠
が、意識を取り戻した。のろのろと重いまぶたを開けると、自分が入っている桶を、不思議そうに見回す。しかしすぐに自分が助けられたことに気付いたのだろう、
「ふむ……私を搬送してくれたのは、君か?
すまない、どうやら迷惑を掛けたようだな」
「わっ、目が覚めたんだねー! 良かった、ほんといかったよう!」
手を握ってその喜びを分かち合おうとして、しかしすぐに月詠の手と腕の怪我を思い出し、それは思い留まる澄佳。その間に日月は、手早く月詠の火傷の初期診断を済ませていた。
「深達性の熱傷ですね。植皮術が必要な程ではありませんが、
通常の治療では瘢痕(きずあと)が残る可能性があります。
私のろっこんも併用して、旅鴉さんの自己治癒力を促進させましょう」
「ああ、先生の判断に任せるよ。どうか宜しく頼む。
……やあグリフ、調子はどうだい? 今日も暑いね」
自分がそんな大変な目に遭っているのに、こちらに近寄ってきた母熊グリフに、軽い笑みすら浮かべながらそんな軽口を叩く、月詠さん。ここのシロクマたちは、
彼女も知り合いなのだ。
「がーう……」
そしてそのグリフは、すでに日月のろっこん治療を受け終えて、顔の火傷も消えている。きっと月詠の腕の怪我もこれぐらい、綺麗に元通りになるに違いない。
「ん? だが、子熊の方……ヒースの姿が見えないな。ヒースはどうした?」
「それなら楢木君が、」
と月詠の治療を始めた日月が、目だけでプールの方を示す。火の海になっている水面の中で、1箇所だけ炎上を免れている場所があった。そこの水面だけが、ピンク色の粉末でコーティングされたように覆われている。
「楢木君が、水中のヒースを引き上げに行ってくれました。
もうそろそろあそこから、顔を出しても良い頃ですが……」
ひゅるるるるるる……
大気を切り裂き落ちてくる、その悲鳴のような落下音に、その時その場にいる全員が凍った。
あのサル山の焼夷弾に続いて、また1個。
上空の対カラス班が撃ち漏らした焼夷弾が、シロクマのプールを直撃した。
【シロクマ舎:プール外】
「ぐ……よりによって、このタイミングで」
日月 透
が思わず、うめき声を上げる。タイミングが最悪だった。この日月は最初から空の様子を警戒していたのに、月詠の治療に集中したため、その警戒が薄れてしまった。
また、その
旅鴉 月詠
は火傷で利き腕をやられ、封印ろっこんが使えなかった。
(手は、あったのだが)
最初の焼夷弾は炎を封印できずに失敗したが、月詠の対応力は早い。この時点ですでに、焼夷弾を防げる対抗策を編み出していた。ただ、それにはある物に、新たに絵を描く必要がある。この腕では無理な相談だった。
「な、なしてこんな酷いこと……」
そして、誰よりショックを受けているのは、
澪乃 澄佳
だった。
あのプールの下には自分の彼氏の友達、
楢木 春彦
が潜っているという。その楢木が確保していた脱出口が、今の焼夷弾の直撃で、再び塞がれてしまったのだ。水面を覆っていた消火剤の粉末が撹拌され、プールは再び、どこからも脱出することのできない火の牢獄と化していた。
「あ、あたしが早く上空組さ加わって、カラスを牽制してれば……!」
その意味でも澄佳のショックは大きい。単純に言えば、負傷者1人の搬送で、航空戦力が1人減った計算になる。それでも、あの時あの場所で行き倒れの月詠を救えたのは、この澄佳しかいなかったのだ。
そして……焼夷弾の爆撃は、まだ今の1発では終わらなかった。
上空の対カラス班の戦況の不利が、明らかに地上にも、悪影響を及ぼし始めていた。
【シロクマ舎:プール内】
(でええええええええっっ!? でっ、出口が塞がれちまったあぁ!!)
そしてまさに今、その脱出口から水上に出ようとしていた
楢木 春彦
は、再びオレンジの炎で蓋をされてしまった水面を見上げ、絶望を味わった。驚きで漏れた呼気のあぶくが、ぶくぶくと水中を上がっていく。さらに大きなあぶくが横から加わり、
「きゅーぅ……」
エッと楢木が隣りを見ると、その声を最後に、子熊のヒースが気絶した。溺れたのだ。
楢木が飛び込み、水中で見つけた時点ですでに弱っていたが、もうこれ以上は呼吸が保たなかった。意識を失くしてぐったりと水の中を漂い始める、ヒースの毛皮を慌てて掴み、しかし楢木自身にはもう、ここから脱出する手立てが残されていない。しかも……
(オイ、やっぱ何か、水面が下がってきてねーか?)
この水中に入るとよく分かったが、何故か時間が経つごとに、このプールの水位が低くなってきている。つまり吊り天井の罠みたいに、火で覆われた天井が頭上から、刻一刻と迫ってきているという状況だ。
楢木の息は、まだもう少し持ちそうだったが、このままではいずれ逃げ場をなくして、ヒースごと火だるまになってしまうだろう。または楢木も溺れるか。いずれにせよ、絶体絶命だ。
(ど、どーする……日月さん、誰か! 助けてくれえぇっ!)
【シロクマ舎:プール外】
「わああああ、桶さ燃えちまった!?」
炎の水面を1枚挟んだ向こう側、プールの上では、続く焼夷弾を
澪乃 澄佳
が、必死に桶で受け止めて防いでいた。けれども桶は木製だ。ヒルズの能力の暴走圏外である、上空でなら問題なかった筈だけど、ここで燃える焼夷弾を受け止めれば桶も燃えてしまう。
さらに爆撃は断続的に続く。
日月 透
と
旅鴉 月詠
は、治療中で動けない。プールの中には溺れたヒースと、やはり脱出できない
楢木 春彦
。月詠の負傷から端を発してシロクマ班が直面した苦境は、これ以上ないほど最悪の状況に陥っていた。
「やむを得ません……ここは私が」
一旦月詠の治療を中断して、焼夷弾の対応に回ろうとした日月が、しかしその当の月詠に止められる。
「いや、先生。私の治療の方を優先させてくれ」
「しかし……」
「腕の怪我は後回しでいい、手から先が動けばそれでいい。
指先が動けば絵が描ける。絵が描ければ私のろっこんが使える」
こんな状況であっても、いや、だからこそ。冷静な態度を崩さない月詠のその凄みに押されて、「分かりました」と日月も治療を再開する。
その一方で、澄佳の方も思い出していた。
八神 修
たちに繋がった、あの無線機のことを。
「そっ、そうだ! 困ったことがあったら連絡してくれって、言われてたべや!」
今度の無線はすぐに繋がり、八神の返答も早かった。
『状況は理解した。朗報がある。実験班の
桃川 圭花
から、たった今連絡が入った。
その燃えている水は、洗剤を混ぜてやれば消火できるそうだ』
「ふへ、洗剤?」
思ってもみない消火方法を聞いて、澄佳は呆気に取られたけど、そう言えばさっき寄った厩舎の隅っこに、業務用のが置いてあった気がする。
「あたし、急いで厩舎に行ってくるよう!」
そう言ってろっこんで飛び上がった澄佳に、治療中の月詠がさらに声を掛ける。
「澄佳、バケツもあったら持ってきてくれ。出来れば金属製の物がいい」
「バケツだね、わっ、分かった! すぐ戻ってくるべさ!」
今度は負傷者の重量を抱えていなかったので、澄佳もすぐに飛んで戻ってくることが出来た。
「あった、見つけたよう! 業務用洗剤!」
一緒に持ってきたバケツは月詠の方に落とし、自分はプールの直上に飛ぶ。そして、燃え盛るその火の海の真ん中めがけて、どばどばとそのボトルの中身を注ぎ始めた。
「春彦くん、もうちょっとの辛抱だよう。いま助けるからね!」
プールは容積が大きいので、変化が見られるまでに少し間があった。けれども熱の対流で撹拌された洗剤が、やがてプール全体に行き渡り……
もこもこと湧き上がった大量の泡に駆逐されるように、水面の火が次第に隅に押しやられ……やった! ついに1つの炎も残らず消え失せた!
「げほっげほ、うぇ、何だこの泡?」
むせながらそのシャボンの下から、すぐに楢木が浮かび上がる。ぐったりしている子熊のヒースも一緒だ。治療を終えた日月もすぐにプールの縁に走り寄り、澄佳と楢木の3人で、ヒースの身体を引っ張り上げる。
「日月さん、ゴメン! ヒースが溺れちまった!」
「大丈夫。絶対助けますから」
大量の水を吐かせてから、日月は直ちに子熊の心肺蘇生を試みる。ろっこんを併用した治療は、グリフ、月詠に続いて、これで3体目だ。日月の能力は、その代償に自身のエネルギーを消費していくので、さすがに身体が辛くなってきた。だが、弱音を吐けるような状況ではない。
(もしここで皆を救えないのであれば、私のこの力に意味はない)
精神を治療に集中させながら、日月はそう思う。
(この力は、全ての命を救う為のもの。
動物の命は決して人に劣るものではありません。
全ての命が尊く、価値のあるもの──それを証明する為にも)
「……まだ、私は倒れるわけにはいきません」
その日月の決意と信念を、あざ笑うように。空から、後続の焼夷弾が落ちてきた。
「1、2、3……4発ぅ!?」
咄嗟に楢木が【Stairs of air】で空気の足場を作り、その内の1発を防いだ。さらにもう1発がぶつかり、空中で音を立て焼夷弾が跳ね飛ぶ。けれども、プールで消耗した楢木に生成できた足場は、そこまでの数が限界だった。蹴りや拾った物で打ち返すような暇も無かった。
空気の足場の間を擦り抜け、残り2発が、日月とヒースに向かって落ちる。
「やべっ!? 日月さん、ヒース、逃げてくれ!」
「ひゃあああああああっ!」
その楢木の隣りで澄佳も悲鳴を上げる、しかし気絶しているヒースは勿論、その治療に全精神を集中させている今の日月に、爆撃を避けることなど出来よう筈もない。
駄目だ、命中する──
誰の目にもそう思われた、その瞬間だった。
「皆、すまない。待たせたな……だが、後は私の役目だ」
着弾の寸前、2発の焼夷弾の弾道が強引に捻じ曲がり、日月たちの頭上から逸れた。そのまま2重螺旋の軌跡を描いて、カラン!とバケツの中に吸い込まれていく焼夷弾。吸収しきれなかった炎が、断末魔の悲鳴のようにしぶとくバケツの底で踊っていたが、やがてその火もフッと消えた。
「なっ……旅鴉?」
まだ信じられないという表情で、その一部始終を目撃した楢木が口をぱくぱくさせる。
「おまっ、今いったい何したんだ?」
そう、日月たちを最後の最後に救ったのは、
旅鴉 月詠
だった。火がきちんと消えたのを確認すると、胸の前で構えていたバケツを下ろして、月詠がやはり淡々と説明する。
「このバケツの底に絵を描き、適当な物を封印してから進化能力を発動させた。
私の進化能力は、5メートル以内の目視できる物なら、
絵との間に引力を発生させることが出来る。
その引力で焼夷弾を引き寄せ、このバケツの中に封印したのさ」
バケツを使ったのは、火を封印できずにスケッチブックを燃やしてしまった、最初の失敗があったからだ。だが紙ではなく、火に耐えられるバケツなら、同じ失敗はもう繰り返さない。
「手は見えたんだ。ならば対策するまでの事さ」
旅鴉月詠、利き腕を負傷するハンデを乗り越え、ここに復活。
「きゅー、……きゅ?」
「よっしゃぁ! ヒースも目を覚ましたぜ!」
そして同様に、日月のろっこん治療を受けたヒースも、その意識を取り戻した。ハイタッチで喜び合う楢木や澄佳を、しばらく不思議そうに眺めていたけど、すぐに鼻面を押し付けてきた母熊グリフに気付いて、ごろんと母親に甘えだす。
「……どうやら、私も役目は果たせたようですね」
その仲睦まじい親子の姿を見て、日月も長い長い安堵のため息をつくのだった。
シロクマ班、楢木と月詠(と日月&澄佳!)──白熊親子の救出に、辛くも成功!
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ゴールドシナリオ(200)
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3人まで
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推理・サスペンス
バトル
動物・自然
定員
40人
参加キャラクター数
40人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月22日
参加申し込みの期限
2016年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月29日 11時00分
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