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<三羽烏の襲撃1>またたび市動物園が火事です
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●シロクマ班(1)●
【水辺エリア:シロクマ舎】
楢木 春彦
たちがシロクマコーナーに侵入するのに、カギは不要だった。楢木には先の焼夷弾回避にも使ったろっこん、【Stairs of air】があるからだ。
手すりの向こうはすぐシロクマ用のプールで、しかも今その水面は燃え盛る火の海だ。けれども楢木は、その手すりとプールを跨ぐようにアーチ状の空気の階段を作り、容易く対岸へと達する。そして振り向くと、
「日月さん、俺に続いて下さいっす!」
「ええ、分かりました」
往診鞄を片手に、その見えないステップに続いて飛び乗ったのは、
日月 透
だ。今度は楢木も、足場の場所を細かく指示する余裕があったので、日月も迷いなくその階段のアーチを渡る。下から吹き上がってくる熱風に、その白衣の裾を煽られながらも、無事に渡り切ることができた。
「しっかしどうなってんだ、このプール」
氷を模した陸地側から、いちめんの火の海になっているプールを改めて見回し、楢木が言う。
「水が燃えるっておかしいしコレもアイツらの仕業だよな……
っつーコトはコレもなんかの能力か?」
「恐らくそうなのでしょうが、今はあまり時間もありません」
焼夷弾の影が見えないか、日月がちらりと上空を警戒しながら、
「人手も少ないことですし、手分けして事に当たりましょう」
日月の言う通り、このシロクマ班にはタイムリミットがあった。最初の空爆時、運悪く水中にいた子熊のヒースが、水面を炎に塞がれ、浮上できなくなってしまったのだ。
燃え盛る炎の下に隠れて、この陸地からでは視認もできないけど、きっと今もヒースはこの水面下でパニックに陥っているに違いない。このまま放置しておけば、窒息も時間の問題だろう。
そしてどうやら、このシロクマ舎に駆け付けたのは、楢木と日月の2人だけのようだった。もう少し人手が欲しいところだったが、今はこの2人で頑張るしかない。
「分かった、んじゃ日月さんは、その親熊の治療を頼んます!
俺はこのプールの炎を、何とか消してみるぜ!」
「がーう……がーう!」
さっきから燃えるプールの水際をウロウロし、水中の我が子に向かって何度も呼び掛けている、シロクマの元へとまず、日月は走った。
この母熊の名前はグリフ。ふだんは人間っぽい仕草がとても愛くるしい、この動物園の人気者なのだが、今はそんな愛嬌など見る影もない。見えない子熊を案じて、憔悴しきっていた。何度もプールに飛び込もうとしたのだろう、鼻先と口許の毛が焼け焦げて、火傷している。
「大丈夫。あなたのお子さんは……ヒースは、
楢木君が絶対、助け出してくれますから」
往診鞄から取り出した、ゴム手袋を両手にはめながら、日月が素早くそのグリフの火傷を診る。そして興奮で落ち着きのない、その黒い瞳をじっと見ながら、話し続ける。
「だから今は──この私に、あなたを助けさせて下さい」
日月は、この動物園の近くにある「たちもり動物病院」の若院長だ。
今日は、園内の動物の検診の手伝いに来ていた所を、この事件に巻き込まれたのである。治療器具や薬を幾つか持ち込めたのは、不幸中の幸いだった。
そして獣医師としての技術以外に、日月にはもう1つ、動物たちを救える力があった。
ろっこん【ラファエルの手】──治療対象の自己治癒力を促進させる、癒やしの力だ。
「がぅ……」
声を荒げず、手も振り上げず。落ち着いて忍耐強く接し続ける、その日月の姿に、母熊グリフも何ごとかを感じ取ってくれたのだろう。ひと声そう鳴くと、やがて目を閉じてその身を任せてくれた。
日月は思う。この信頼には、応えなければならないと。
「ええ、任せて下さい。この手と知識、経験、私の持てる全てを以て──」
「あなた方全ての動物達、否、命を救います。絶対に」
一方、日月にグリフの対応を任せた
楢木 春彦
は、プールの消火へと向かっていた。
「待ってろよヒース、もう少しの我慢だからな!」
ろっこんで足場を宙にいくつか作り、また燃えるプールの上に立つ。その眼下には次から次へと赤い炎を吹き出し、絶え間なく燃え続ける火の海。一瞬、太陽の表面でも見下ろしているみたいな錯覚に囚われ、慌てて楢木はぶんぶんとその妄想を振り払う。
(げっ、ビビってんのか俺?)
「ええい、んなワケあるかよ!」
と大声でその身を奮い立たせ、楢木が消火器を取り出す。このシロクマ舎に来る前に見つけておいた、楢木の勇気の切り札だ。他の防災用具は、残念ながら見つからなかったけど、これさえあれば、プールの火はきっと消せるはずだ。
「これ1本で使い切りみてーだから、失敗はできねーケド……、
いくぜっ!!」
黄色い安全ピンを引き抜き、黒いレバーを力強く握り込む。「おーっ?」思ったよりファンシーな、ピンク色の粉が噴出してちょっと驚いたけど。楢木は慌てずにノズルを水面に向け、手前からホウキで掃き出すようにして、その炎を消し止めていく。ブシューーーーー……
「よっしゃ、やったぜ!」
ちょうど楕円状に水面がピンクの粉末に覆われ、その箇所だけばっちり、火が消えた。成功だ!
「よし、水ん中への入口が出来た! 今だぜ」
親熊が飛び込むかと思い、楢木は陸地の方を振り返るが、グリフはまだ日月のろっこんで治療中のようだった。ヒース窒息までの、残り時間も少ない。ここは、自分が行くしかないだろう。
「ヒース、今俺が助けてやるからなっ!」
もう迷いなど無かった。最後に大きく息を吸い込むと、思い切りよく足場から飛び降り、炎の消えた水面から、どぽんと水中に入る。
【草食動物エリア:厩舎付近】
ここで、少し時間をさかのぼろう。カラスたちの初回の空爆が終わってから、間もない頃だ。
澪乃 澄佳
は、燃える木立の上をろっこんで飛びながら、いつになく憤っていた。
「せっかくのフツウの休日だったのに、酷いでないかい!
できたお菓子、ねこったーさあげたかったのに!」
好きなお菓子作りの途中で、召喚されてしまったみたい。でももちろん、怒っているのはそれだけじゃなく、すっかり変わり果ててしまった眼下の動物園の様子にも、だ。
「酷い、なしてこんなこと……いつもの異変よりずっとおっかねえけど、
それ以上に絶対許せねえよう……!」
普段はおっとりほんわか、お菓子を食べることが幸せの澄佳は、本当は
戦いなんておっかないこと、そんなに好きじゃない。
「でもそんなこと、言ってられないっしょや!?
これ以上被害が酷くなる前に、なんとかしてあのカラスさ、止めねえと!」
幸い自分には、こうやって空を浮遊できるろっこん、【空飛ぶ散歩のお時間です。】がある。澄佳もこの能力を使って、上空の対カラス班に加わることを決意した。この時点では。
ところが……問題が起こった。
「まずは一番近い厩舎さ行って、なるべく大きい桶さ何個か持っていくよう」
と澄佳は空を飛び、希望通りの桶を見つける所までは順調だった。この桶も能力でいっしょに浮かして、カラスのペットボトルを空中でキャッチするつもりなのだ。さらに、
「あっ、無線もあるべさ……これも借りてこっと」
と厩舎にあった無線も拝借し、園内地図もスマホでぱちりと撮影。これで澄佳の準備は万端、ここまでは全部順調だ。ただ1つ、順調じゃなかったのは、
「あれっ? 外に誰か倒れてるねぇ……。
…………。
Σ えええええええっっ!? だっ、誰か道で、行き倒れてるよう!!」
澄佳が慌ててその少女を抱き起こすと、キャスケット帽が地面にぽろりと落ちて転がった。高熱に汗ばんだ額と頬に、白い髪がべったり貼り付いている。
そして彼女は、片手と片腕にひと目で分かる火傷を負っていた。
そう。澄佳がここで偶然発見したのは、あの
旅鴉 月詠
だ。初回の焼夷弾で負傷してしまった月詠は、医者を求めてこの園内を彷徨ったものの、ついに体力が尽きてここで気絶してしまったのである。
「どどど、どうしたらいいべさ〜!?」
月詠を抱きかかえたまま、途方に暮れる澄佳。ちなみに彼女は、学校では保健委員だったりするのだが、もちろんこんな火傷の手当の心得など無いし、ここには器具も薬もない。
そして助けを求めようにも、近くには誰の気配もない。ぼうぼう燃える火事の中に取り残されて、今、澄佳はこの負傷者と2人きりだ。進退窮まった。
「あっ、ううん! そうだ、さっきの無線!」
いや、まだ手があった。さっき見付けた、無線があった。澄佳は月詠を膝の上に寝かせると、使い方のよく分からない無線をそれでも勘でスイッチを押し、マイクに向かって呼び掛ける。
「ええと、無線ってどう話せばいいんだっけ……確かCQ CQ?
CQ CQ こちらは寝子高2年5組澪乃澄佳、只今負傷者をかかえてます。
どうぞ。…………。だっ、誰か! だれでもいいので、どうぞー!」
『(ガチャ)ハイこちらはまたたび市動物園火災対策本部なのですっ。ドーゾ!』
唐突に無線が、なんかヘンな所に繋がった。澄佳は面食らって一瞬アワアワしたけど、無線を通じて聞こえてくる、この元気な女の子の声は、何だか聞き覚えがあるような。
「あれ、もしかして……美咲紀ちゃんだべか?」
『あっ! その声、澪乃さんなのです?』
知ってる子だ。無線の相手は、寝子高新聞部の
椿 美咲紀
だった。隣りには同じくその新聞部の部長、
八神 修
もいるようで、無線の向こうが一気に賑やかになった。
独りぼっちの心細さから解放されて、澄佳は思わずぽろりと泣きそうになってしまったけど、
「ハッ、でも泣いてる場合じゃないべさ!」
慌ただしく澄佳は美咲紀たちに向かって、現在の窮状を訴える。さっきの空爆で被弾したと思われる、負傷者を発見したこと。本人は気絶して意識が無いこと。治せる人が近くに誰もいないこと……。
『ならば、私がそこまで治療しに行くのですっ』
無線の向こうですぐに美咲紀の声がする、
『皆さんに助けてもらったんだもの、今度は私が他の人を助ける番なのです!』
けれども無線の相手が八神に代わり、現在位置を問われて澄佳がそれに答えると、しばらく向こうで何ごとかを話し合う声が聞こえた。やがてもう一度八神が出て、
『八神だ、了解した。その場所なら、こちらから美咲紀を向かわせるより、
シロクマ舎まで行ってもらった方が早い。
俺の知り合いの医者が今その場所にいるそうだから、そこで治療を受けて欲しい』
「お、お医者さんって?」
『
日月 透
という先生だ。専門は獣医師だが、腕は保証する。
……どうだ? そこまで何とか、怪我人を搬送できそうかな』
澄佳は急いで自分の周囲を見回した。近くには、さっき自分が集めた桶がある。ろっこんで試しにその桶をふよふよ浮かせ、ぐったりしている月詠を、慎重に持ち上げてその中に座らせてみる。うん、よし。これなら何とか、怪我人を連れて移動できそうだ。
「な、何とかなりそうかも!」
『そうか、じゃあ頼む。また困ったことがあったらすぐ連絡してくれ』
そんなやり取りをして無線を終えた澄佳は、よし、とその胸に覚悟を決める。思わぬ成り行きになってしまったけど、ともかくこの怪我人を治せる先生が見つかった。
そして、月詠をそこまで連れて行けるのは、今は世界中にこの自分、ただ1人なのだ。
澄佳はぱちん、と懐中時計を開いてろっこんを発動させ、触れた月詠入りの桶と共に宙に浮き上がる。小さな物品を浮かせるのとは違って、ひと1人の体重を支えるのは重い。
それでも澄佳は今の自分に出せる最大速度で、シロクマ舎目指して移動を開始した。
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ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
バトル
動物・自然
定員
40人
参加キャラクター数
40人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月22日
参加申し込みの期限
2016年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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