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<三羽烏の襲撃1>またたび市動物園が火事です
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●ハチドリ班●
【鳥類エリア:バードハウス付近】
今日は学校もお休み。普通に動物園に遊びに来て、普通にのんびり、楽しい時間を過ごすはずだったのに。「次はバードハウスだー!」と鳥類エリアに差し掛かった所で、
春山 小枝
は突然の火の雨に遭遇した。
「むや!? なになにぃ!?」
ヒルズとカラスたちが仕掛けた、あの最初の空爆のことだ。けれども、そんな事情など全く知らない──そもそもこれまで、ろっこん事件に関わったこともない小枝は、ただ両耳を押さえてその場に蹲るばかり。
幸い、小枝に焼夷弾が直撃することはなかった。けれども、気の遠くなるような時間が過ぎ、ようやく彼女がその目を開けた時、周囲の景色はすっかり一変していた。
「ふぇっ……?」
さっきまでカラフルな花を咲かせていた花壇は、外来種の炎にあっという間に駆逐され、今では火の粉という花粉を辺りに撒き散らしている。来園者の憩いの場だった芝生の小さな丘は、満ち潮のように押し寄せた火に呑み込まれ、その下にあっけなく沈んだ。
そして、木立のあちこちで燃える木々と、その向こうの空に立ちのぼっている、いくつもの煙。
「……やだよこわいよ、なんでこんなことになってるの?」
ここから逃げなきゃ、
理性ではそう思うのに、小枝の身体はちっとも言うことを聞かず、足が竦んで動けない。
足が竦んでもう動けない。
日暮 ねむる
もまた、木立の根っこにつまずき、地面に跪いたまま、その場を1歩も動けなくなった。こんな所にいたら、すぐに火事に追いつかれる。
(急いで逃げなきゃいけないのに)
そう思うのに、足の震えを必死に抑えるだけで、もう精一杯だった。
左腕が、疼く。
近くのバードハウスからは、ぎゃあぎゃあと混乱して鳴きわめく、小鳥たちの声が聞こえる。きっと園内では、他の動物たちもこの火事に巻き込まれて、今頃ひどい目に遭っているだろう。
(早く助けなきゃいけないのに)
左腕の火傷の痕が疼く。熱を持ったように。
(なんで、動けないんだよ……!)
思い出す、光景がある。その記憶が、フラッシュバックで日暮の脳裏に甦る。
(……炎は怖い)
(……視界が真っ暗になる)
(……
僕のせいでまた、大事な人が、、
)
大事な、人?
「ねむくん……!」
悲鳴のような女の子の泣き声が聞こえ、日暮ねむるはその顔を上げた。
「はる……ちゃん?」
囚われそうになっていた記憶の牢獄から自我を引き剥がし、周囲を見回す。急速に意識が覚醒する。燃える木立の向こうでやはりこちらを見付け、必死に助けを求めている幼馴染がいる。
春山小枝だ。確かにこの自分の名を、呼んでいる。
「ねむくん助けて……!」
気が付くと日暮は、彼女の方へ走っていた。
もう足は震えていなかった。
「はるちゃん大丈夫? 怪我してない?」
ぶんぶん首を振りながら全力で縋り付いてくる、幼馴染を優しく抱きとめる。こんな時なのになぜか、ふんわり日溜まりの匂いを感じる。懐かしいような、くすぐったいような匂いだ。
「どうしよう、なんか大変なことになってるよ、逃げなきゃ……!」
日暮が素早く確かめた所、小枝には怪我は無いようだった。ただ、受けたショックが酷くて混乱している。いきなりこんな火災のど真ん中に放り込まれたのだから、無理もない話だけど。
(仕方ない……ろっこんを使って落ち着かせよう)
日暮のろっこん、【In to the Sleep Act2】には、触れた対象を眠くする効果がある。日暮は不安を取り除くように小枝の両手を握り、その目を下から覗き込んで、辛抱強く言い聞かせる。
「はるちゃんよく聞いて、これは夢だ。悪い夢なんだ」
「ゆ、め……? あれ、そうなんだ……?」
「そう、夢だ。けどもう少しすれば必ず終わる。
それまでは僕がはるちゃんを守るから、、」
「うな、そっか……夢……ゆめ、なら、
だいじょうぶ……だよね……ねむくんも……」
(うん……ねむくんが一緒なら、きっと大丈夫)
ろっこんの眠気と、握りしめてくれた掌の温かさにリラックスして、小枝はそのまま倒れ込むように眠ってしまう。ぐったりもたれ掛かってきたその少女の身体を受け止め、最後にもう一度。安心させるように、日暮はその小さな背中を撫でる。
そして、くーすー眠っている彼女の身体を抱き上げると、そのままお姫様抱っこで安全な場所へと運んだ。ちょうど近くにあった、バードハウスの建物がコンクリート製だったので、その付近に小枝を寝かせる。
(でも、ここもきっと長くは持たない。すぐ戻ってくるからね)
自分にはまだ、やらなきゃいけないことがあるから。
「これはこれは……焼夷弾から始まるKOIの予感?
誰かと思えば、日暮はんと小枝嬢かい〜」
そのバードハウスの入口から建物の中に消えてゆく、日暮の姿をにやにやと見送りながら。今のお姫様抱っこのくだりを、木立の影から偶然目撃していた者がいた。
骨削 瓢
だ。のらりくらりと行動の読めないこの道化者もまた、テオによってこの世界に召喚されていたのである。
「こんな戦火の中でもいちゃいちゃとは妬けるねぃ、
ま、お陰様で、あっしのろっこんも使い易くなったがねぇ〜」
手品の品でも差し出すように開いてみせた掌から、しゅるりと巻き上がる風の渦。独楽のようにその回転の緩急を、暫し掌上で弄ぶと、骨削はサテ、と頭上を見上げた。その木立の向こうの空にはぎゃあぎゃあと、黒々と群れるカラスの大群。
「……それじゃろっこんでも派手にぶっ放して、
まずは眼前の脅威を取り払うとしようかねぇ?」
【バードハウス】
バードハウスの建物に入った
日暮 ねむる
は、まず素早く中の被災状況を確認した。ここは熱帯に棲む鳥たちが展示されている場所のようで、内部はその種類ごとに幾つかの区画に分かれていた。その各ブロックが、ガラス張りの温室になっているらしい。
ガラス越しに人の姿を見て、鳴き騒ぐ鳥たちの様子を順番にチェックしながら、日暮がフロアを走っていくと、最後のハチドリのブロックだけ、煙が充満して内部の様子が見えなくなっていた。
「ハチドリ……? ここの鳥の名前は、ハッチって言うのか。
多分水場から出火して、中の木に燃え移ったんだな」
ガラスに掲示されている案内プレートで、日暮は情報を確認する。ここで飼育されているのはハッチ1匹だけ。ただ、ハチドリは体長5センチと非常に小さいらしく、日暮がガラスに貼り付いて煙越しに透かし見ても、いったいどこにいるのやら、さっぱり分からない。
「うーん、羽音でもさせてくれれば、まだ探しやすいんだけど……」
1回戻ろうと判断して、もう一度入口まで戻った日暮は、そこで消火器と、さらに屋内消火栓を見つけた。消火栓の方は寝子高の校舎でも見るような、壁に設置されているタイプのものだ。扉を開くと、中に蛇腹状にホースが収納されている。
「うん、このホースは使えるかも?」
サル山方面で小麗がエレナを止めていたように、消火栓の放水はヒルズの能力で火炎放射になってしまう危険がある。けれども日暮はホースだけを肩に担ぎ、そして消火器も持ってまた来た道を戻った。
途中にある全ての温室のガラスは、この消火器のお尻で砕いて穴を開けてやった。すぐに中の鳥たちがばたばたとその穴から飛び出すと、やかましく鳴きながら、建物の外へと消えてゆく。
(みんな、無事に逃げてくれよ……)
後はおそらく、他の仲間がフォローしてくれる筈だ。日暮は最後に残った、ハチドリのブロックに向かう。
さて問題の、姿の見えないハッチだ。まずは充満しているこの煙を何とかしてやらないと、見付ける前にハッチが窒息してしまう。日暮は革靴を脱いで手で持つと、ガラスの最上部の角を叩いて割った。するとその穴から次第に、煙が外に出始める。
(よし、これで中の煙は薄くなるはず。次は)
ワイシャツの袖口を破り、口元に結んで即席のマスク代わりにした。そして、ここまで持参してきた消火栓のホースを解いて、自分のベルトに縛り付ける。
(これなら煙で道に迷っても、ホースを辿って外に出られるはず……!)
準備はできた。
そして覚悟も。
日暮は排気穴から対角線上のガラスを思い切って叩き割ると、そこを侵入口として温室の中へ踏み出す。熱気と白い煙がいっぺんに視界を覆い、なるべく煙の薄い所を進もうと、日暮は低く身を屈める。
「ハッチ! ハッチ!! どこにいるんだ!」
(うなっ。煙すごい! まだ夢の続きだった……!)
せっかくあの怖い夢から覚めたと思ったのに、まだ火事の中だった。
春山 小枝
は一瞬またパニックになりかけたけど、今度はすぐに、幼馴染の言葉を思い出せた。
──僕がはるちゃんを守るから。
日暮は確かにそう言っていたのだ。この夢も必ず終わるって。
(だから大丈夫。それまではねむくんが、守ってくれるって言ったもん)
小枝はその言葉を信じて、きょろきょろ彼の姿を探す。ここは、さっきまでいた場所とはまた違って、辺りは真っ白な煙だらけだ。ねむくんの姿は見えず、それに煙を吸い込んでしまって小枝はむせる。
「チュ、チュチュチュン」
(げほ。……あれ? いま何だか、ヘンな声が出たみたい……?
と、とりあえず火事の時は、煙の届かない下の方に……だよねっ)
小枝は高速でその翼を羽ばたかせると、地面スレスレをホバリングして煙を避けた。すると遠くの方でガチャン、とガラスの割れる音がして、続いて聞こえてきたのは、
「ハッチ! ハッチ!! どこにいるんだ!」
(あっ、ねむくんの声がする!)
身を屈めるように進むと、この温室の中の火元はすぐに見つかった。ハチドリの水浴び用の水場だ。
日暮はここで即座に判断して消火器を使ったが、ピンク色のスモークを焚いたような、予想外に大量の消火剤が出てきて、マスクをしていてもむせる。近くの木々に飛び火していた火事も含めて、炎はこれで全部消し止めることができたけど、大量の粉が舞って、視界はかえって悪くなってしまった。
換気の悪い場所で粉末消火器を使ってしまった、失敗を一瞬悔やむ。
でも、今は進むしかない。
手探りでも、前に進むしかない。
苦しくても、先が見えなくても、1歩ずつ前に。
「ハッチ! 助けに来たよ、ハッチ!!」
(何もできずに後で後悔するなんて、もう嫌だから……!)
「チュチュチュチュチュ!」
その時、日暮の視界に突然、エメラルドグリーン色の影が飛び込んできた。えっ、と思う間もなくその小さな鳥は、まっすぐこちらに飛んでくると、
「チュンチュンチュン!(よかった! ねむくん、助けに来てくれたんだよね)」
嬉しそうにそう囀ってホバリングすると、そのままスポッと日暮のワイシャツのポケットに納まった。
「ハッチ……えっ、ハッチなのか?」
その小鳥の人懐っこさにちょっと驚いたけど、今は深く考えている時間はない。後は撤収するだけだ。ベルトに結んだホースを道標に伝って、日暮は温室の外へ、そしてバードハウスの建物の外へと、無事に脱出したのだった。
「ふう……まだあの煙の中を彷徨ってたらやばかったかも」
日暮はようやく外の空気を吸って、ひと息ついた。そして自分のポケットの中で幸せそうにぬくぬくしているハチドリを、まじまじと改めて見直す。
「ハッチが逃げずにポケットに来てくれたおかげだね。
君が賢い鳥で助かったよ」
「チュチュ、チュン!(ううん、ねむくんの声がしたから落ち着けたんだよっ)」
人差し指でくりくり頭を撫でられながら、
春山 小枝
もくすぐったそうに鳥の言葉でそう答える。
そう、もうこの辺でそろそろ、お気付きだろう。このハッチの身体を今動かしているのは、春山小枝の意識だ。これは小枝の無自覚ろっこん、【ちいさきもののゆめ】が起こした現象──小枝が眠ったことで、たまたま近くにいたハッチに彼女の意識が乗り移り、結果的にハッチの生命を救ったのである。
ただし、日暮はそのことを知らない。
小枝本人も、これは夢の中の出来事だと思っている。
でも、これが夢でも、ねむくんの胸の中は、とてもあたたかくて心地がいいから。
その体温と心臓の鼓動をポケット越しに感じながら、小枝はもぞもぞと恥ずかしそうにこう呟くのだった。
「チュチュン……(えへへ……守ってくれるって言ったの、本当だったね!)」
ハチドリ班、小枝と日暮──ハッチの救出に、無事成功!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
鈴木二文字
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
バトル
動物・自然
定員
40人
参加キャラクター数
40人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月22日
参加申し込みの期限
2016年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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