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走る体と心の温度
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蝉の声が両脇の木立から降りしきる。
夏の終わりとは思えないほど喧しい蝉の声よりも激しく耳の奥に響いて、己の破裂しそうな心臓の音。
(あー)
「やっぱ山道上るのは格別にゃー」
呼吸が乱れるのも構わず、といきは夏山の日差しに笑う。
走る為に日々作り上げた筋肉が、この島に来てからはあまり登っていなかった山道の険しさに疲労を訴えることすらも楽しい。踏み出す一歩ごとに高くなっていく景色が嬉しい。
(ていうか誰も見たことない景色が見えるというか)
この体で、どこまででも走って行ける気がする。
本土の実家に住んでいた中学校の頃がふと脳裏に蘇る。あの頃は、住んでいた箱根の山道の道幅の狭さもあり、旅館やホテルの複数経営で忙しい家族に一々車を出してとねだっても怒られるだけだったこともあり、山道を延々と歩いて学校に行ったり買い物に行ったりしていた。
(あの頃は)
当たり前のように山がそこにあったけれど、所謂成金である父母の見栄で星ヶ丘の金持ち寮に入ってからは、
(どうも山道登ってなかったんだよなあ)
両親と今の生活への冷めた思いは、砂利の散らばる荒れた道を数歩踏みしめるだけで消し飛んだ。今はただ、ひたすらに坂道を登り駆けることが楽しい。
自身の呼吸と心臓の音に蝉時雨が重なる。遠い海や空から流れ来る風にざわめく木立の音が重なる。山との一体感を、けれど背後から聞こえた足音に邪魔されて、といきは肩越しに不機嫌な猫じみて細めた眼を投げかける。
落神神社に続く細道への分岐の辺り、バックパックを負うた黒髪の少年が苦しげに顔を歪めて山道を駆けて来ている。
(君、ペース配分考えてないわね)
がむしゃらに体を酷使しているようにも見える少年の姿を一目で切り捨て、といきは再び振り向きもせず、長距離走者の走りで登山道を黙々と辿る。
先に立つ金髪の少女の背中が一向に近づかず、むしろ徐々に離れて行っているように見えて、ねむるはここにきて重さの増した気のするバックパックの肩紐を握って喘ぐ。普段はどうということのない重さのはずなのに、山道ではその何でもない重さが結構堪える。
日が高くなるにつれ益々賑やかになる蝉の声を見上げ、太陽の強い光に瞳を細める。木洩れ日になることが多いとは言え、街よりも空に近い山道の陽射しは、体感としてはっきり感じられるほどに水分を奪う。
正直に言ってしまえば、
(すんごい苦しいけど)
息は切れる。膝も太腿も疲弊し切って震える。陽射しを浴びて水分を失った体がひどく熱く重い。
己が身を苛め抜きながら、ねむるは陽炎の揺れる道の先に強い眼差しを上げる。
(燃えてくるよ)
疲労で重たくなる足を懸命に踏み出す。登り初めと変わらぬペースを頂上まで維持したい。――否、
(維持してみせる)
上げた視線の先に見据えるのは、次の対戦相手と己自身。どちらにも、絶対に負けない。
落神神社を過ぎ、猫又川の橋を渡る。僅かに緩くなる上り坂の手前で、そろそろ脱水が心配になってきて、ねむるは背のバックパックに手を伸ばす。足を緩めぬままに鞄のポケット内に納めたゼリーを取り出そうとして、
「うわ!?」
石に躓いた。疾走の勢いを抑えきれず、宙に体が舞う。鞄に気を取られていて、受け身を取る暇もなく転ぶ。短パンの右膝を派手に擦り剥く。
「いったた」
「ユー、大丈夫?」
蹲るねむるの背後、蹄の音も高く夏雲よりも白い馬が立つ。馬の鼻息に振り返る視線よりも更に高い位置から、暁の紅色した豊かに波打つ髪の少女が顔を覗かせ、夏空色の瞳を心配げに細める。
「大丈夫、ありがとう」
応急処置ぐらいなら手持ちの装備で出来る、と道の端で傷の治療を始める自分より少し年上らしい少年を暫く眺めて後、
バニー・オークレイ
は愛馬シルバーターゲットの首を軽く叩く。
少年の足の傷があんまり痛そうで、ここまで懸命に馬を駆ってきた訳を一寸の間忘れてしまっていた。
今日は星ヶ丘オークレイ牧場主である父親と共に九夜山へ遠駆けに来たついで、父親にいいところを見せようと早駆け勝負を挑んだのだった。僅かなハンデを貰ってはいるけれど、こんなところで止まっている暇は無い。そう容易く勝たせてくれるはずがない。
「ファイト」
「うん、せっかくここまできたんだ」
頂上まで絶対に諦めてたまるか、と熱い決意を口にする少年に馬上から笑いかけ、バニーは道を外れた茂みに愛馬を誘導する。
「ハイヨーシルバー」
掛け声も勇ましく、馬を操り駈ける。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月24日
参加申し込みの期限
2014年10月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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