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8月の★ハッピーバースデー
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屋敷野 梢
は肩を出した白いワンピース姿で元気に歩いていた。左右には二人の親友、
葛城 璃人
と
高尾 日菜
が笑顔で寄り添う。共にゴシックロリータ風の装いで華やかなピンクと清楚なブルーがよく合っていた。
天候に恵まれた空を眺めながら梢は言った。
「私は前から生まれた日が悪いと思っていました」
「そうなのかな? 八月は暑いけど、みんなが元気を貰える月のような気がするよ」
日菜が励ますような口調で返す。梢はわざとらしく溜息を吐いて見せた。
「夏休みと重なるので人がいないのですよー。今回のように誕生日を祝って貰うのなんて本当に久しぶり! しかも、ぷにぷにの特典付きじゃないですかー」
梢は日菜の片方の頬を摘まんで柔らかさを楽しむ。あうあう、と反応に困って狼狽える中、隣にいた璃人も便乗した。
「日菜さんの頬っぺた、とても柔らかくて素敵です。白い焼き立てのパンみたいで、とても美味しそうなのです」
璃人は妖しい笑みを浮かべた。見る間に日菜の頬が赤くなる。
「あわわわ、今日のぷにぷには終了しました!」
日菜の慌てぶりに二人は笑って謝った。びっくりだよ~、と自分の頬を摩りながら恥ずかしそうに呟いた。
「あ、お店が見えてきたのです!」
璃人が走り出した。星ヶ丘の通りに並ぶ一店舗の前で立ち止まる。日菜は梢の手を取って速足で歩いた。
「あのお店でいいよね」
「ああ、ついに私もセレブの仲間入りなのですねー」
連れて来られた店の前で梢の目が驚きで丸くなる。
白い大理石の壁に長方形の硝子のドアが嵌め込まれていた。そこから煌びやかな店内の光が外に漏れている。梢は目を凝らして店内の様子を窺った。
「私を威圧するとはやりますねー。わくわくと冷や汗が止まりません!」
三人はドアを開けて中に入った。待機していたフォーマルスーツの男性が絶妙なタイミングで現れた。席に案内される中、梢は落ち着かない視線を周囲に飛ばした。
奥まった丸いテーブル席に三人は通された。陶器のように黒光りする椅子に座ると、梢が二人の顔を見ながら小声で言った。
「周りの人が正装ですよー。天井にはシャンデリアが下がってるじゃないですか」
「梢さんの誕生日に相応しいお店に思うのです。梢さん、どうかなー」
璃人は金色のツインテールを機嫌よく上下に揺らす。梢は周囲を窺いながら顔を近づけてきた。
「そうですねー。九夜山でオオコクワガタを発見した時の状況に少し似ていますねー」
「梢ちゃんらしい感想だね。よくわからないけど」
微笑む日菜に梢は、ですよねー、と鼻から抜けるような声を出した。
話が途切れると、スーツの男性が革張りのメニューを持ってきた。各自に配り終えると一礼して下がっていった。
三人がメニューを手に取った。
「えーと、セットの値段は!?」
一瞬で顔を寄せた梢はメニューをパタンと手前に倒した。天井のシャンデリアに微笑み掛ける。
「高級レストランでもランチだけは安い、なーんてことはなかったのですねー」
「少し値段が高かったかな?」
日菜の心配そうな表情に梢は胸を叩いた。
「こういう時こそ、散財するのが私です! 白目を剥いて三千円のセットメニューを注文しましょーか! 食後の飲み物はコーヒーですね。皆は何を頼みますー?」
メニューに小難しい顔を向けていた璃人が明るい表情へと変わる。
「りぃはクロックムッシュに決めましたよー!」
二人の目が自然と日菜に向かう。
「どれも美味しそう……。お肉かな、お魚も良さそうだけど……うーん、この『蕎麦粉のガレット』のセットにしようかな」
「これで全員の注文が決まりましたねー」
梢が視線を周囲に向けると、微笑みを浮かべた男性が注文を取りに来て速やかに去っていった。
「高級レストランは一味違いますねー。味の期待も高まります!」
「私はガレットって初めて頼むから、とっても楽しみー、えへへ」
日菜は梢と目を合わせて嬉しそうに笑う。そこに、あーあー、と璃人の声が聞こえてきた。
「梢さんに年を追い越されちゃったんですねー。誕生日が早いのって、ちょっぴり羨ましいのです!」
「りぃちゃん、そのうちに抜き返せます!」
「そんなことってあるのかな」
疑問を口にする日菜に梢は誇らしい顔付きで豪語した。
「私は『永遠の十七才』を名乗るのでーす。いつまでも、りぃちゃんを弄り続けるのです!」
「それはちょっとイヤかもです」
璃人の苦笑に梢は、ですよねー、と砕けた調子で言った。二人の遣り取りを笑って見ていた日菜が素に戻る。急にそわそわとした態度となり、控え目に椅子から立ち上がった。
「ひなちゃん、どーしました?」
「えっと、今のケーキ回復が気になるから、お手洗いに行ってくるね」
頷き掛けた梢の頭が止まる。言葉の意味に引っ掛かった。
「あー、ケーキ回復はりぃも気になるのです! 日菜さんに任せたのですよ」
「じゃあ、行ってくるね」
「なーんかヘンな感じがするのですが!」
梢の強い視線を受けて、まーまー、と璃人は柔らかい対応でいなした。
間もなくして日菜が戻ってきた。璃人と目が合うと、満面の笑みを作る。
三人がテーブルに揃うと、各自の料理が厳かに運ばれてきた。
サーモンと夏野菜のカナッペを目にした梢は皿に顔を近づけた。
「これがセレブの料理なのですねー。小さくてとても可愛いです」
カナッペの一つを手に取り、崩さないように慎重に口へと運んだ。その様子を二人は手を止めて注目した。
「サクサクなのにトロトロで美味しいー」
二人は安堵した表情で自分の料理に目を向けた。
ナイフとフォークを手にした日菜は切り分ける前に全体を眺める。
「これがガレットなんだね。ちょっとだけクレープに似てるのかな」
蕎麦粉で焼いた丸い生地の四方を内側に折り曲げていた。中央の部分は星形に開き、半熟の目玉焼きが見えている。端の方にナイフを入れると、チーズが溢れてきた。ハムと野菜の匂いが解き放たれ、日菜は深く胸に吸い込んだ。
「匂いだけで満足しそうだよ」
「その時はりぃが食べてあげるのです」
「密かに私も狙っていまーす」
カナッペで照りのある唇となった梢が続く。
「あうあう、そういう表現だよ。本気にされると困るよ」
「日菜さんは純粋なのです」
「天然ともいうけどねー」
璃人と梢は目を合わせて笑った。さすがに日菜も気付いて、弄り過ぎだよ、と口を尖らせる。その状態はガレットの一口で笑顔に変わった。
「りぃもトロトロのチーズの掛かったクロックムッシュを頂くのです!」
こんがりと焼いたデニッシュの食パンが二枚。挟み切れないハムとクリームソースがはみ出し、更に濃厚なチーズが表面を覆っていた。ナイフがすんなりと入らない厚みに璃人は手間取り、ようやく切り分けた一つを口に入れた。
「ん~、んん~ひい~」
口を閉じた状態でも意味がわかる。美味しい、と笑顔が語っていた。
三人は各々の料理を存分に楽しんだ。
日菜はガレットと季節物のサラダを交互に食べた。最後はカップに入ったコンソメをゆっくりと味わって飲んだ。
璃人はクロックムッシュを平らげると、一口大の野菜のキッシュで口中の余計な油分を取り除いた。新鮮な気持ちで運ばれてきたグリーンポタージュを味わう。皿を傾けてスプーンの一杯まで堪能した。
カナッペを食べ終えた梢はトマトの冷製スープで一息入れた。的鯛のポワレには香り高い上質なソースがたっぷりと掛かっていた。小ぶりのバスケットに入ったパンを千切っては拭って一滴も残すことはなかった。
「いやー、美味しかったですねー」
コーヒーを飲みながら梢が言った。そうだね、と日菜は口元をナプキンで拭きながら安らいだ顔で答える。
「たまーに食べるのがいいんでしょうねー。普段の食事がこれだと、確実に太っちゃいますねー。でも、美味しい物を食べて太るのなら幸せかも……いやー、どうですかねー」
「甘くて美味しい物で試してみるのです!」
璃人の張り切った声に合わせてケーキが運ばれてきた。ふっくらとした生クリームが外側を丸く囲う。刳り貫かれた中心には三種類の果実が収まっていた。大粒のイチゴに小粒のラズベリーとブラックベリーが涼しげなゼリーで覆われていた。
「えー、これどうしたんですか?」
「実は事前に予約してケーキを手配していたのです! りぃと日菜さんで考えたサプライズ企画なのですっ」
「本当にサプライズですよー。お店の格式の高さにドキドキが止まりませーん。皆、ありがとうー」
梢は二人にぺこりと頭を下げた。
「はいはーい、りぃが切り分けてあげるのです!」
元気に手を上げた璃人が用意された小皿にケーキを盛り付けていった。誕生日の主役への配慮も忘れていない。
「梢さん、遠慮しないで幸せに太るのですっ」
「りぃちゃん、過剰サービスですよ! 鋭角と鈍角の差があります! まー、美味しく頂きますけどねー」
文句を言いながらも手は動いて梢は最初の一口を食べた。幸せそうな笑みを浮かべる。
「甘さと酸味が手を繋いでー、お花畑をスキップしていますー」
「梢ちゃん、甘酸っぱくて美味しいね」
端的な感想を言う日菜に、ですよねー、と梢は答えるのだった。
歓談の中、綺麗にケーキを食べ終えた。璃人と日菜は目配せして椅子から立ち上がる。二人は横に並んだ状態で梢の側に立った。
「梢さんに最後のサプライズです」
「梢ちゃん、私達の気持ちを受け取ってね」
代表で日菜が青い小箱を梢に手渡した。
「ここで開けてもいいですか」
梢の声に二人は、どうぞ、と微笑んで言った。
宝石箱にも似た小箱の上蓋を、そっと指で押し上げる。花畑を模した柄の間に翅を閉じた状態の蝶が収まっていた。梢は指先で翅を摘まみ、繊細な動きで取り出した。
「おー、可愛いじゃないですかー。しかもペンダントになっていますー?」
「りぃと日菜さんがイメージした梢さんを、ギュギューッと詰め込んだ、そんなペンダントなのですよ!」
「この世界に一つしかないペンダントだから、気に入ってくれたら嬉しいな」
しおらしい声で日菜が言った。
「世界に一つってことは……もしかして二人のオリジナルのペンダント!?」
日菜は恥ずかしそうに頬を染めながらも力強く頷いた。
「梢ちゃんに内緒にして、りぃちゃんと二人で考えたんだよ。デザインが決まったあと、職人さんにオーダーメイドで作って貰ったの」
「全部を二人で作りたかったんだけど、そこは三人の合作で納得するのです!」
「ありがとーございます!」
梢はワンピースの胸元にペンダントを宛がった。
「どうですかー。似合っていますかねー」
「白いワンピースにひっそりと馴染む感じが良いのです!」
璃人の言葉に日菜は、そうだね、と朗らかに相槌を打つ。
梢は目の前に蝶を持ってきた。灰色の翅の下方にオレンジ色の紋がデザインされていた。
「私のイメージはシジミチョウなのでしょーか。少し地味な気もしますがー」
ふふ、と日菜が笑い声を漏らす。似たような表情の璃人がペンダントを指差した。
「梢さん、蝶の翅を広げてみるのです」
「え、翅ですかー」
梢は蝶の翅の部分に視線を落とす。僅かに隙間が見て取れた。爪の先を差し込んで左右に広げていった。内側には鮮やかな緑が秘められていた。
目を丸くした梢に璃人が解説を始めた。
「梢さんの誕生石のペリドットを中心にデザインしたのです。石を提案したのは日菜さんです!」
「はーい、私だよ」
「翅の開閉は、りぃが考えたのですっ」
梢は黙って聞いている。二人に向けて上げた顔は心からの笑顔であった。
「最高のプレゼントを貰いました」
梢は翅を広げた蝶のペンダントを誇らしげに胸に当てた。
「大好きな二人がデザインしてくれたペンダント! 私に合わないはずがありませーん。ミドリシジミっぽい点もポイントが高いです!」
その声に二人は手を取り合って喜んだ。梢は自然な笑みを浮かべていた。
「このペンダントは、ずっと大事にしますね。こんな私ですが、今後もよろしくなのでーす」
「りぃもよろしくなのです。梢ちゃんとは、ずっと親友なのです!」
話しに乗り遅れた感のある日菜が慌てて割って入る。
「梢さんっ、いつも仲良くしてくれてありがとーなのです! もちろん、これからも、その、どーぞよろしくお願いしますなのですっ」
どこか口調が璃人に似ていて、すかさず梢に突っ込まれた。あうう、と赤らめた顔に清々しい笑いが起こる。
梢は吹っ切れたような表情で蝶のペンダントを見つめた。翅を広げた蝶は羽ばたいて自由に空を舞う。小難しいことは考えずに本能のままに飛んでいく。
「……私も飛んでみますかねー」
梢はペンダントを胸の深いところに押し当てた。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月30日
参加申し込みの期限
2014年09月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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