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★八月十日
情熱的な赤い髪に反して表情はどこか冴えない。眠そうな目で
灯 斗南
はテーブルに並んだ料理を順に口へと運んでいく。正面には白髪交じりの老人が座っていて険のある目を向けてきた。
「最近の学校生活はどうなんだ?」
「至って順調です。なにも問題はありません」
一切の表情を変えずに斗南は答えた。椀を手にして味噌汁を飲んだ。老人はキュウリの漬物を噛み砕く。
「中の上程度の成績では良いとは言えんな」
「成績が上がるように勉強をがんばります」
茶碗に残っていたご飯を一口にして、ごちそうさまでした、と斗南は手を合わせた。席を立とうとすると、老人の厳しい声が飛んできた。
「まだ話は終わっておらん」
「学校で出された宿題があります。成績を上げる為に、すぐに取り掛かりたいのですが」
老人は揚げ足を取られたと思ったのか。一瞬、憤怒の形相となったが深い呼吸で自らの怒りを鎮めた。
「部屋に戻っていい」
「失礼します」
何事もなかったかのような表情で斗南は席を立った。ドアを開けて居間から出ると器用に後ろ手で閉めた。
老人はドアを睨み据えて言葉を吐き捨てた。
「屑の父親の血を引く子供は、やはり屑でまともには育たんな」
その声を斗南は背中越しに聞いていた。
「……そりゃ、どうも」
誰の耳にも届かない声音で囁く。斗南は止めていた足を動かして自室へと向かった。
自室の床に寝転がった斗南はぼんやりと天井を眺めた。
「僕は屑なのか」
気だるげに口にして瞼を閉じた。闇に押し潰されそうな幼い自身の姿が脳裏に浮かぶ。酷く怯えた表情で俯いて身を震わせていた。徐々に周囲の闇が押し広げられていく。床には割れたコップの破片が飛び散っていた。
精悍な顔付きの祖父が怒りに任せて声を荒げる。
「お前は手伝いもまともに出来んのか!」
「ご、ごめんなさい。ちゃんと、します。だから、怒らないで」
「あの男の血が混ざっているせいで何とも出来が悪い!」
祖父は手に持っていた雑巾を床に投げ付けた。片付けておけ、と怒鳴って部屋を出ていった。
独り残された部屋に、ごめんなさい、と謝る声が満ちていく。必死に小さな手を動かしてガラス片を拭き取った。そこに微かな泣き声が混じる。周囲の闇が濃くなって一色に塗り潰された。
一点にぼんやりとした光が灯る。じわじわと広がる光の中、無表情に等しい斗南の姿が映し出された。中学校の制服姿で正座をしていた。真向かいには座椅子に座った祖父がいた。渡された通知表を漫然と眺めている。
「一学期よりは成績が上がったな」
「はい、頑張りました」
祖父は通知表を閉じて座卓に叩き付けた。斗南は少し視線を下げて沈黙を保っている。
「教師の立場から言えば、この程度の成績では努力の範疇には入らない」
「はい、わかっています」
即答する斗南に祖父は苦々しい表情を作った。
「お前はみだらな娘が勝手に産んだ不浄の子だ。あの忌々しい男の血が混ざっていると考えただけで腸が煮えくり返る」
祖父が怒りに震える様子を斗南は涼しげな顔で聞いていた。
「捨てられた娘を哀れに思ってお前を預かっているに過ぎない。決して見返りを求めようとするな。この世に生まれ落ちた時から、お前には資格がないと思え!」
「わかりました」
表情を変えずに斗南は小さく頭を下げた。
その時、強い光が全ての闇を掻き消した。遠くの方からバイクの排気音が聞こえてくる。仮面のヒーロー、マスカレイダーが赤いマフラーを靡かせて颯爽と現れた。バイクの後輪を滑らせて横向きで停まると、鋭い呼気で宙を舞って華麗に着地。次の瞬間、テレビで何度も耳にした力強い言葉を発した。
「正義の炎が燃えている! 悪を燃やせと駆り立てる! 仮面のヒーロー、マスカレイダーここに推参!」
マスカレイダーは掌を上に向けた。炎の塊が出現して猛々しい勢いを見せる。
「……僕は自分の存在意義を手に入れた」
仮面の僅かな隙間に指先を突っ込み、自らの手で斜め上に引き裂いた。掌の炎と同じ髪の斗南が活力に満ちた目で現れた。
「……マスカレイダーのように力を手に入れた。このろっこんは僕の心だ。ヒーローに憧れて、ヒーローには決してなれない……僕の燃える心なんだ!」
感情を爆発させた。掌の炎は膨大な熱を孕んで全てを赤く染め上げた。
斗南は部屋で静かな寝息を立てている。その表情は和らいで、今日という誕生日を密やかに終えるのだった。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月30日
参加申し込みの期限
2014年09月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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