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8月の★ハッピーバースデー
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★八月二十五日
サイドテールを軽やかに振りながら
十文字 若菜
が走る。地中海の沿岸部にあるような白い佇まいの星ヶ丘駅が見えてきた。
「まだ来てないよね」
駅舎の中を覗き込むようにして、早過ぎだよ、と苦笑いで言った。若菜は赤いポストのところまで戻って隣のベンチに腰掛けた。待っている間に表情に焦りが見えてくる。肩から下げた大きめのポシェットの中に目をやり、今一度、自身の服装の確認に入った。
何の変哲もない白のTシャツ。重ねて着た黒いワンピースには抜け落ちたような白い花柄が全体に及ぶ。曲げていた両膝を伸ばすと、黒い網目状のサンダルが目に入る。踝を覆うレースが可愛らしさを演出していた。
「若菜先輩、誘っといて遅れてすんません」
臙脂色のシャツの裾をはためかせて
浅沼 柳司
が走ってきた。急いで若菜は立ち上がる。
「私が早過ぎたんだよ。気にしないで、ってどうしたの?」
見開いた目の柳司に若菜は心配そうな声を掛けた。
「陸上部の短パン姿に目が慣れたんかなぁ。スカートが新鮮で、ええと思いますよ」
「え、そう、ありがとう」
いきなりの褒め言葉に若菜は照れ笑いを浮かべた。
「じゃあ、B級グルメ祭りにいこかー」
「美味しい物がたくさんあるといいね」
寝子島電鉄を経由して二人は小旅行に出発した。
電車を乗り継いで降りた先は結構な人で賑わっていた。駅から程近いアーチ状の商店街の中がB級グルメの会場となっていた。左右の店舗の前には縁日で見かけるような屋台が連なり、醤油やソースの香しい匂いが漂っている。
柳司と若菜ははぐれないように寄り添う形で歩いた。
「屋台なのにうどんもあるんだね。定番のたこ焼きに、ミニパフェとかもあって美味しそう!」
「俺、夏のバイトで懐がホカホカなんですわ。先輩の食べたい物、なんでも買うてきますよ」
「柳司君の誕生日なのに、それは悪いよ。今回は私の方が奢らないと!」
若菜が力強く説得すると、柳司が茶色い頭を振った。自分が奢ると言い張る。そこで二人は閃いた。
「俺、たこ焼き買うてきますー」
「私は焼きそばを買ってくるね」
二人は左右に分かれて目的の品を買うと笑顔で落ち合った。
「若菜先輩、俺の奢りのたこ焼きを食べてくださいね」
「柳司君に私が買った焼きそばをあげるね」
物々交換を済ませた二人は用意されていたベンチに座ると、いただきます、と声を合わせて食べ始めた。
「この焼きそば、めっちゃ美味いわ。醤油と塩加減が絶妙や」
「は、はふはふで、あひゅい」
若菜に感想をいう余裕はなかった。サイドテールをプルプルと震わせ、金魚のように口をパクパクさせている。その仕草に柳司は目を奪われた。
「あー、びっくりだよ。こんなに熱いなんて普通は思わないよね」
掌で顔を扇ぐ若菜は柳司の視線に気づいた。少し姿勢がよくなった。
「もしかして私のこと、ずっと見てた?」
「ええもんが見れました」
「だ、だって、すごく熱いんだよ」
若菜は別の爪楊枝でたこ焼きを突き刺し、柳司に差し出した。どうも、と顔を近づけてくるので、ええー、と動揺した声を上げた。
「先輩、あんま動かんといてくださいよ。たこ焼きが落ちてしまうんで」
柳司はたこ焼きを一口にした。若菜と同じように顔を上に向けて、食べながら酸素を取り込む。
「だから熱いって言ったのに」
若菜は茶色のポシェットからハンカチを取り出す。渡そうとすると、柳司が二本の指を立てて不敵に笑った。
「え、なんでピースサイン?」
「……タコが二個も入ってたんですよ。食べない訳にはいかんでしょ」
「それってピースサインじゃないよー!」
脱力しそうな内容に若菜は笑った。ウケました? と柳司も楽しそうに話を合わせる。
食べ終わると、若菜は柳司に聞いた。
「次も熱いのにする?」
「もちろんや、と男らしく言いたいんやけど、冷たいアイスで勘弁して」
手を合わせて拝む柳司に、そうだよね、と若菜は表情を和らげる。
二人の物々交換は続いて空の太陽が大きく傾き始めた。用意した食材が切れて店を畳む業者の姿が見られるようになった。
「先輩、そろそろ帰りましょうか」
「あ、うん。少し待ってね」
ポシェットから紙袋を取り出した。
「柳司君、お誕生日おめでとう。大した物じゃないんだけど、タオルセットと手作りクッキーだよ」
「ほんまにええんですかっ!? よっしゃ、やったー! 大事にしますっ!!」
「クッキーは日持ちするけど、早めに食べてね」
「カビが生えるまでには食べますんで、心配せんといてください!」
子供のようにはしゃぐ柳司に若菜は微笑ましい目を向ける。
星が見える前に二人は星ヶ丘駅に戻ってきた。
「先輩、今日はありがとう。ええもんを貰いました」
「ただのタオルとクッキーだよ」
照れる若菜に柳司は視線を送った。凛々しい目と茶色の瞳が時間を惜しむかのように見つめ合う。
「若菜先輩が美味しそうに食べてる姿が最高のプレゼントって、なにゆうとんのや、俺は!」
「えっ、ええええ! ど、どういう意味!?」
踵を返した柳司は一言もなく走り出す。遠ざかる背中に若菜は熱っぽい視線を向けた。震える手は祈るように組んで、雑踏に消え入るまで姿を目で追い続けた。
帰宅後、若菜は着替えないまま、ベッドに背中から倒れ込んだ。額に手の甲を当てる。
「ひんやりして気持ちいい」
瞼を閉じて、すぐに開けた。左胸に手を宛がう。
「顔が熱くて、ドキドキする……私、どうしちゃったんだろう?」
ほぼ同時刻、柳司は桜花寮で小包を手にしていた。
「見覚えのない名前やな。一体、誰や?」
無造作に包みを開けた。中には生地の面積が極端に少ない女物のパンティーが入っていた。同封された手紙には『女子のパンティーに全く縁のない弟へのプレゼント』と書いてあった。
「姉ちゃんの仕業かぁああ!! 名前を偽装しやがって、なんちゅう姉や」
悪態を吐きながらも柳司はパンティーを手に取った。滑らかな生地を指先で確かめ、両手に持った状態で全体を眺める。
「……若菜先輩も、こんな際どいもん、穿いとるんやろか」
声に出した途端、恥ずかしさが限界を超えた。
あほかぁあああ、と怒鳴る声が寮内に響き渡るのだった。
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あとがき
担当マスター:
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから!
今回の誕生日シナリオはパンパンです! アクションとアドリブを限界まで詰め込んで、はち切れる寸前のパンパン状態になりました。
読み応えはあると思います。泣く泣く削った箇所もあります。文字に色を付けたり、コミュニティをさり気なく紹介したり、ということも考えましたが無理でした。HTMLのタグを入れる余裕もないくらい、本編に文字を費やしてしまいました。
それとは逆に「あれ、○○さんがいない?」などという事態も勃発しました。私としても非常に残念に思います。失敗は誰にでもあることなので、気を落とさないでくださいね。
とにもかくにも無事に期間内にシナリオを書き上げることができました。皆さんの書かれたアクションに助けられたこともありました。
色々な想いを込めて、今回は本当にありがとうございました。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月30日
参加申し込みの期限
2014年09月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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