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8月の★ハッピーバースデー
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★八月十二日
空の色を吸い込んだような色のシャツを着て
天馬 ひびき
が跳ねるように街中を歩く。オレンジのタータンチェック柄のスカートが太腿の辺りで軽やかに舞う。肩に掛けたデニム生地のトートバッグからはユニコーンのぬいぐるみが顔を出していた。
「あ、もう来てた」
駆け出したひびきは、お待たせー、と声を上げた。
藍色の甚平を着た
骨削 瓢
がにやりと笑って、指を三本、立てて見せた。
「願いを三つ叶えてしんぜよう。なんなりと言うがよい、どのような願いもそれなりに叶えてやろう~」
「瓢さん、急にどうしたの?」
ひびきのきょとんとした顔に瓢の表情が崩れた。
「ひびき嬢の誕生日プレゼントのつもりなんだけどねぇ。もしかして天然さんなのかい?」
「ほえ、誕生日? そう、私の誕生日だよー」
「思い出せて良かったよぃ」
からかうような瓢の態度に少しむくれた顔のひびきが返す。
「忘れてないもん。知ってたもん。ちょっと度忘れしただけだもん」
「ひびき嬢、度忘れも忘れた内に入るんじゃないですかねぇ」
指摘されて気付いた、という風にひびきは目を大きくして、あはー、と恥ずかしそうに笑った。そのあと、表情を引き締めて仕切り直す。
「願い事は三つなんだよね……」
口を閉じて考える。思考の中に深く潜るかのように押し黙る。頭頂付近から飛び出た二本の毛が揺れ動く。
心配になった瓢が声を掛けた。
「あっしの可能な範囲でお願いしたいんですがねぇ」
「遊園地に行きたい! 一緒にご飯を食べたい♪ そんでもってー、最後のお願いはあとで考えるっ」
「……そんなんで良いのかい? 本当に純粋なんだねぇ」
眩しい物を見るような目で瓢は言った。
遊園地に着いた途端、ひびきは園内を走り出した。遊具を指差しては興奮した声を上げる。小柄な瓢は軽い動きで付いていった。
「あれもいいし、こっちのもいい! 一緒に全部、楽しみたいね!」
「今日はひびき嬢の誕生日だからねぇ。気が済むまでお供しますよぃ」
「大きくて楽しそう。瓢さん、あのグルグルに乗ろうよ」
ひびきが指差した遊具は巨大な蛇の骨格を思わせた。独特な走行音が横手から迫る。宙吊りコースターが人々の絶叫と共に眼前を通り過ぎた。
「確かに楽しそうだねぇ」
「うん、絶対にそう!」
ひびきの笑顔に瓢は鼻の上を掻いて笑った。
二人は列の最後尾に付けた。まだかなー、とひびきは背伸びして先頭を見やる。そわそわとわくわくが入り交ざった笑顔に、悪くないねぇ、と瓢は笑みを作った。
順番が回ってきた。貴重品の類いを専用のロッカーに入れて一斉に乗り込む。
「すごい、すごい!」
「一回で先頭だからねぇ」
ひびきは動き出す前から足をぶらぶらと揺らす。
発車の合図が鳴り、機体は滑るように動き出した。二人は空を見上げるような格好となった。
「空が青いねー」
「そうだねぇ」
眠気を覚えるような数秒後、機体は地面を見る姿で傾いた。二人の背後から早々と悲鳴に近い声が上がる。
「わー、風が気持ちいい!」
機体は捻りを加えて落ちていく。ひびきは少し顎を上げて目を細めた。その様子を瓢は横目で窺う。自然に綻んだ表情で声を上げた。
「ちょいとかぶいてみましょうかい!」
瓢は両手を上げた。目にしたひびきが真似をする。
機体は乗客を左右に振りながら空へと向かう。巨大な縦の輪を走行する最中に、楽しいね! とひびきは笑顔で叫んだ。
時間にして数分。機体は元のところに戻ってきた。安全バーが上がって乗客がのろのろと降り始める。ひびきは少しふらついて歩いた。
「まだ足が宙に浮いてるみたいだよ」
「あっしも少しふわふわするねぇ。次はどこに行くんだい?」
「うーん、あ、懐かしい!」
ひびきは目にしたゲームセンターに駆け込んだ。入り口付近に置いてあった筐体に目を輝かせ、付属品のハンマーを手に取った。
「バッグはあっしに任せて、ひびき嬢は楽しんでくれよぃ」
「瓢さん、ありがとう」
ひびきのバッグを預かった瓢は筐体に百円を投入した。
「思いっきりやっちゃうよー」
ひびきはハンマーを持った腕を回してぴたりと止めた。万全の構えで待ち受ける。手前の穴から出てきた物体を無駄のない動きで叩く。出現の間隔が縮まっても見逃さずに対処した。
「まだまだ、余裕だね♪」
複数の出現で若干、動きが乱れた。ハンマーの当たりが不十分となり二体を仕留め損ねた。
「もうー、あと少しでパーフェクトだったのにぃ」
「もう一回、チャレンジするかい?」
瓢の差し出した百円をそっと掌で押し返す。
「いろいろ見て回りたいから、瓢さんとね」
「じゃあ、次はお化け屋敷に挑戦だねぇ」
瓢はおどろおどろしい看板を掲げた建物を眺めて言った。目にしたひびきは怯んだ様子を見せながらも胸を張る。
「お、お化け屋敷は夏の定番だよね! もちろん行くつもりだよ」
「中では手を握った方がいいですかねぇ」
「んーとね……側にはいて欲しいな」
瓢の手を見てひびきはしおらしく呟いた。
二人は肩を寄せ合う形でお化け屋敷に踏み込んだ。薄暗がりを楽しむ瓢の横でひびきは縮こまって歩いた。突然の風を顔に受けると、酷いことしないで、と泣き顔に近い表情で怒った。
「ここはお化け屋敷だからねぇ」
「そうよね、お化けがいないとおかしいよね」
ひびきは小刻みに目を動かす。臆病な小動物を目の当たりにした瓢は優しい眼差しで手を伸ばす。ひびきの肩を抱く寸前で思い止まり、静かに息を吐いた。
「……お化け屋敷は怖いねぇ」
「瓢さんもそう思うよね。普通はそうだよね」
その時、横手の障子が斜めに裂けて血みどろの女性が現れた。精巧に作られた人形の口が有り得ない程に開いて叫び声を上げた。
「そんなことしちゃダメ!」
全身を使って怒鳴るひびきの横で、お化け屋敷だからねぇ、と瓢は笑って言った。
外に出た二人は太陽の光に目を細めた。ひびきは深呼吸を繰り返すことで笑顔を取り戻していった。
「なんか大きな声を出したら、お腹が減ったね」
「そろそろ昼の時間だからねぇ。適当な店に入ってみるかい」
「こっちに大きな噴水があったよね。ベンチがたくさんあったし、一緒に座ろうよ」
ひびきは瓢の手を引っ張って歩き出した。握られた手を瓢は見つめて、ほんの少し力を入れた。
空いているベンチに二人で座ると、ひびきはトートバッグから大きな弁当箱を取り出した。
「お弁当を作ってきましたー、パチパチパチー。こっちはおかずで、これがお握りだよ」
「祝う側なのに面目ない」
「どうして? 私が瓢さんに食べてもらいたくて作っただけだよ。たくさん食べてね♪」
ひびきは頭頂の二本の髪をリズミカルに上下させて弁当箱を開けた。程良い揚げ加減の唐揚げをレタスの葉が器となって包んでいた。隣の銀紙には野菜の炊き合わせが彩りよく収まっている。出汁巻き玉子は薄い黄色で整然と並べられていた。
「こっちの俵のお握りは具が四種類なんだよ。和風の鮭でしょ、洋風の鮭に燻製の鮭! 缶詰の鮭もあるよ」
猫の群れに襲われそうな具に瓢は混じりっ気のない笑みを浮かべた。
「これほどの手料理を勧められりゃ~、腹十分目までいただくのが礼儀ってもんでしょうよ」
瓢は両手にお握りを掴み、交互に食べた。美味い、美味いねぇ、と口にして豪快に食べていった。その隣でひびきは微笑みを浮かべて唐揚げに齧り付いた。
街灯がぼんやりと灯る寝子ヶ浜海浜公園を二人は横に並んで歩いていた。徐に瓢がひびきに話し掛けた。
「ひびき嬢、三つ目の願い事は決まったのかい?」
「……うん、決まったよ」
足を止めたひびきに瓢は向き合った。
「私と仲良しさんになってください、えへ」
「そりゃ~、難しい注文だねぇ」
その言葉にひびきは悲しそうな表情を浮かべた。瓢は構わずに袖の中を弄り、不揃いの貝で作られた首飾りを取り出した。
「……それ以上の関係を、望んでは駄目なのかい?」
「え、それって」
顔を真っ赤にしたひびきに瓢が首飾りを掛ける。
「手作りで少し不格好かもしれないが、勘弁しておくれよ」
ひびきは何も言わずに瓢を抱き締めた。耳元に唇を寄せて、大好き、と精一杯の言葉を告げる。
ひびきの腰に手が回り、二人はお互いを求めるように抱き合った。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年08月30日
参加申し込みの期限
2014年09月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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