星ヶ丘寮の『ＰＫ』｜リアクション

星ヶ丘寮の『ＰＫ』

　星ヶ丘寮から少し離れた場所を走る２人。
　「すっかり遅くなっちゃいましたね」
　と、治。２人は『ＰＫ』事件の代表として学校側にいくつかの報告に行っていたのだ。
　「すき焼きはなくならないだろう、多分」
　と、庚の顔を思い出し、走る速度を上げようか悩む刀。結局、一緒に走る治を気遣って少しだけ後ろを走るようにしたようだ。
　治の緑の髪が揺れる。それは緑深まる５月の色彩のようで、陽射しに照らされてキラキラと輝いていた。

　「この間はごめんなさい」
　思い出したように治が刀に話しかける。
　「私、『ＰＫ』事件のとき何もできなかったから……」
　顔を少し俯ける治。
　「そういうのは知ってても何もしなかった奴らが言うもんだろう」
　刀は単刀直入に答える。刀の言葉の意味を考えて治が小さな声で感謝を示す。
　「……ありがとうございます」
　「別に。さ、もうすぐ着く」
　走る速度を緩めながら２人は星ヶ丘寮が見えて来る位置まで来ていた。
　「そうですね……って、きゃあああ！？」
　何かにつまづいたのか思い切りバランスを崩して転ぶ治。
　「常葉、大丈夫か。なっ！？」

　制服のスカートから覗く治のヒップライン。それは男性的でもあり女性的でもあった。
　張りがあり、引き締まったヒップのラインは男性のソレであり、そのラインにたれない程度についた肉がプリンのような女性的な柔らかさと曲線を保っていた。
　両性の美味しいところを取ったような治のお尻の真ん中には桔梗色の紐パン。サイドには小さなリボンがついており、その色香は禁忌であり、そして蠱惑的であった。

　慌ててスカートでお尻を隠す治。

　「……」
　沈黙する刀。　
　「い、今の、見ました？」
　羞恥に声を震わせながらも立ち上がりつつ、治は尋ねる。
　「ああ」
　頷く刀。
　「やっぱりー！　あの、その……恥ずかしい、です」
　治はふるふると首を振るとその場にしゃがみ込み　顔を覆ってしまう。少しだけ治の目が潤んでいたのは気のせいかもしれない。

　そんな治をなだめながら、これはすき焼きまでもう少しかかるな、と刀は覚悟をしたのであった。

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あとがき

担当マスター：深城和哉
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まずは、ご参加くださった皆様、そして読んでくださった皆様ありがとうございました。
そしてお待たせしました。前回に続き執筆速度が遅く申し訳ありません。

いかがだったでしょうか。
深城にとっては、勉強することの多いリアクションとなりました。

皆様のアクションに左右されながらも多くの展開が浮かんでは消えていくリアクション作成でした。

また機会がありましたら宜しくお願いします。

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