this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
花火大会、夏の思い出
<< もどる
1
…
12
13
14
15
16
…
22
つぎへ >>
【エノコロ岬の思い出】
エノコロ岬に着いた
御巫 時子
は、人の少なさに驚いた。
「海岸で皆さん見ているようですね……」
人が少ないならば、そのぶんゆっくり花火を見ることができるだろう。
「あ……、そういえば……」
エノコロ岬の
猫恋の鐘
に、以前時子は来たことがあった。
丘の上にある鐘は、デートスポットとして知られている。
また、南京錠に願いをこめて柵につけると、猫神様が気持ちを相手に届けてくれる――、そんな言い伝えがあった。
「
あの鍵
は、どうなったのでしょう」
時子は、かつて足を運んだその場所へ、再び行ってみることにした。
足元は勾配もあり、見晴らしは良くなかったが、時子はゆっくりとのぼっていく。
見覚えのある柵に歩み寄り、自分のつけた鍵を探した。
「……ありました。これですね」
イニシャルを指でたどると、あの日込めた気持ちがまざまざとよみがえる。
「
尚輝先生
……」
名前をつぶやく時子を、最初に打ち上がった花火が照らす。
「なんてきれい……」
柵に手を置いてうっとりと花火を眺めていると、食事を終えたヨタカさんが柵に止まった。
「ヨタカさん、ほら、花火がとてもきれいですよ」
丸い花火、しだれ柳に、四つ葉の形……、様々な花火が上がるたび、時子は感嘆の声を漏らした。
「すてきですね……」
ずいぶんと変わった形の花火が多い。
風があまりない日で良かったと、時子は思った。
「きれいな形で上がってますよね、ヨタカさん」
ろっこん『鳥の囀り』を発動させて、ヨタカさんと感想を言い合いながら、並んで静かに花火を見ていた。
「まあ、鳥さんの形の花火ですよ……!」
幾分はしゃいだ声をあげ、時子はヨタカさんに目を向けた。
「ヨタカさんのように大きな鳥さんではありませんでしたね。かわいらしい、小さな鳥さんでした……」
一瞬のきらめきとともに、鳥の花火が夜空を駆けていく。
やがて、ハートの形の花火が上がると、時子は再び、意中の先生のことを考えた。
「学校で、尚輝先生も、今頃花火をご覧になられてるのでしょうか……」
学校から海岸までの間、視界を遮るものはなさそうなので、きっと校舎からでも花火は見えているだろう。
場所は違っていても、同じ景色を見ていられたらいいなと、時子は思った。
「もしそうだったら、素敵ですね……」
小さな声でそう漏らし、時子は両手で頬を押さえた。
暗い中では誰に見られるということもないのだろうが、顔が熱くて恥ずかしい。
けれどヨタカさんには気づかれてしまったようで、くちばしが上下に揺れた。
「けれど私、今日こうしてヨタカさんと一緒に花火が見られて、嬉しいと思っているんですよ」
言い訳をするように、けれど心から、時子は告げた。
「きれいなものを見る感動を、ヨタカさんと分かち合えて、よかったです……」
夜空を彩る花火を見つめながら、時子とヨタカさんは穏やかに流れる時間を楽しんだ。
【笑い上戸な娘さん】
機嫌良く、
塔尾 松生
がエノコロ岬を歩いていく。
「花火大会、人が多くてどうしようかと思ったけど、こっちのほうはそうでもないのね」
人混みから逃れられてほっとする松生に、
日向 透
が微笑みかけた。
「こちらは、足元も砂じゃないので、歩きやすくていいですね」
「あー、そうだよね。下駄とかはいて、砂浜は歩きづらそう」
松生は周囲の人々を横目で見て、うなずいた。
「……浴衣の人、多いよね」
可憐な装いの娘さんがたを見ると、やはり自分も貸衣装くらい探せばよかったかと、いまさらながらに迷いが生じる。
頭の中で、浴衣を着た自分を想像して、松生はうなった。
少しでもかわいいと褒めてもらえたら嬉しいのだが、似合う自信がいまいちない。
「どうしました?」
「あー、うん。かわいいな、と思ってね」
「浴衣ですか。皆さん着慣れていない雰囲気ですが、背伸びをしている姿は、けなげですね」
「そっか、普段から着る人は少ないよね……」
もし自分が着たら、まさにその着慣れない人になってしまうと、松生は思った。
歩きづらくて迷惑をかけることを考えると、普通の服装で良かったかな、と前向きにとらえられる。
歩調を合わせてくれている透は、今日も穏やかな表情だ。
夜にこうして並んで歩くせいだろうか、二人きりなのだと思うと、身の内側からじわりと緊張が広がる。
ついちらちらと目を向けて、しみじみと感じた。
さらさらの金髪が色白の肌をかすめて揺れる。
自分とは異なる色と髪質に、目を奪われそうになる。
柔らかそうできれいな髪と横顔を、ずっと見つめていたいけれど、意識していることを知られるのは嫌だった。
「花火、まだかなぁ?」
強引に視線をはがせば、折良く開始のアナウンスが、風にのって聞こえてきた。
「始まるようですね」
「あっ、花火だよ」
夜空を彩るきらめきに、松生が瞳をかがやかせた。
「わあ、きれいだね……」
足を止めて、うっとりと見上げる松生に、透は静かな声で相槌をうつ。
「ええ、きれいですよね」
「夏は花火だよね。素敵だなぁ~」
「情緒があって、華やかですからね」
「そうだよね。うわぁ、大きい。迫力だね」
「遮るものがありませんから、臨場感がありますね」
「音もばしばし伝わってくるものね」
人知れず、花火に無感動な眼差しを向けていた透は、背後にひっそりとたたずむ灯台へ視線を逸らした。
「……俺、一度灯台を見てきます。塔尾さん、どうしますか?」
「えっ、灯台? ええと、じゃあ、あたしも……」
灯台と透を見比べる松生に、透は手招きをした。
「塔尾さんは花火を見ていたほうがいいですよね。少し見てくるだけなので、ここで待っていてください」
「あ、うん」
灯台の出入り口に松生を残し、透は一人で階段をあがった。
左右を冷たい壁に挟まれて、ぐるぐると螺旋をのぼると、ひどく静かな心地となる。
壁を通して花火の打ち上げ音は響いてくるのに、周囲からは隔絶され、延々とこの階段をのぼりつづけなくてはならないような、薄ら寒さを感じた。
てっぺんの物見台にあがると、足元がおぼつかないような心許ない感覚にとらわれる。
幻覚だろうか。それとも、元から自分は人間ではなかったのだろうか。
いつしか透は花火となって、夜空を駆け上がっていた。
冷たい空気を裂いて、たった一人で行けるとこまで上昇していく。
人々の意識を奪うほど、自分が華やかな輝きに包まれていることを知っていた。
息が詰まるほどの上空まで達すると、透はそこで、ついにはじけた。
まるで温もりを感じない、凍えるほどの冷たさがあった。
はっと我に返って、周囲を見回す。
手足が動くことを確かめて、次々打ち上がる花火を見た。
あの咲き誇る花火が、人の散る間際のように見えて仕方がない。
打ち上がっては、すぐに人々に忘れ去られる。
「それを夢中になって鑑賞するとは……、悪趣味ですね」
そう独りごち、透は花火に背を向けた。
「珍しい体験をしました。……この島は、楽しいことばかりですね」
階段を下りながら、透は表情を取り繕った。
人の良い微笑を浮かべて、……けれどわずかに、口元にはひきつるような歪みが残った。
灯台から出て来た透を出迎えて、松生はお腹を抱えて笑いながら、手を振った。
「日向さん、いいものを見逃しちゃったよ。なんとね、しらす! しらすの花火が上がったのー!」
「しらす……、ですか?」
いつになくおおらかに笑い転げる松生に、透がいぶかしげな目を向ける。
「それが笑うほど面白かったのですか? ずいぶんと楽しそうですが……」
「楽しい! すっごく楽しいよ! しらす型なんて、おもしろすぎるよ。しかも、とーっても大きいの!」
明らかに松生の様子がおかしくて、透は首をひねった。
「しらすだなんて、おかしなことを考える人がいるのね。ねえ、日向さん!」
「そうですね。しらすは珍しいかもしれません」
「でしょーっ! 本当におかしいんだから、あははははっ」
優しく相対しながら、もしかしてこれも神魂の影響かと、透は目星をつけた。
おそらく先ほどの、灯台での一幕も、神魂が関わっているのだろう。
「そんなふうに楽しんでもらえて、花火も職人さんも、満足していることでしょう」
「しかもね、しらすの花火、きれいだったの! すっごく! しらすのくせにねっ!」
気づけば、松生の他にも、周囲からはにぎやかな笑い声が上がっている。
「それはよかったですね。いいものを見ましたね……」
なだめるような声音で受け答えしながら、透の視線は松生を外れて虚空へ向かった。
こうなってしまっては、透の手には負えない。
大人しく、時間がたつのを待つばかりだ。
満面の笑顔で花火の魅力を語る、松生の表情は輝いていた。
年相応ともいえる、憂いを感じさせない笑い顔は、いつもより幼く見える。
箸が転がってもおかしい年頃とは、よく言ったものだ。
くったくのない笑い声をあげていた松生は、やがて大きく息をつき、うなだれた。
「大丈夫ですか?」
急激な態度の変化に、いつもの松生に戻ったことを察して、透は顔をのぞきこんだ。
「……うわ。日向さん、あのその……、うーん……」
間近で問われて、松生は赤くなりつつも、取り乱していたとしか思えない自分の態度に落ち込んだ。
「その……、騒々しくてごめんね」
「いいえ。楽しそうな塔尾さんを見ていると、こちらも心が洗われるようでしたよ」
「ちょっと、恥ずかしいんだけど、なぜかとても愉快だったの」
うつむく顔を上げさせて、透は夜空を示した。
「花火は楽しむものですよ。ほら、今度は花の形だ。きれいですね」
「……うん。かわいくて、きれい」
憑きものが落ちたような顔をして花火を見上げる松生からは、来る途中に感じていた緊張は見当たらなかった。
先ほどよりもほんのわずかにほっとした空気をただよわせて、二人はそろって花火を見ていた。
<< もどる
1
…
12
13
14
15
16
…
22
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
花火大会、夏の思い出
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月06日
参加申し込みの期限
2014年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!