this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
花火大会、夏の思い出
<< もどる
1
…
9
10
11
12
13
…
22
つぎへ >>
【あなたとの距離】
砂浜へと移動した
畑生 言嗣
と
浮舟 久雨
は、落ち着いて花火が鑑賞できそうな場所を探した。
「ここでいいかな。安心したまえ、シートは私が持参している。ゆっくり座って見ることができるだろう」
「用意がいいんだな。……いや、まて言嗣。そのシート、小さくないか?」
想像していたレジャーシートよりも明らかに小ぶりなシートを見て、久雨が言った。
「普段私が使っているものだからね。一人用だ、少々手狭だが、我慢してくれ」
とらえどころのない
笑顔
を浮かべる言嗣に、久雨は
不満顔
だ。
どうにか並んで腰かけてはみたものの、腕も膝もぶつかるほどに狭かった。
「も、もう少々離れられないか……?」
言嗣の体温を感じて身体を硬くする久雨に、わずかに視線を揺らして、言嗣が尋ねた。
「私には心地の良い距離なのだが、……嫌だったかね?」
このところ、久雨の様子がおかしいことに、言嗣も気づいていた。
先ほども、少し距離をつめただけで逃げ出してしまったではないか。
どうでもいい相手ならばまだしも、久雨に拒絶されているのだと思えば、言嗣だって胸が痛い。
いつもの軽口と言い張るには少しばかり、言嗣の声には力がなかった。
そのことに久雨も気づいたのか、慌てた調子で言いつくろう。
「違う! い、嫌というわけではないんだ」
「……そうかね」
「そ、そうだ。嫌なはずがないだろう。ただ、距離が近いと、その、だな……」
考えがまとまらないのか、取り乱しているのか、久雨はっきりしない言葉をつむぐ。
首筋までぐんぐんと血の気がのぼっているのが、夜目にもわかった。
「だからっ、貴様が、言嗣が……、くっついていると、どうしようもなく胸がっ」
「胸が?」
言嗣がまじまじと久雨の胸元を凝視した。
「違う、そうじゃない! 胸じゃなくて、心臓だ。鼓動が、早く大きく、なって……っ」
必死に言葉を探す久雨の視線も、睫毛も、揺れていた。
「おかしいんだ、どうしていいのかわからなくなる。呼吸も苦しくなって、……それも、私だけなのだろうが……、っ!?」
ぎゅっと胸が締めつけられて、言嗣は久雨を抱き寄せた。
「っな、な、何をっ……!?」
盛大に取り乱しつつも硬直する久雨に、言嗣もまた気持ちを伝えなければならないと感じていた。
どんなに憎まれ口をたたいても、からかっていても、根っこの部分では彼女に誠実でありたいのだ。
「……わかるだろうか。私も、君と同じなのだよ」
「同じ……?」
「聞こえるだろう、私の鼓動が跳ねているのが。私も、君がいると、どうしようもなく心が騒いで、たまらなくなる」
「……言嗣」
かすれた声で名前を呼ばれるだけで、こみあげてくるものがある。
久雨はぺたんと上体の力を抜いて、耳を言嗣の胸に押し当てた。
「ああ、たしかに、聞こえる。……そうか、同じなのだな、私も貴様も」
身を任せてくれていることが嬉しくて、肩を抱く腕に力がこもった。
「ぅっ……!」
久雨はばっと身体を離して、あうあうと意味をなさない音を発していたが、やがて夜空に低く震える音が響き、花火が上がると、首を伸ばして空を見上げた。
「言嗣、花火だ!」
「打ち上がったか」
子どものような無邪気さで、夜空を飾る光の花を見つめる久雨の横顔を、言嗣は見つめた。
どちらの顔にも、先ほどまでの緊張やわだかまりは存在しない。
次々と形や大きさを変えて上がる花火に、久雨は感嘆の声をもらした。
「わ……、大きい! 言嗣、今のは何という花火だ?」
「あれは土星だろう。輪が乱れずに咲いていたな」
「なるほど、言われてみれば土星だ。あっ、では、あれは!?」
空をちかちかと輝きながら、地上に向かって垂れてくる光の軌跡を追って、久雨は言嗣の袖を握りしめた。
「あぁ、今のは柳という種類だ。しだれ柳のように輝く尾を引く花火だな」
「……きれいだな」
「きれいだ。ほら、久雨君、次は牡丹だ。それに向こうのは……、猫の形だな」
「花火も色々な形が作れるのだな、すごいぞ! ははっ、すごいな、すごい!」
声をあげて喜ぶ久雨を見て、言嗣も笑顔になった。
「ふふふ、……元気になって良かったよ」
目元をわずかに赤らめて、久雨は謝った。
「言嗣。……先ほどは、避けてしまってすまなかった。悪かったと、思っているんだ……」
「今の君を見ることができて、私は満足だよ。こうして、喜ぶ君の隣にいられるのだからね」
「ふふっ、駄目だな、私は。情けない……」
久雨の額にかかる前髪を指でかきわけて、言嗣は否定した。
「そんなことはないよ。君は……、久雨君は、とても素敵な人なのだからね。私がこれほど夢中になるのだから、確かなことだよ」
「……私のこわばった心を溶かしてくれるのも、貴様なのだな。……言嗣に、恋するあまりに……、私は、我を失いそうになってしまうのだ」
「ならば、互いにしっかり手を取って見張っていなくてはならないかもしれないね。それとも、共にならば、道に迷ってもそれはそれで構わないものなのかな?」
「わ、私は、無闇に、迷うのは……、嫌だ」
唇を尖らせる久雨の手を、言嗣が握る。
「そういうことなら、ほら。手をつないでいることにしようじゃないか」
力のこもった指先に、久雨は胸が安らぎ、どこか勇気づけられる心地がした。
【ひとつ前に進んで】
海岸で、
常闇 月
と
堀 和哉
は、肩を並べて花火を見ていた。
「とても幻想的な光景ですね……」
一瞬で咲いては散っていく。そのくり返しが、どうしてこれほど人々を惹きつけるのだろう。
夜空を照らす光に浮かび上がる和哉の横顔を見て、月はぼんやりと考えた。
先日、和哉に自分の過去を打ち明けた。
どんな反応があるものかと身構える月に対し、和哉は拒絶することなく、事実をただ受け止めてくれたのだ。
その安心感もあってか、和哉とともにいると、月はとても穏やかな心地になる。
こうして美しい花火を見て、こんな時間が続けばいいと思うのだ。
気づけば月は、頭を倒し、和哉にもたれかかっていた。
温かな体温を頬に感じ、はっとした。
「あ……、すみません。つい……」
「いや」
顔を上げると、間近に和哉の顔がある。
その瞳には今日も拒絶の色は見当たらなくて、月は知らず知らずのうちに慰められた。
わずかにかかる月の体重を受け止めながら、和哉もまた同じようにあの日のことを思い出していた。
月の抱える過去は、和哉には想像もつかないほど、重く過酷なものだった。
過去は過去だが、過去の延長に現在があるのもまた事実だ。
放っておけないと感じていた彼女を、近頃はことさらに守ってやりたいと感じるようになっている。
そばにいて、支えてやりたいと願ってはいるが、ふと、それが自分に可能だろうかと自問する。
不安がないとはいわないが、月が事情を打ち明けてくれた、その気持ちに応えたいと心から思う。
安心した様子で身を任せてくる月を見ると、先ほど購入した簪が、花火の光を受けてまたたいた。
彼女がこんな風に寄りかかってくるということは、それだけ自分は信頼されているのだろう。
じんわりと感じる重みが心地よかった。
謝罪を口にする月に、気にすることはないと告げる。
「俺でよければ、いくらでも。男だからな、常闇を支える力くらいある」
穏やかな口調で話す和哉に、月が尋ねた。
「……少し、聞いていいでしょうか」
「ああ、もちろん」
「私は、あなたにとって、どのような存在なのでしょうか……?」
前にも、
同じようなことを尋ねてきたこと
があった。
それだけ、月にとって疑問に感じる事柄なのだろう。
当時と今とを比べて、答えがどれほど変わっているのか、自分に問うた。
考えながら、ゆっくりと和哉は自分の率直な気持ちを口にする。
月の信頼に応えるためにも、彼女に対しては誠実でありたかった。
「正直、はっきりとは言えないんだ。前も言ったように、いや、ただの友達以上に、常闇のことは大切に思っている」
「……はい」
「それは間違いない。常闇の、手の届くところにいたい。だが、この気持ちが恋愛感情かと問われると、……すまないが、自分でもよくわからないんだ」
ひたむきな目を向けて和哉の発言に耳を傾けていた月は、かみしめるようにうなずいた。
「こちらこそ、すみません。急ぎすぎました……、ね」
「曖昧な返事しかできなくて、悪いな」
「いいえ、私も、堀さんに抱く感情が恋愛感情というものなのか、自信がないんです」
「……そうか」
「はい。なので、お互いに、まだ結論を出す段階ではないようですね……」
うなずきかえしながら、和哉は余すことなく気持ちを伝えようとした。
「わかったら、そのときはきちんと伝えるからな」
まばたきをひとつして、月は表情をやわらげた。
「私も……、です」
「俺は、これから先も、常闇のそばにいたい。そこでひとつ、頼みがあるんだが」
「何ですか……?」
「今日から、常闇を下の名前で呼ぼうと思うんだ」
「……名前を? ええとその、……いいですよ」
こほんと咳払いをして、和哉は微笑んだ。
「ああ。月、これからもよろしくな」
「こちらこそ、よろしくお願いします。……和哉さん」
少し照れくさそうに瞳を揺らして、月は夜空を指さした。
「……あ、ほら、空から光が降って来るような、きれいな花火です」
「そうだな。きれいだ」
「また機会がありましたら、来たいですね、花火大会。二人でも……、他の友人と一緒でも……」
「そうだな。また来よう」
「はい……」
そっと手を重ねて、二人はじっと、夜空を見上げた。
<< もどる
1
…
9
10
11
12
13
…
22
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
花火大会、夏の思い出
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月06日
参加申し込みの期限
2014年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!