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【高校生と社会人】
混雑する海岸を歩きながら、
伊予 祐
はそっと
雪代 伊織
の指先を握った。
「……あっ」
振り向いた伊織を見ると、やはり手を放してはおけないと感じる。
快活な彼女のことだ。放っておいたら、どこかにいってしまいそうな気がする。
きゅっと握り返してくる感触に、もっと距離を縮めたくなった。
けれど、今日は高校生も一緒だ。
大人として、分別のある行動をしなければ。
人目につかないようにと気を配っていたつもりの祐だったのだが、親密な空気をまといだした二人に、
篠木 昴
は目ざとく気づいた。
ここは、気配りをみせる場面だと思う。
いつか巡り巡って、祐が恩返しをしてくれるかもしれないではないか。
いや、むしろ積極的に礼をしてもらおうと昴は考え、ろっこん『ダイレクトメッセージ』を使用して、隣を歩く
浅山 小淋
と
成城 千里
に呼びかけた。
(浅山、成城、……二人を残して、少し離れたところに行こう)
どうやら似たようなことを考えていたらしい小淋が、ぱっと面を上げてうなずいた。
(このまま二人の世界に入りそうだからな。そっとしておきたいんだ……)
千里も様子をうかがうように前を歩く二人に目を向ける。
こうして高校生三人組は、大人な対応を身につけて、互いしか目に入らなくなってきている大人たちを二人きりにさせてあげることにした。
やがて花火が打ち上がり始めると、千里と小淋と昴の三人は、砂浜に広げたレジャーシートの上に並んで座った。
ドンドンという太鼓にも似た花火の打ち上げ音が、身体の奥底まで響いてくる。
千里は夜空に輝く光の花を見上げながら、どこか心地の良い音に身を任せ、花火が舞う夜空を飛んでみたらどんな心地がすることかと夢想した。
『迫力がありますね。それに、人が多くて活気もすごいですよね』
小淋の発言に、千里は思う。
これだけたくさんの人がいて、それぞれの人間関係がある中で、たとえば先ほどの二人のように互いに特別な好意を抱くというのは、とても不思議なことなのではないだろうか。
祐と伊織の間柄の実際のところなど知らずとも、これほどの人がいて、デート中らしき人々の姿は、けして少なくないのだ。
それだけの人が、誰かに恋愛感情を抱いているのだとしたら、彼らが抱く好きだという気持ちは、一体どういったものなのだろう。
ありふれているのに曖昧なその概念の正体を知りたくて、千里はぽつりとこう尋ねた。
「なあ、二人は、好きな人おる?」
意表を突かれた顔をして、昴は千里を見つめた。
「まさか成城、お前のほうからそんな話題をふるとはな。ま、花火を見ながらそういうのも悪くはないか」
幾分気まずそうに身じろぎして、千里は続けた。
「そういうの、俺はよくわからないんだ」
昴もふっと表情を引き締めて、真面目に答えた。
「好きな人だったな。俺は……、わからない。今はまだ、はっきりしたことは何も言えそうにない」
『私もまだ、そういったお相手はいないですね……』
小淋もさらさらと回答を綴る。
『でも、周囲ではなにかと恋愛されてる方が多いので、ちょっとだけ羨ましいですね』
そう答える小淋の頭には、以前
ファミレスで恋愛相談
を受けたときのことが思い出されていた。
高校生にとって、色恋沙汰は身近な話題だ。
もちろん、人による部分は大きいが。
「羨ましい、か。そもそも俺、誰かを好きになることってなんなのか、ようわからんのやわ。けど、正直、少し気になる」
夜空で輝いては瞬く間に散ってしまう花火と同じように、人の好意も消えてしまうものなのだろうか。
それとも、ずっと人の心に残り続けるものなのだろうか。
夜空に目を向ける千里に、昴が誠実な言葉を返した。
「そうだな。俺も今はまだ自分のことも先のこともはっきりとはしていないが、いつか自分の考えがまとまったら、成城にも浅山にも伝えたいと思う」
『先のことは、見当もつきませんよね……。けれど、私も、いつか』
「いつか……、俺にもわかる日がくるんかな」
今の千里にとって、恋人といえるのは大空なのかもしれない。
それでも、不思議なことに誰かと共にいたいと感じる気持ちは確かにあるのだ。
「これが、世に言う青春か」
口元をゆるめながら、昴が二人に向けて握り拳を差し出した。
「青春? そうかもな、これからも一緒に頑張ろうな」
千里が同じように拳を握れば、小淋も手をグーにして突き出した。
三人の拳がぶつかり、笑いがはじけた。
『そうですよ、私たちも頑張らないとですね』
気恥ずかしさとくすぐったさと、染み入るような温かさを感じる。
「青春も、べつに一人で乗り越えるわけじゃないんだもんな」
少しすっきりした顔をして、千里は昴と小淋の顔を見つめた。
昴もまた、千里と小淋の存在を感じながら、この先へと思いをはせた。
「高校生活、この先、何があるんだろうな」
楽しいことも苦しいことも、思いがけないことすらも、きっとたくさんあるのだろう。
それでも、手の届くところに彼らがいるのだ。
「ま、助け合っていけばどうにかなるだろう。俺は協力を惜しまないから、何かあったら言ってくれ」
「そうだな。いいこと言うな、さすが昴さん」
『私も……、もちろん私もです!』
盛り上がり、絆を深めながら、昴は頭の片隅で考えた。
故意にはぐれてしまった大人二人に関しても、この気持ちは変わらないと。
さてその二人。
祐は、気を遣ってくれた高校生たちに感謝しつつ、伊織の手をそっと引いた。
「伊織さん、特等席を見つけておいたんだ。向こうで一緒に花火を見よう」
いつの間にか二人きりになっていたことにとまどいを隠せなかった伊織だが、祐が嬉しそうに手を握り直してきたことで、頭の中が祐のことでいっぱいになってしまった。
「ほら、こっち」
「……はい」
人の気配もまばらな岩場の陰で、海の上に打ち上がる花火を見る。
「素敵。とても綺麗ですのね」
手をつないだまま、うっとりと夜空に広がる光の乱舞を見上げる伊織の横顔が、やけに大人びて見えた。
「……今のご覧になりました? おかしな形の花火もございますのね、祐さん」
「そうだよなー」
他愛のない会話を交わし、目が合うたびに気恥ずかしさを感じるけれど、二人で過ごす時間がとても大切なもののように思える。
「こうやって二人で花火が見られて、なんだか俺、嬉しいんだ」
つぶやいた祐に、伊織が何か言いたげな様子で口を開いた。
「私……、あの、祐さん。少しだけ、目を閉じていただけませんか」
「ん、こう?」
「ええ」
言われるがまま目を閉じた祐の頬に、背伸びをしながら、伊織は口づけをした。
「――ぅ、えぇ!?」
痛いほどに心臓が跳ねて、呼吸が止まった。
やわらかな唇の感触と彼女の吐息が、確かに頬をかすめていった。
息苦しさを感じてほどなく、おかしいほどに動悸がしていた。
熱をもったかのように、全身がぐんぐん火照り、呼吸が乱れた。
「い、今の……」
祐のあまりの慌てぶりに驚いたのか、伊織もあたふたとして言い訳をした。
「ご、ごめんなさい! し、親愛のキスは頬にするものだと、お義父さんに教わったので……っ!」
「えっ、し、親愛!?」
思いがけない言葉を耳にして、まずは落ち着くべきだと、祐は深呼吸をくり返した。
「あー、そうか。君は海外育ちだったね。うん、そう、そうだ」
祐と同じくらいに真っ赤になった伊織が、うつむいた。
「ううう、恥ずかしいです……。私、いつも引っ張っていってくれる祐さんに、少しでも親愛の気持ちを表現したくて、ですね……」
懸命に気持ちを伝えようとする伊織がいじらしく、たまらなく愛おしく感じた。
「そうか。ありがとう」
まだ、もう少しこうやって伊織と並び、体温を分け合いたくて、祐は腕が触れあうほどに距離を縮めた。
「花火、綺麗だな。夏だよなー」
間もなく過ぎ去ろうとしているこの特別な季節を、胸の内でしのんだ。
夏の終わりのこの時間が特別なのは、大切な人と共に過ごしているからだ。
こみあげてくる気持ちのままに、祐は告げた。
「伊織さん、また来年も一緒に来ような」
「……そうですね。私もまた、祐さんと一緒に見たいですわ、これから先も」
腕に伝わる温もりに、伊織の心もじわじわと温かくなっていく。
隣に並ぶ彼を大切だと思うと同時に、この島に来てからどんどん大切な人が増えていくと、しみじみ感じた。
人と人とを結ぶこの島で、これからも大切な人たちと一緒に笑って過ごせるようにと、伊織は夜空を照らす花火に願った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月06日
参加申し込みの期限
2014年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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