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「うおおおおおっ」
茜の空に
加賀見 光子朗
の雄叫びが響く。
「何だこの光景はーっ!?」
混乱しきった視線を左右に走らせる。右方向には茜の空、左方向にはまだ蒼さの残る空。どこまでも空。下には重なる雲さえ見える。旅客機から放り出されました的な状況を落下しつつ確認して、確認したところでどうしようもないことも確認して、
「ん?」
初対面の人に大抵怯えられてしまうほどの悪人顔を、おかしいな、と小さく可愛く傾げる。確かついさっき、猫鳴館の自室で横になったはず。
ということは。
「……これは夢ッ!?」
子供が見れば泣いて逃げ出す強面の眼をカッと見開き、光子朗は落ち続ける状況を夢と判断する。夢だと分かってしまえば怖がることは何もない。自由落下の空中にあぐらをかいて、腕を組み、ヤクザの若頭の貫禄と風貌で、真下に広がる夕暮れの雲海を睨み据える。
落ちて行く夢なんて初めて見た。
(下が全然見えない)
夢と自覚しても落下は止まらず、考えているうちに黄昏の黄金に染まる雲の海に突っ込む。濃霧に呑まれたような雲の中は瞬きの間に通り過ぎる。傷痕のある頬にくっついた雲の冷たい粒を掌で拭い、光子朗は全方向に開けた夕空の美しさに瞳を細める。
雲を抜けて漸く下が見えた。紅に染まった海に光の腕を投げかけて、夕日が水平線に沈み行く。
「……一人で見るには勿体無い」
知らず唇から零れた柄にも無い言葉に、口元を押さえる。声にしてしまった言葉を打ち消すように、
「一人なんて慣れっこだろう」
低く呟いてみる。
呟くと同時に胸から洩れた溜息に動揺して、周囲を見回す。太陽が海に沈み切ってしまえば、空はどんどん暗くなる。ずっと落ち続けているはずなのに、そのくせ真下の海には一向に近くならない。
(夜になったら何も見えないんだろうなぁ)
そうなれば暗闇を一人きりで落ち続けるのだろうか。ずっとずっと。
考えれば考えるほど憂鬱になってきて空を仰いで、遠い空の真上にひっそりと浮かぶ月を見つけた。空を覆う雲のせいか光の薄い月に、手をかざす。
(俺の手も)
月みたいに光るんじゃないか。そう思えたのは夢だからか。
(――光を感じて、光を纏う)
心にふと、魔法のような呪文が浮かんだ。
それと同時、月へ伸ばした手に不思議な熱の感覚が集まる。
悪人顔が強張る。ごくり、喉仏が上下する。まさかとは思う。
(光を感じて、光を……)
念じるように強く心に思えば、掌に集まる不思議な感覚がゆっくりと強さを増す。
(――纏う!)
瞬間、手に青白い光が宿った。
(本当に光りやがった!)
光子朗は息を呑む。
月よりも明るく光る自身の手を見つめる。炎のように揺らぎもせず、熱も持たない、まるで光る粒子の集まりにも似たその手の光を見開いた眼で凝視する。
(まさかこれ、ビームとかいう奴か!? ニャンダムとかに出てくる……)
「よう、大丈夫か」
夜空に光を真直ぐに引き、落ち続ける光子朗の傍ら、背の翼に風を集めて飛ぶ柳司が並ぶ。翼を畳み、光子朗と並んで落ちる。
「遊んどったら光見つけて寄って来たんやけど。助け、いるか?」
軽い口調の茶髪の少年を見て、悪人顔と裏腹に実は内向的な光子朗は、己が口下手が誤解を生むとよく知っていて思わず口を噤む。
「どないした?」
手の光に照らしてよく見れば、翼持つ少年は何だかものすごく怖い顔をしている。髪も茶色、耳にイヤーカフスまで着けている。不良かも知れない。
そこまで思って自省する。
(俺と同じかもしれないだろう)
助けが要るかと問うた不良っぽい少年に向け、光子朗は真剣に頷いて見せる。翼持つ少年は何だかちょっとだけ怯えたような表情をして後、
「ほな、任せとき」
悪だくみのような笑みを見せた。翼を自在に操り、光子朗の真下に回りこむ。
「よいせっと!」
両腕を広げ、細身の体に似合わぬ力強さで抱き止められて、
「……これは」
光子朗は思わず口ごもる。助けてもらっておいて言えることではないが、
「……仕方ないやん、これが一番安定して受け止められるんやから」
光子朗の長身をお姫様抱っこの体勢でキャッチして、少年は苦笑いする。忙しなく翼を羽ばたかせる。
「あー、でも、無理かも」
苦笑いする少年に言われて気付いた。落下速度は緩まったものの、落下は止まっていない。まだ落ち続けている。
「俺を捨てろ! あんたは飛べるだろ!」
「アホ言いな! 捨ててけるわけないやろ!」
風に巻かれて落ちる。言い争う強面二人の腕を、
「……まあ、いくら夢でも心臓に悪いからな」
ふわり、翼も持たずに宙に舞う
八神 修
が掴む。本来の体力なら引き摺られて落ちるかもしれないが、これは夢。夢だと理解していれば、
(意志力でどうとでもなる)
顔を見合わせる柳司と光子朗に、修は笑いかける。落下していると気付いた時は多少慌てて周囲の情報を集め、真下に広がる岸の形状を地図に当てたり水面までの距離を目測し、落下までの残時間を概算したりもしたけれど。
今までの記憶を辿れば、現況は夢か神魂事件だと容易く推察できた。そうしてしまえば、意志力で制動を掛けることはもっと容易かった。
カジュアルスーツの裾を風に揺らし涼しげに空を飛ぶ修を、光子朗はまじまじと見つめる。手が光ったのも、翼持つ少年と出会ったのも、空飛ぶ少年に助けられたのも、
(これ、本当に全部夢か?)
瞬いて、枕に押し付けた頬に気付いた。
寝苦しい夏の夜に、光子朗は起き上がる。息を吐き出す。
(……やっぱ夢だよなぁ)
時計を見れば、起きるには少し早い時間。
手を見ても、手に宿る光はやっぱり無い。
(夢、だよなぁ)
どうしてだろう。あの時手に感じた不思議な感覚は、微かに、けれど確かに残っている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月14日
参加申し込みの期限
2014年07月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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