風が耳の後ろで叫ぶ。
体が風に掴まれる。髪が空に踊る。仰向けのまま動かそうとした腕が恐ろしい勢いで風に揉まれ空に跳ね上がる。伸ばした指先に触れるのは、青空ばかり。素足には、何も触れない。地面がない。
風に殴られ打たれ、体中が痛い。
自分の素足が上に見える。ああ足よりも頭の方が重たいのかなと思って、
(落ちてる)
理解した。その途端、緊張に体中が熱くなる。
(落ちてる?!)
体に孕んだ熱は一瞬の間に凍えて冷える。冷や汗が吹きだす。
なんで、と思いながら混乱した視線を巡らせる。
眩しいほどの青空が視界一杯に広がる。ふうわりと柔らかそうな雲が浮かんでいる。手を伸ばせば届きそうに見えて、伸ばした手は何も掴めなかった。
気が遠くなる。
失いかけた意識は無理矢理握り締める。気絶してしまえばおしまい、そんな気がする。
――遠く、水平線が青くきらめく。
そんな夢のお話、いかがですか。
落ちている最中、何を思いますか。誰を思いますか。
助かろうと足掻きますか。どうやって助かろうとしますか。
それともそのまま何もせずに落ちちゃいますか。
もがいてあがいて、結局やっぱり落ち続けますか。落ちたその後、目が覚めますか。
それとも五体は砕けずそのまま地の底や海の底まで落ちてしまいますか。
落ちた先でどんなものを見ますか。
楽しかったあの日の思い出? 心の奥底に押し込めていた嫌な思い出?
海底都市遺跡や大樹の森? なんか不思議な見たことない風景?
あ、途中で夢だと気付くのもありだと思います。気付いちゃった時は、……どうしましょうか。飛んじゃいましょうか。空の向こうに見えた誰かを助けに行きましょうか。
夢の中で、見知った誰かを助けるのも、知らない誰かを助けてみるのもたまにはいいかなと思うのです。
その後は、地上にゆっくり降りて草原でデートするのも、海の上を歩いて水平線を目指すのも、もう一回空を飛んでみるのも、何でもありかなと思います。夢なので。
※NPCは登場しません。
※参加者同士な誰かと出会いたい場合は【GA】推奨です。が、お任せ頂けましたらなんかもうこう、見知らぬ方同士だろうが顔見知り同士だろうが、空中でごっつんこくらいな勢いでくっつけちゃいます。もちろんおひとりさまでもオッケーです。
ご参加、お待ちしております。