- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
学校で満喫するサマーバケーション
【異臭にまつわるミステリー】
「あら。新井くんも来てたのね」
「やあ、神野さん」
寝子島高校ミステリ研究会、通称ミステリ研の部室にて。顔を出した神野 美野梨を出迎えたのは、新井 すばるです。
ミステリ研には、二人も含めて二十数名ほどの生徒が所属しておりますが、夏休みの今日、部室を訪れたのは彼らだけのようです。
「そうそう、この前の生物部の合宿では、お疲れさま。いや、あれは楽しかったよね。仲間と泊りがけでの部活動……ザ・青春！ って感じでね」
「ええ、本当に。今日はちょうど、あの時のレポートを纏めに来たところだったのよ。クーラーのある学校のほうが、作業がはかどるから」
「はは、分かるなぁそれ」
すばると美野梨は、一緒に生物部に所属する間柄でもあります。泊りがけの合宿へ共に参加した際は、大いに楽しんだ二人……だったのですが。
美野梨は椅子に腰掛けながら、ふう、とひとつため息。
「あの時はおかげさまで、だいぶ安く上がって助かったのだけど……やりくりで少し無理をしたから。どこかに、良いバイトでも無いかしらね」
ちょっと頑張って合宿費用を捻出したところ、彼女はいささか、懐が苦しくなってしまったようです。
しかし、天の助けというのは、意外なところから手を差し伸べてくれるものでありまして。
「アルバイト？ なら、うちに来る？」
「うち、って？ あ、確か新井くんの家って、魚屋の……」
そう。すばるの実家は、旧市街の商店街に軒先を構えるお魚屋さん。新鮮な魚介を街の人々の食卓へとお届けする、『魚新』さんなのです。
「まぁ、仕事はラクとは言えないけど。その辺のバイトよりは、ずっと稼げると思うよ」
すばるの魅力的な提案と明るい笑顔に、美野梨も心を動かされた様子。ちょっと小首を傾げて考えながら、
「そうね。少し考えさせてもらえる？」
「もちろん。ほら、今度寝子ヶ浜海岸で、水着コンテストがあるよね？ うちも出店を出すはずだから、良かったらその時にでも。父さんには話しておくよ」
「ええ、ありがとう。助かるわ」
これで懐寂しい、悲しい夏休み……で終わってしまわずに、済むかもしれません。
さて。一通りの用事も済んでしまうと、少々暇を持て余した二人。
「……？ 何、この匂い……？」
「うん？ ……ほんとだ、ヘンなニオイがするね」
気づけば、どこからともなく……何やら形容しがたい、妙な臭いが漂ってきているのに気づきました。
くんくんくん、二人は鼻をひくつかせながら、
「おやおや。これは、事件の匂い……かな？」
「そうね……新井くんなら、どう推理する？」
「そうだねえ……よし！」
ぴーんっ、と、すばるが何かを閃いたように、きらりと目を輝かせました。
「せっかくだから、さっき食べた分のアイスのカロリーでも消費しに行こうか。ふふ、どうだい、調査に向かうかい？ ワトソンくん」
ぱちり、茶目っ気たっぷりにウィンクをひとつ。
そう、ここはミステリ研。そこに謎あらば、解決に向かわねば気がすまないのが、彼らというわけでありまして。
「……そうね。お付き合いするわ、名探偵さん」
二人はさっそく部室を出て、謎の異臭の原因を探るべく調査に乗り出します。
まずは、異臭の出所、その大まかな方角を定めます。
「きっと、理科室では無いと思うわ。あそこには五十嵐先生がいるし、化学薬品の取り扱いに何かあれば、すぐに対応してくれるはず」
「同感だよ。となると、部室棟……は遠すぎる。美術室か、あるいは……家庭科室か」
「ええ、その可能性は高いと思う」
確かに、風に乗って漂う匂いをたどれば、方角は合っているように思えました。二人は、家庭科室へ向かって歩みを進めます。
道中、すばるは虫メガネを片手に、パイプを口に……あっ、違う！ ちくわでした。言わずと知れた、かの名探偵ばりにちくわを口にくわえ、あちこちに虫メガネを向けては、推理に余念がありません。
「ねえ君、少し話を聞かせてくれるかな？ ふんふん、なるほど……おなかがすいたニャー、って言って」
「違うと思うわ」
「だよね、知ってた」
なんて。通りすがりのネコへの聞き込みが空振りに終わったりもしつつ、やがて二人は、目的の家庭科室へとたどり着きます。
中から漏れ出てくる、一際濃い臭気。何と言いますか、こう……あえてそれを言葉で表現してみせるなら、地獄の沼から漂ってくるような異臭の中、美野梨がそろりと扉を開きますと……。
「……ああ。なるほど、そういうこと」
「うん、どうやら、ここがゴールのようだね」
家庭科室の中にあったのは、綾辻 綾花に七夜 あおい。それに……八神 修と、立井 駒鳥の姿。
蓋を開けてみれば、見知った顔も多い、何かと推理もしやすい集まりがそこにありました。
「あら。新井くんも来てたのね」
「やあ、神野さん」
寝子島高校ミステリ研究会、通称ミステリ研の部室にて。顔を出した神野 美野梨を出迎えたのは、新井 すばるです。
ミステリ研には、二人も含めて二十数名ほどの生徒が所属しておりますが、夏休みの今日、部室を訪れたのは彼らだけのようです。
「そうそう、この前の生物部の合宿では、お疲れさま。いや、あれは楽しかったよね。仲間と泊りがけでの部活動……ザ・青春！ って感じでね」
「ええ、本当に。今日はちょうど、あの時のレポートを纏めに来たところだったのよ。クーラーのある学校のほうが、作業がはかどるから」
「はは、分かるなぁそれ」
すばると美野梨は、一緒に生物部に所属する間柄でもあります。泊りがけの合宿へ共に参加した際は、大いに楽しんだ二人……だったのですが。
美野梨は椅子に腰掛けながら、ふう、とひとつため息。
「あの時はおかげさまで、だいぶ安く上がって助かったのだけど……やりくりで少し無理をしたから。どこかに、良いバイトでも無いかしらね」
ちょっと頑張って合宿費用を捻出したところ、彼女はいささか、懐が苦しくなってしまったようです。
しかし、天の助けというのは、意外なところから手を差し伸べてくれるものでありまして。
「アルバイト？ なら、うちに来る？」
「うち、って？ あ、確か新井くんの家って、魚屋の……」
そう。すばるの実家は、旧市街の商店街に軒先を構えるお魚屋さん。新鮮な魚介を街の人々の食卓へとお届けする、『魚新』さんなのです。
「まぁ、仕事はラクとは言えないけど。その辺のバイトよりは、ずっと稼げると思うよ」
すばるの魅力的な提案と明るい笑顔に、美野梨も心を動かされた様子。ちょっと小首を傾げて考えながら、
「そうね。少し考えさせてもらえる？」
「もちろん。ほら、今度寝子ヶ浜海岸で、水着コンテストがあるよね？ うちも出店を出すはずだから、良かったらその時にでも。父さんには話しておくよ」
「ええ、ありがとう。助かるわ」
これで懐寂しい、悲しい夏休み……で終わってしまわずに、済むかもしれません。
さて。一通りの用事も済んでしまうと、少々暇を持て余した二人。
「……？ 何、この匂い……？」
「うん？ ……ほんとだ、ヘンなニオイがするね」
気づけば、どこからともなく……何やら形容しがたい、妙な臭いが漂ってきているのに気づきました。
くんくんくん、二人は鼻をひくつかせながら、
「おやおや。これは、事件の匂い……かな？」
「そうね……新井くんなら、どう推理する？」
「そうだねえ……よし！」
ぴーんっ、と、すばるが何かを閃いたように、きらりと目を輝かせました。
「せっかくだから、さっき食べた分のアイスのカロリーでも消費しに行こうか。ふふ、どうだい、調査に向かうかい？ ワトソンくん」
ぱちり、茶目っ気たっぷりにウィンクをひとつ。
そう、ここはミステリ研。そこに謎あらば、解決に向かわねば気がすまないのが、彼らというわけでありまして。
「……そうね。お付き合いするわ、名探偵さん」
二人はさっそく部室を出て、謎の異臭の原因を探るべく調査に乗り出します。
まずは、異臭の出所、その大まかな方角を定めます。
「きっと、理科室では無いと思うわ。あそこには五十嵐先生がいるし、化学薬品の取り扱いに何かあれば、すぐに対応してくれるはず」
「同感だよ。となると、部室棟……は遠すぎる。美術室か、あるいは……家庭科室か」
「ええ、その可能性は高いと思う」
確かに、風に乗って漂う匂いをたどれば、方角は合っているように思えました。二人は、家庭科室へ向かって歩みを進めます。
道中、すばるは虫メガネを片手に、パイプを口に……あっ、違う！ ちくわでした。言わずと知れた、かの名探偵ばりにちくわを口にくわえ、あちこちに虫メガネを向けては、推理に余念がありません。
「ねえ君、少し話を聞かせてくれるかな？ ふんふん、なるほど……おなかがすいたニャー、って言って」
「違うと思うわ」
「だよね、知ってた」
なんて。通りすがりのネコへの聞き込みが空振りに終わったりもしつつ、やがて二人は、目的の家庭科室へとたどり着きます。
中から漏れ出てくる、一際濃い臭気。何と言いますか、こう……あえてそれを言葉で表現してみせるなら、地獄の沼から漂ってくるような異臭の中、美野梨がそろりと扉を開きますと……。
「……ああ。なるほど、そういうこと」
「うん、どうやら、ここがゴールのようだね」
家庭科室の中にあったのは、綾辻 綾花に七夜 あおい。それに……八神 修と、立井 駒鳥の姿。
蓋を開けてみれば、見知った顔も多い、何かと推理もしやすい集まりがそこにありました。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2014年07月07日
- 参加申し込みの期限
-
- 2014年07月14日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2014年07月14日 11時00分
