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学校で満喫するサマーバケーション
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【昔日の君に、思いを馳せて】
部室の外へも流れ出し、廊下を美しく染め上げていく音階。澄んだ音色の、軽やかなピアノ独奏。
J.S.バッハ。ニ長調のミュゼット。
(……懐かしいなぁ……)
鍵盤の上へと指を滑らせながら、
呉井 陽太
の脳裏に蘇る、いつかの光景。
思い出の中、彼の傍らに立っているのは、ヴァイオリンを手にした弟の姿でした。
本当を言えば、今日の陽太は、学校へ来るつもりは無かったのです。
何せ、暑い。暑すぎる! 連日の猛暑に、陽太はすっかりグロッキー。朝から寮の自室でごろんごろんと寝転がり、今日はもう、外出たくな~い。アイス食ってごろごろしてた~い。ってな具合だったのです。
が、しかし。気になりますのは、この8月から所属することになった軽音楽部、その部室に備え付けられた楽器たちです。せっかく入部したことだし、早いところ慣れておきたいなぁ、なんて思っていた彼。ごろんごろんしながらも、もう、気になって気になって仕方ありません。
そんなわけで、数十分後。結局、いても立ってもいられなくなった陽太は、こうして軽音楽部の部室へとやってくると、自主練習に励んでいるというわけなのでした。
今日は部活もお休みで、部員の姿は、陽太一人。
(それにしても……懐かしいなぁ)
軽快なメロディを奏でながら、陽太には、どうしても思い出されることがありました。
それは、彼の弟のこと。共に音楽に触れ、いつも一緒に練習へ励んでいた、弟のことです。
陽太がピアノで『ミュゼット』を奏でれば、弟は、ヴァイオリンでそれを弾きこなす。努力家な彼は、いつでもヴァイオリンの練習にのめり込んでいて、放っておくと、いつまででも弾いているほどでした。陽太はいつも、指を痛めてしまうんじゃないか……と、心配したものです。
そして、もちろん。今でもずっと、陽太はそんな弟のことを、心配しているのです。
(きっと、今も……ヴァイオリン。弾きまくってるんだろうなぁ)
弟とは、しばらく会っていません。
彼とケンカしてしまって以来、楽器に触れること自体が、陽太には久しぶりのことです。
ピアノの次に陽太が触れたのは、ドラムセット。こちらもまた、陽太にとって親しみのある楽器です。
試しに、スティックを握り、どんどん。叩いてみますと、
「わぁー。いい音出るなぁ」
部室の備品であるドラムは、思いのほか良い品のようで、スティックで打つたび、小気味のいい音があたりへと響き渡ります。
調子に乗って、どんどんどんと叩いておりますと……ぱちぱちぱちぱち。
いつの間にやら、部室の入り口へと佇む、三つの人影が。
「おおおお……すごいのだ陽太ちゃんドラマーなのだカッコイイのだ! というか軽音部だったのだ? てっきり美術部だと思ってたのだこの前のネコ粘土凄かったのだ~」
軽音部室に顔を見せたのは、
後木 真央
、
旅鴉 月詠
、そして
恵御納 夏朝
の三人です。美術部の部室にまで届く音色が気になっていたらしく、帰りがてらに、少しばかり覗きに来てみたようです。
「あ、真央ちゃんに、お友達。見てたのん?」
「いい腕だね。今日は、鷹取の絵に、君の演奏に……良い芸術に触れられる日みたいだ」
「うん……ピアノの音も、聞こえてたよ。何だか、楽しくなってくるような曲で……すごく綺麗だった」
なんて、三人、口々に褒めてくれるものですから。陽太としましても、悪い気はしないのです。
「ありがとう。いやー、照れるねぃ」
「陽太ちゃん、もっとやってもっとやってなのだ~もっと見たいのだ!」
そんな風にせがまれて、陽太も俄然、気合が入ります。
「よーっし、どんどん叩いちゃうよぅ!」
どんどん、どこどん! どこどこどん!
陽太のプチライブは、三人の観客の声援に囲まれながら、しばし続きました。
「あ……暑っ……」
気づけば、結構な時間、のめり込んでいたようです。演奏を終えると、部室には、むっとする熱気が立ち込めておりました。
独奏は大盛況、惜しみない拍手を送ってくれた観客たちを見送ってから、陽太は部室の窓から顔を出し、外を覗きます。夕暮れの風はぬるいものの、頬を撫でていく感触はなかなかに心地良く。自然、陽太の細い目は、更に細まります。
楽器に触れるのは、久しぶりのことでした。それでも、いざ鍵盤に指を乗せてみれば、ドラムスティックを手にとって見れば。思いのほか、指は動いてくれるものです。
弟も、きっと。今でもこうして、練習に没頭しているのでしょう。
帰り支度を済ませると、部室の照明をぱちりと落とし、扉を閉める前に。陽太はふいに、部屋の中を振り向きます。
(……明日も、練習頑張ろう)
ひとつうなずき。陽太は笑顔のままに、立ち去っていきました。
ごしごしごしごし。
下駄箱の清掃に始まり、校舎中のトイレ掃除に備品補充、廊下の掃き掃除、雑巾がけにモップがけ。果ては、グラウンドや校舎裏の草むしりまで。
一日、美化委員として精力的にお仕事をこなした
亜魚隈 猯利
は、最後の締めとして、正門の柵へごしごしと雑巾をかけておりました。
ふう、と額の汗を腕で拭い、何とはなしに見上げれば、そこにはすっかり朱色に染まった空。
今日も、一日が終わります。夏休みに学校を訪れていた生徒たちも、そろそろ下校の時刻。
「お疲れさまだよぅ~。ああ、夕焼けが綺麗だねぃ」
猯利へ一声かけて、のんびりと正門を通り抜けていく
呉井 陽太
。
「あの……今日は、ありがとうございました。さようなら、尚暉先生。また明日」
「ええ、さようなら御巫さん。気をつけて帰ってくださいね」
ぺこりと頭を下げた
御巫 時子
を見送ると、
五十嵐 尚輝
先生は研究室へ戻っていきました。
「確かに少し、腹が減ったな。青龍寺は何が食べたいんだ?」
「そうね、このあたりで美味しいお店といえば……あら、こんな時間まで、お疲れ様」
連れ立って学校を出て行く
青龍寺 琴理
と
海原 茂
へ、軽く手を上げてから。
ごしごしごしごし。
ごしごしごしごし。
ごしごしごしごしごしごしごしごし……。
「……よし、こんなものか」
拭き掃除を切り上げると、後始末を済ませた後、猯利もまた帰途に就きます。
生徒や先生たちが、楽しく気持ちよく夏休みの学校を満喫する傍らには、確かに彼のような、裏方の活躍がありました。普段は無感動な猯利ですけれど……この時ばかりはその自負が、心地良い疲労感が、ちょっとした充足感として、胸を満たしてくれます。
夏休みの残りは、どこへ釣りへ出かけようか。そんなことを考えながら、彼は沈みゆく夕日へと向かって、歩み去って行きました。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
皆様、お疲れさまでした! 『学校で満喫するサマーバケーション』のリアクションをお届けいたします。
普段は通い慣れて、勉強たるいなー、学校行きたくないなーめんどくさいなー……なんて思っていても。
部活動なり委員会活動なり、何かしらお休みの日に顔を出す用事があったりすると、何だかそんな時は、新鮮な気分になったりするものですよね。
夏休みの寝子島高校を、生徒の皆さんがそれぞれの形で楽しんでいただけておりましたら、幸いです。
それでは今回は、ご参加ありがとうございました!
またの機会にお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月07日
参加申し込みの期限
2014年07月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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