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【Fight!】
(おかしいわね……)
弘明寺 能美子
は、星ヶ丘寮の自室にて、じりじりじり。一向に返ってこないメールの返事を待っておりました。
といっても、それほど重要な用件があったわけでは無く、送信した内容といえば、他愛の無い雑談のようなものなのですが……何せ、夏休みなのでありまして。暑いし、暇は持て余すしで、能美子はいつもより、少々余計に焦れていたりするのでした。
(……あ。そういえば……)
はたと、そこで能美子は気づきます。
夏休みに入る前。メールの送信先であるところの、
桜庭 円
が確か、言っていたことがあったような……。
(ああ……そうだったわ。今日は確か、ボクシング部で……)
円は、ボクシング部の部長です。夏休みともなれば、部室で部員たちと共に練習へ励んでいるはず。
夏休みの過ごし方は、人それぞれ。ですが、そこへいきますと、能美子の脳裏へと思い出されるのは、北方の避暑地にある別荘で優雅に過ごした記憶。
そう、実のところ、能美子はなかなかにお嬢様でありまして。去年までの今頃はと言えば、毎年そうして別荘地へとお出かけするのが通例だったため、夏休みにわざわざ学校へ行くという発想が、そもそも無かったりするのです。
さて、それじゃ私は、何をしようかしら。宿題を片付けてしまう? どこかへお出かけしてみる?
色々と考えを巡らせる中、能美子の脳裏に思い浮かぶのは、円の顔。
(……せ、折角だし。桜庭さんに、差し入れでも持っていってみようかしら)
このままじりじりとしているばかりでは、せっかくの夏休みも、無為に終わってしまいそう。
「……よしっ」
ひとつうなずくと、お嬢様な彼女はメイドへと指示を飛ばし、差し入れのためにクーラーボックスを用意させました。
夏休みの学校という、彼女にとっては未知の空間や、そこにいるのだろうお友達の笑顔に思いを馳せ……ちょっぴり、胸を高鳴らせて。
制服に着替えた能美子は、いつになく新鮮な気分で、学校へと向かいました。
寝子島高校ボクシング部の部室には、篭もる熱気、弾けるような汗。そして、ストイックな部員たちの熱い息遣いが満ちています。
「ひびきちゃーん、柔軟一緒にやろー」
その中にあって、ちょっとのんびり、子供っぽくも聞こえる声の主は、
桜庭 円
。小柄な女の子ですが、彼女、こう見えてこのボクシング部の部長さんだったりするのです。
円が、部室の片隅へちらり、視線をやりますと。そこでは、彼女の相棒である子猫のにゃーくんが、びしばしと響く気合の入った音もそっちのけ、すやすやとお昼寝中です。
「柔軟……いや、あたしと部長じゃ身長違いすぎるし、無理じゃないか?」
円に名を呼ばれた、ひびきちゃんこと
笠原 ひびき
も、ボクシング部の一員です。彼女は同年代の女の子と比べても背が高く、小柄な円とは、柔軟の相手としては確かに、ちょっと釣り合わないようにも見えました。
「まあまあ。とりあえず、やってみようよ」
「仕方ないなー……」
背中を合わせて腕を組み、ぐいーっ。背の高いひびきに引っ張られ、円は、
「ぐわー」
「だから言ったのに」
結局、柔軟体操は、別々の相手と組んで行いました。
「さ、次はロードワークだねー。いこっ、ひびきちゃん」
「ああ」
続いて二人は、部室の外へ。
まずは、10キロのロードワークを軽くこなした後、間髪いれず、100メートルダッシュを数本。軽妙なフットワークやパンチの威力、試合に欠かせない持久力は、強靭な足腰によって作られるもの。これをおろそかにするわけにはいかないのです。
きっちりと下半身の強化メニューを済ませた後。部室へ戻ってきた円は、再び、ひびきを誘いました。
「よーっし。ひびきちゃん、スパーリングしようか」
「いや……だから、あたしと部長だと、体格とか違うし」
実のところ、円がこうしてひびきを相手に誘うのには、友達同士であるという他にも、ひとつ理由がありました。
何度か、実戦を通じて得た感覚。それは、勝利のためには様々な手段を身につける必要がある、というのっぴきならない現実でした。
円は小柄な体躯もあって、懐に飛び込んでのインファイトを得意としています。対するひびきはと言えば、高身長に伴う長いリーチを活かした、アウトボクシング派。
円が自分の得意とする土俵で有利に戦いを進めるには、そこへいかに潜り込むかという、いわば引き出しの多さが物を言うのです。
そしてそれは、ひびきにしても同じことが言えました。自分には無いものを武器とする、正反対のタイプと、いかに渡り合うか。いかに相手を自分のフィールドへと押し止め、有利を引き出すか。
そうしたものは実に感覚的で、知識として蓄えたとしても、身体に染み付かなければ意味がありません。実際に経験してみて、初めて体感できることは多く、そして重要なのです。
ひびきは少し、うーん。と考え込んだ後に、やがて、
「……まぁ、マススパーなら大丈夫か。じゃ、相手するよ、部長」
「うん、ありがとう」
防具を身に付け、二人はリングの上へ。審判役を引き受けた部員が、鋭く開始の声を飛ばす中……部室の隅っこでは、にゃーくんが、くあっと大口を開け、あくびをひとつ。
おそるおそるに部室を覗き込んだ能美子は、戦慄した。
それは、マススパーリングのはずである。が、リングの上で対峙した円とひびき、互いに一歩も譲らぬ気迫は、周囲で見守るたちをもその熱気の渦に巻き込み、ともすれば、言葉を失うほどであった。
ごくり、唾を飲み込む部員たち、そして能美子の視線の先で……ひびきが、その長いリーチを最大限に発揮すべく、円の間合いの外から牽制のジャブを放つ。
が、
(ッ、これだ……部長の最大の武器は、この反応の良さッ)
ひびきのジャブを、円はするり、するりとことごとくに避けてみせる。小柄な円のリーチは短い、しかしこの瞬発力と敏捷性の高さにより、ひびきのグローブは相手を捉えることなく、幾度も空を切る。
(うわ、リーチ長ッ。やっぱりひびきちゃん、懐が広いなぁ、なかなか潜り込めな……ッ、ととっ!)
円のこめかみを、鋭いジャブがかすめる。相対して初めて分かるが、ひびきの得意とする領域は、円にとってはとてつもなく広い。牽制をかいくぐって飛び込むには、それなりの手順を踏む必要があった。
(まずはジャブ、牽制に意識を割かせてから……ここッ、思いっきりステップ!)
相手の虚を突き、一気に懐へ飛び込む……が。
一瞬、ぎくりとしたように見えたひびきだが、その実、円の踏み込みのタイミングを計ってもいた。
(危ッ……いや、このタイミングだッ!)
伸びきった左を戻し切らないままに、右のショートアッパーを、円の顎に合わせる。
活路を塞がれた円の判断もまた、一瞬。飛び込みに一端見切りをつけると、リングを踏みしめて急ブレーキをかけ、即座に後ろへ下がる。
焦りは禁物だ。幾度も揺さぶりをかけては活路を見つけ、ひびきの長大なジャブの引き手に合わせ、飛び込む。隙あらばコンビネーションを繰り出して攻め立て、相手が対応に転じたと悟れば、迷わず退いた。
円の反応力は、ひびきにとって脅威だ。アウトレンジを維持していながらも、一瞬の油断も許されない。極力間合いを保ちながらも、円の突撃のタイミングを見切るのに意識を費やす。狙い済ましたショートアッパーによるカウンターは、試合を決定付ける威力を発揮するだろう。
二人の力量は、体格やウェイトの差異による有利や不利を飛び越え、実に、拮抗していると言えた。お互いに勝手知ったる間柄、というのも大きかったかもしれない。
自然。向き合う二人の口元には、かすかに、笑みがこぼれていた。
「……思ったより、すごいのね、ボクシングの練習って……」
と言いますのが、しばし練習を見学してみた、ちょっぴり呆然としつつの能美子の感想でありました。
ちなみに今、能美子の膝の上には、にゃーくんが丸まっています。練習を眺めているうち、良い遊び相手を見つけたとでも思ったのか、ちゃっかりと乗っかってきたのです。
「ちょっと、白熱しちゃったかな。でもいい経験になったし、引き出しも増やせたと思うよ」
「ああ、こっちもだ。やっぱり、部長みたいな相手に懐に潜り込まれると、やりづらいもんだなぁ……勉強になったよ」
スパーリングを終えた二人は、しばしの休憩中。能美子を交え、お喋りに花を咲かせています。
「そういえば能美子ちゃん、今日はどうしたの?」
「えっ? えっと、その……ちょ、ちょっと、近くを通りがかったものだから。何か冷たいものでも、差し入れを……って思って」
と、能美子が取り出しましたのは、クーラーボックス。ぱかっと中を開いてみれば、
「おお……」
覗き込んだひびきも、思わず嘆息。ひんやりと冷気を発するアイスが、ぎっしりと詰まっておりました。
「他にも、タオルとか……髪の毛をまとめるゴムとか、いろいろ持ってきたの。良かったら、どうぞ」
「うわぁ……ありがとう能美子ちゃん、助かるー」
円は、にっこり笑顔。ひびきも、早速手渡されたアイスの冷たさに、うっとり。どうやら、差し入れは大成功のようです。
「弘明寺……だっけ? なんか、その。わざわざありがとな……気が利くんだな、あんた」
「そ、そんなことは無いわよ?」
言われて能美子は、はにかみます。何となく、照れくさかったのでしょうか。
(何だか……こういうのも、いいわね)
初めて訪れた、夏休みの学校。自分はまだ、友達へ差し入れに来ただけの、ただの一般生徒に過ぎないけれど。
(二学期は何か、部活……入ろうかなぁ)
ボクシング部の熱を肌で感じて、能美子は、そんな風に思いました。
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墨谷幽
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月07日
参加申し込みの期限
2014年07月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月14日 11時00分
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