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【帰宅部の匠】
旅鴉 月詠
は別に、美術部に所属している美術部員だとか、そういうわけではないのです。
ないのですが、
「……ふむ」
などとつぶやきつつ、焼きあがった陶器を前に筆を取り、ひとつ思案してみせる様は、もはや匠の顔。この美術部室という空間に、実に、馴染んでおりました。
月詠は美術部員ではありません。けれど顧問の先生から、部活の邪魔にならない範囲で部室を使っても良い、という許可はもらっています。部室の隅っこには、彼女のためのロッカーだって用意されていたりするのです。
というのも、月詠の持っている芸術の才というのは、誰しもが認めるところでありまして。得意の絵画のみならず、彫刻、工芸、陶芸に写真に……その他もろもろ、芸術と名のつくものなら何でも一通りこなしてしまう上、果ては何でもないところにまでも芸術を見出しては、そこに一つのアートを生み出してしまう。
そんな彼女の才能を、顧問の先生も、高く評価しているのでしょう。だからこそ、本来は悠々自適な帰宅部員であるところの月詠に、こうして美術部室を開けてくれているのです。
ちなみに、部員たちとも懇意にしている彼女、もう事実上は美術部員と変わらないくらいですから、何かと正式な入部を勧められることもあります。そのたび彼女は、今の自由な環境を失いたくないから、なんて言って断っているのですが。
本音を言えば、
「ま、何となくね。気分かな」
あくまでマイペースな月詠さんなのでした。
さて。そんな彼女の星ヶ丘寮の自室は、アトリエも兼ねておりまして。創作活動なら、そちらで行うこともできるのですが。
それがなぜ、わざわざ美術部へと出向いているのかと言いますと……大きな理由の一つは、部室に備えられている、陶芸用の窯です。こればかりは、さすがに寮の自室へ、でん! と増設してやるわけにもいかず。彼女が、今日は焼き物がしたい気分だな……なんて思ったときには、良くここを利用させてもらっているのでした。
「さてと」
月詠の目の前にあるのは、湯呑と皿。既に、素焼きや下絵付けの工程を経て焼き上がったもので、後は上絵を付けて完成、といった段階なのですが。
月詠は少しばかり、首をひねります。イメージした色の染料も用意し、さあ何を描こうか……というところで、どうにも気の利いたモチーフが思い浮かばず、考え込んでいる様子。
と、そこで。彼女の瞳へと、鮮烈に飛び込んできたものがありました。
「ん……あれは」
かたんと席を立ち、月詠が足を向けたのは、イーゼルに乗ったキャンバスがいくつも並んでいる、絵画用のスペース。その中で、一心にキャンバスへ向かって筆を走らせている、
鷹取 洋二
の側でした。
彼は美術部員であり、月詠とも良く顔を会わせることがありました。
「……さすがだね。良くできている」
「やあ、君か。君に褒められるとは、光栄だな」
ま、僕の才能を持ってすれば、この程度……ふっ。なんて言いつつ、にやりと笑う洋二の目の前のキャンバスに広がる、鮮やかな世界。
「この夏の絵画コンクールにでも、出そうかと思っていてね」
「なるほど、良い出来だよ、これは。入選も狙えるかも知れないな」
月詠の口にした感想は、決してお世辞ではありません。
彼が描いているのは、桜台の街並み。その中を静かに流れる桜川の、川べりのワンシーンを切り取ったものです。深く濃厚な青い空に、入道雲。暑い夏の風景の中、涼やかな川の流れと、そのほとりで寝転ぶ、一匹の猫。
精緻なデッサン、構図の妙、鮮明で目を引く色使い。どれも秀逸で、月詠も認める出来栄えです。
「ふむ。夏、か……悪く無いな」
月詠は口元に手を当てながらつぶやくと、陶芸のスペースへと戻ります。
筆を取り、一心に作業を始めた彼女を遠目に見やり、洋二は少し微笑んでから……そして、きりりと顔を引き締めました。
「さすがと言うべきは、君のほうだよ、旅鴉くん。さて、僕も、君に遅れを取るわけにはいかないな」
二人の芸術家は、しばし言葉も忘れ、目の前の創作へと没頭します。
「わああ、可愛い湯呑……」
「ほ、本当にこのお皿もらっちゃっていいのだ月詠ちゃん!?」
そろそろ、西日も差し込んできた美術部室。顔見知りの様子を覗きに来たのは、図書委員のお仕事を終えて帰宅するところの、
恵御納 夏朝
。そして、自由への逃走、長く険しいロードを見事に走り切った、
後木 真央
でした。
二人を呼び出した月詠は、
「実のところ、完成した後、どうするかまでは考えてなかったんだ。君たちなら、受け取ってくれるかと思ってね」
そう言って彼女が手渡したのは、洋二の夏の絵にインスピレーションを得て完成した、二つの陶器。
夏朝へは、向日葵の花をくわえて歩く猫が描き付けられた、味わい深い湯呑を。
真央へは、魚をくわえて元気に走る猫の姿を描いた、可愛らしい皿を。
どちらも、落ち着いた青灰色の染料を使い、細筆で緻密に描き込んでいった、月詠の渾身の作です。
「ありがとう、大事に使わせてもらうね」
「嬉しいのだ、ありがとうなのだ月詠ちゃん~!」
夏朝は表情は変わらないものの、心からの感謝を言葉に乗せて。真央はいつものように元気いっぱい、全身で喜びを表現します。
何となく、そんな気分だから。焼き物を作りたくなったのは、その程度の理由ではありましたものの……友人たちの喜ぶ様をこうして見られるのは、実際、悪くはないのです。
夏の日に。月詠は改めて、創作することの喜びを、そっと胸へと抱いたのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年07月07日
参加申し込みの期限
2014年07月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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