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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
鏡の中の、あなた。
●矢萩 咲の場合
風紀委員でもある咲がここを訪れたのは、こんなくだらない噂話に惑わされて夜の校舎に訪れる愚か者を注意する為だった。その為に見回りをしていたと言うのに……何故、今自分の目の前に鏡があるのか――。
そしてもう一人の自分が姿を現す。それは確かに咲そのものであったが、着ている服は咲が絶対に着ないような露出度の高いキャミソールワンピースだった。
破廉恥な、そう咲が思った瞬間。もう一人の自分が咲を押し倒すような形で組み伏せた。そして咲を見下ろしながら、妖艶に微笑みかける。
『こんばんは、咲。私は貴女が深層心理に隠した本当の咲……これが貴女が望んでる姿よ、私』
「何を言って……っそんな破廉恥で風紀を乱す格好など、咲は望んでなどいない！ ひゃっ！ どこを触っている！」
もう一人の自分の手は、咲の身体を確かめるように触り続ける。あの頃と、何一つ変わっていないのだとでも言うように。
『つれないわね、そんな声を出しちゃうくらいに疼いてる癖に……そんなに破廉恥な事は嫌？こんなに望んでいるのに……昔の自分を思い出しちゃう？ それとも……マサヨシさんの事を思い出しちゃう？』
「あの男の事は言うな！！」
その名を聞いた瞬間、組み敷かれたままの咲はもう一人の自分を跳ね除け、憎悪に満ちた視線を向ける。そんな咲の視線にも動じず、もう一人の自分はまるで歌うように言葉を続けた。
『マサヨシさんも可哀想ね。せっかく咲に剣道と初恋、キスの仕方……それに男の喜ばせ方を調教して教え込んでくれたのにねぇ？ 蛇蝎の如く嫌われて……』
「黙れ！ 咲を……騙して弄んだ外道の話など……っ！ だからこそ咲はあの男に天誅を下してやったんだ！ 咲みたいな人をこれ以上増やさない為に！」
咲の脳裏で、思い出したくもない過去がフラッシュバックする。仕方なかった、仕方なかった、仕方なかった。あの時の自分に、他に何が出来たのか。
『あはは！ 何を被害者ぶってんの？ 貴女知ってて受け入れたんじゃない。幼かった恋心……なんて言い訳が通用するとでも思ってるの？ 貴女はただキモチイイコトに溺れて、その結果に責任を持たなかった酷い女じゃない。……可哀想ね、あの子が』
咲を嘲笑するかのようにもう一人の自分が笑う。けれど最後に発したその言葉には、憐憫がなかっただろうか。咲はその事には気付かないまま、ただ怒りのままにろっこんの力で全てを吹き飛ばしていた。
「あの子の事は言うな……っあの子の事は……！！」
誰もいない、静寂の戻った踊り場に咲の切ない声と嗚咽が響く。
暫くして咲が顔を上げると、何もかも吹き飛ばしたと思っていたけれど校舎には傷一つなく、夢だったのだろうかとぼんやりと思う。けれど、もう一人の自分に触られた身体は仄かに熱く、それが夢ではないのだと咲に教えていた。
いつまでも座り込んでいる訳にもいかず、咲は帰る為に立ち上がる。ゆっくりと歩き出した咲の脳裏に、最後に言われた言葉が蘇る。その言葉は咲の心に消えない棘として突き刺さっていた。
「ごめんなさい、許して……―――あげられなくて」
最後に呟いた言葉は声にならず、そのまま夜の空気へと消えていった。
家路に着き、すぐに眠りに付く者。
カメラの映像を確認し、何も写っていない事に落胆する者。
学校へ匿名の投書をしたため、不法侵入への注意を促そうとする者。
ねこったーで報告する者。
行って良かったと思う者。
行かなければよかったと後悔した者。
もう一人の自分と出会い、何を感じ何を思ったのか。それは人それぞれなのだろう。
そして不思議な夜は終わり、やがていつものフツウが訪れるのだ。
風紀委員でもある咲がここを訪れたのは、こんなくだらない噂話に惑わされて夜の校舎に訪れる愚か者を注意する為だった。その為に見回りをしていたと言うのに……何故、今自分の目の前に鏡があるのか――。
そしてもう一人の自分が姿を現す。それは確かに咲そのものであったが、着ている服は咲が絶対に着ないような露出度の高いキャミソールワンピースだった。
破廉恥な、そう咲が思った瞬間。もう一人の自分が咲を押し倒すような形で組み伏せた。そして咲を見下ろしながら、妖艶に微笑みかける。
『こんばんは、咲。私は貴女が深層心理に隠した本当の咲……これが貴女が望んでる姿よ、私』
「何を言って……っそんな破廉恥で風紀を乱す格好など、咲は望んでなどいない！ ひゃっ！ どこを触っている！」
もう一人の自分の手は、咲の身体を確かめるように触り続ける。あの頃と、何一つ変わっていないのだとでも言うように。
『つれないわね、そんな声を出しちゃうくらいに疼いてる癖に……そんなに破廉恥な事は嫌？こんなに望んでいるのに……昔の自分を思い出しちゃう？ それとも……マサヨシさんの事を思い出しちゃう？』
「あの男の事は言うな！！」
その名を聞いた瞬間、組み敷かれたままの咲はもう一人の自分を跳ね除け、憎悪に満ちた視線を向ける。そんな咲の視線にも動じず、もう一人の自分はまるで歌うように言葉を続けた。
『マサヨシさんも可哀想ね。せっかく咲に剣道と初恋、キスの仕方……それに男の喜ばせ方を調教して教え込んでくれたのにねぇ？ 蛇蝎の如く嫌われて……』
「黙れ！ 咲を……騙して弄んだ外道の話など……っ！ だからこそ咲はあの男に天誅を下してやったんだ！ 咲みたいな人をこれ以上増やさない為に！」
咲の脳裏で、思い出したくもない過去がフラッシュバックする。仕方なかった、仕方なかった、仕方なかった。あの時の自分に、他に何が出来たのか。
『あはは！ 何を被害者ぶってんの？ 貴女知ってて受け入れたんじゃない。幼かった恋心……なんて言い訳が通用するとでも思ってるの？ 貴女はただキモチイイコトに溺れて、その結果に責任を持たなかった酷い女じゃない。……可哀想ね、あの子が』
咲を嘲笑するかのようにもう一人の自分が笑う。けれど最後に発したその言葉には、憐憫がなかっただろうか。咲はその事には気付かないまま、ただ怒りのままにろっこんの力で全てを吹き飛ばしていた。
「あの子の事は言うな……っあの子の事は……！！」
誰もいない、静寂の戻った踊り場に咲の切ない声と嗚咽が響く。
暫くして咲が顔を上げると、何もかも吹き飛ばしたと思っていたけれど校舎には傷一つなく、夢だったのだろうかとぼんやりと思う。けれど、もう一人の自分に触られた身体は仄かに熱く、それが夢ではないのだと咲に教えていた。
いつまでも座り込んでいる訳にもいかず、咲は帰る為に立ち上がる。ゆっくりと歩き出した咲の脳裏に、最後に言われた言葉が蘇る。その言葉は咲の心に消えない棘として突き刺さっていた。
「ごめんなさい、許して……―――あげられなくて」
最後に呟いた言葉は声にならず、そのまま夜の空気へと消えていった。
家路に着き、すぐに眠りに付く者。
カメラの映像を確認し、何も写っていない事に落胆する者。
学校へ匿名の投書をしたため、不法侵入への注意を促そうとする者。
ねこったーで報告する者。
行って良かったと思う者。
行かなければよかったと後悔した者。
もう一人の自分と出会い、何を感じ何を思ったのか。それは人それぞれなのだろう。
そして不思議な夜は終わり、やがていつものフツウが訪れるのだ。
あとがき
担当マスター：
加持蜜子
ファンレターはマスターページから！
お待たせ致しました、「鏡の中の、あなた」リアクションお届けします。
不思議な夜のひと時は如何だったでしょうか。
それぞれの物語を紡ぐ事ができて、とても楽しかったです。
皆様のＰＣさんの想いを描けているでしょうか、少しでも楽しんで頂けたなら嬉しく思います。
この度はご参加ありがとうございました。
また違うシナリオでお会いできれば嬉しいです。
不思議な夜のひと時は如何だったでしょうか。
それぞれの物語を紡ぐ事ができて、とても楽しかったです。
皆様のＰＣさんの想いを描けているでしょうか、少しでも楽しんで頂けたなら嬉しく思います。
この度はご参加ありがとうございました。
また違うシナリオでお会いできれば嬉しいです。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2014年07月02日
- 参加申し込みの期限
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- 2014年07月09日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2014年07月09日 11時00分
