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夏のマヨイガ
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・
八神 修
の場合
「ねえねえ修ちゃん、ゴハンおかわりしてもいいかなぁ?」
茶碗を空にした
後木 真央
が、調理場のほうを見ながら聞いてくる。
「早いな。もう食べたのか」
「うん、だってこのゴハンすごく美味しいのだ! ゴハンだけじゃなく、キノコと豆腐の味噌汁も、ノビルのぬたも、ナス田楽も、イワナの塩焼きも、お漬物も、全部うまうまなのだ!」
真央の言う通り、たしかにどの料理も美味しい。寮住まいの自分たちにとってこういう田舎料理を食べる機会はあまりないので、なおさらだった。
「まあ、いいんじゃないか。どうせ夢の中だし、そもそもこの家、誰もいないし」
やった、と嬉しそうに言い、真央が飯釜のほうへと走っていく。その後ろ姿を見ながら、
八神 修
はまだ熱いみそ汁を口に入れた。
その時、ニャン、とミルクが泣いた。修が買っている猫だが、一緒に寝ていたせいか夢の中までついてきてしまった。
「それにしても不思議な家なのだ。たくさん歩き回っても誰もいないし、いったい誰がこれだけが料理を作ったのだ?」
戻って来ると、目の前に並べられた料理を見ながら真央が言う。
「誰がってわけじゃないと思う。ここがマヨイガなら、家自体が妖怪みたいなものだからな。まあ、本当に民間伝承のマヨイガならだけど」
「妖怪……つまり真央ちゃんたちは今、妖怪のお腹の中にいるってこと? うーん……あんまり良い気持ちはしないのだ」
「心配せずとも、悪いことは起こらないさ。これだけ歩き回っても別に何も起こらなかっただろ?」
この屋敷の中の見知らぬ部屋で目覚めたのは、つい一時間ほど前。なぜか真央が同じ部屋にいて、自分も真央もそれぞれの寮で寝ていたはずということで、これが夢だと気付いた。
それから、真央が家の中を探検しようと言い出し、二人で歩き回ることにした。なぜか真央がデジカメやインスタントカメラを持っていて、部屋に入るたびに、真央はすごいすごいと興奮気味にシャッターを切っていた。
「うん、たしかに。逆にすごく珍しい物があって、楽しかったのだ。たくさん写真も撮れて、新聞部のNMRのネタにできるのだ」
「マヨイガは迷い込んだ人に幸運を与えてくれる。楽しく探検できてるのも、そしてこの料理も、その幸運のおかげなのかもな」
ここが民間伝承で知られるマヨイガではないかと思ったのは、この家がどうやら無人であることがわかった時だった。以前に読んだ、民俗学について書かれた本の中にマヨイガの話があったのだ。
「それなら、妖怪さんに感謝しなきゃならないのだ」
「そうだな。最後にちゃんとお礼言わないとな。真央が持ってるペンで、この家へのお礼の手紙を書いておくのもいいかもしれない」
「うん、お礼するのだ!」と笑顔で真央が言う。
やがて、すべて料理を食べ終えた。どれも味が良くて、ついつい食べ過ぎてしまった。それでも、長く休むつもりはない。いつまでもここにいられるわけじゃないから。
「ふう、満腹したのだ。ご馳走さまなのだ♪」
「さて、それじゃあ探検の続きをやるとするか。いつ目が覚めちゃうかわからないしな」
「うん!」
立ち上がり、ミルクを抱いて、真央と二人で台所を出る。
それからまだ探索していない方向へと、二人並んで廊下を歩いた。ウズウズと駆け出したそうにしているミルクに、「さっきみたいに迷子になるから下りちゃ駄目なのだ」と、真央が釘を刺していた。
・
後木 真央
の場合
台所で食事をした後も、真央は修と共に不思議な家の中を探索した。まだ行っていない部屋を調べて、屋根裏や地下と場所にも足を踏み入れた。
屋根裏は薄暗く、大小の箱がいくつも置かれていて、中には古い和服や、読めそうもない文字で書かれた昔の書物などが入っていた。「江戸時代あたりのくずし字っぽいな」と修が教えてくれたけど、ひどく汚れていることもあり、書物の内容解読までは難しそうだった。
その後で行った地下には、大きな井戸があった。屋根裏と同じく薄暗いせいで底のほうは全然見えなくて、「どうしてこんなに大きいのだ?」と尋ねると、「もしかしたら人を捨ててたのかもな」と修が怖いことを言ったので、あまり長居はせずに地下を後にした。
それからも探索を続け、そしてやがて、書庫のような部屋にたどり着いた。
「すごい、本がたくさんあるのだ。……でもやっぱりどれも読めそうにないのだ」
「うーん……こんなことなら、くずし字をちゃんと学んでおくんだったな。ん……?」
そこで不意に、修が一冊の本に手を伸ばした。
「これは……」
「どうしたのだ?」
「これ……俺のアルバムだ」
「えっ、修ちゃんのアルバム!?」
「間違いない。ほらこれ、俺が子供の頃の写真だ」
「うわぁ、小さい頃の修ちゃん、可愛いのだ。あれ……でも修ちゃん、今と目の色が違うのだ」
「……」
急に修が黙り込む。それからおもむろに、彼は自分の瞳の辺りに手をやった。
すると突然、修の瞳の色が青色に代わった。
「言ってなかったけど、俺、カラコンつけてるんだよ。クオーターで、本当は青目なんだ。そのうち、人工虹彩を挿れるつもりだ。本来、八神の家に碧眼がいるはずがないから」
「そうだったのだ……」
なんとなく修の口調が少し重いものに感じられて、真央もなんだか神妙な気持ちになってしまった。
だけどそれに反して、すぐに修は笑顔になった。
「このことは内緒な」
そして、笑顔のままそう言われる。
「うん、わかったのだ。内緒にするのだ」
真央も笑顔になって、指を差し出した。こちらの意図に気付いたのか、すぐに修が指を絡ませてくる。
「指切りげんまん、嘘ついたらハリセンボン飲~ます。指切った!」
それから声をそろえて、そんなふうに指切りをした。
「そのアルバム、貰っていくの?」
「ああ、そうするよ。この家が俺に与えてくれたものなんだろうし。こんな物までくれるなんて、本当にありがたいな」
「じゃあ、ここで家にお礼をするのだ」
真央は、持っていたメモ帳とペンを差し出した。修はそれを受け取ると、ノートに食事する2人の漫画絵で書き『ごちそうさまでした。ありがとう』と太字で絵手紙風にしてそばの机へと置いた。
それから、真央もこの家への手紙を書いた。
『すごくすごく楽しかったのだ! 楽しい時間をありがとうなのだ!』という素直な思いを、真央は文字にした。
※
そこで、夢は終わった。目が覚めたのは猫鳴館の、自分の部屋。
何も変わらない、いつも通りの朝だった。
目覚めて数分後、修から電話がかかってきた。そこで話したところによると、どうやら修も同じ夢を見ていたようだった。
「そういえば、アルバムはちゃんと持ってこれた?」
「ああ、起きたら枕元にあったよ。大事に机の奥にしまっておいた」
「よかったのだ」
「それより、指切りの約束を忘れるなよ」
「わかってるのだ。ちゃんと秘密にしておくのだ」
それからも夢の話を続けて、やがて話も尽きた頃に、「楽しかったな」と最後に修が言った。
「うん、楽しかったのだ」
本当に楽しかった。あの家のおかげで、本当に楽しい時間を修と過ごせた。
ありがとうと、受話器を握りながら、真央はもう一度心の中であの家にお礼を言った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
北見直弥
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月30日
参加申し込みの期限
2014年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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