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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
Night aquarium
イルカショーも中盤を過ぎ、そろそろクライマックスを迎えようとしていた。
幻想的な光の中で泳ぐイルカを見て橘 千歳がまるで子どものような顔で楽しんでいるのを、御剣 刀はそっと横目で確認して自分も笑う。
いつもと違う表情が眩しく感じるのはライティングのせいだろうかと考えていると、イルカが大きくジャンプをしてその水飛沫が飛んでくる。咄嗟に手を伸ばして千歳にかかるのをガードした。
「大丈夫か？ 千歳。水、かからなかったか？」
「えぇ、大丈夫よ。それより刀君の方が濡れてるわ」
少し吃驚した様子の千歳が慌てて鞄の中から白いハンカチを取り出して、そっと引こうとした刀の腕にかかった水を拭いた。
「いいよ、ハンカチが汚れるだろ？」
「ハンカチは拭く為にあるのよ、それに私を庇ってくれたんだからこれくらい当然でしょう」
他に濡れてるところがあったら拭いてと半ば強引にハンカチを渡され、刀はそれを受け取る。
「今度洗って返すよ」
「いいわよ、気にしないで」
律儀な刀に千歳が笑う。いつもクールな千歳の笑顔が柔らかく感じるのは、イルカのお陰だろうか。やっぱり誘ってよかったと刀は声には出さずに微笑んだ。
「やっぱ前の方でみるイルカショーは圧巻よねー！」
「そうねー、なんだか童心に戻るっていうか……はしゃいじゃうわよね。まぁそれにしてもなんて言うか……やっぱり予想通りカップルばっかりね」
「それは言わないお約束よ美鶴……」
藤谷 美鶴の言葉に三ッ川 真衣が目を細めて遠くを見る。
お互い彼氏の一人や二人いない方が不思議なくらいなのだが、美鶴は医者という職業柄か忙しくそんな暇はなさそうだったし、真衣はその男前な性格のせいか中々そういう仲に発展しない。
そこを乗り越えてきてくれる男性がいれば……なんてお互いふざけて笑う事もしばしばだ。
「でもやっぱり若いっていいわよねー」
「やめてよ、しみじみ言わないで」
何人か顔見知りの高校生を見つけていた美鶴がそう言うと、真衣がデコピンの姿勢を見せる。慌ててゴメンとポーズを作ると、真衣が仕方ないなと笑った。
キューイ！というイルカの鳴き声に真衣と美鶴が改めてステージを見ると、イルカが大ジャンプを決めようとする直前。わぁっという歓声と共にイルカが宙を舞い、見事な回転ジャンプを見せ……そして。
「きゃー！」
「あははは！」
イルカの着水によって水飛沫を浴びる。美鶴と真衣だけではなく、自分達の周辺にいた人達からも同じ様な声が上がっていた。
神条 誠一と鴇波 羽衣もその例に漏れず、水飛沫を受けていた。
「……すごかったね！！ 誠一くんも今の見たよね、体操の選手みたいにくるくるって回ってたよ！ ちょっと吃驚しちゃったけど、楽しかった……！」
結構な水飛沫を受けた羽衣はそれを気にするよりイルカのジャンプのすごさの方が勝ったのか、誠一に身振り手振りを加えて話しかける。
「そうだな、本当にすごいジャンプだった。しかしその……」
羽衣の衣服が水で透けている、とまでは言えなかった。おそらく羽衣は気が付いていないのだろう、わざわざ言葉にして彼女に恥ずかしい思いをさせる事はない。
それにプールの水は海水だろう、少しベタついているし濡れたままではいくら夏とはいえ風邪を引いてしまうかもしれない。そこまで考えて、ふと辺りを見ると係員がタオルの貸し出しを行っているのが見えた。帰り際、ゲートをくぐる時に返却すればいいらしい。
羽衣に断りを入れると、すっと立ち上がってタオルを借りてその足で自販機に向かうと水を買う。そして羽衣の元に戻ってくると、タオルに水を含ませて羽衣の髪を優しく拭いてやった。
「せ、誠一くん！？ あ、あのあの、じ、自分でできるよ……っ」
「あ、あぁ……悪い。俺がやった方が早いかと思って」
迷惑だったか？と問われて羽衣はぶんぶんと首を振る。迷惑なんかじゃない、迷惑どころか嬉しくて死んでしまいそうで羽衣は受け取ったタオルに顔を埋めてしまいそうになるのを抑えて濡れている肌を拭いた。
「羽衣、これを」
「は、はい！」
すっと渡されたパーカーを受け取り、羽衣が首を傾げる。
「風邪を引くといけないから、着ておけよ」
「で、でも誠一くんだって同じだよ？」
「俺は大丈夫、いいから……早く着ないと置いてくぞ」
ほんの少しだけ羽衣から視線を逸らして誠一が冗談半分でそう言うと、羽衣が慌てて誠一から受け取ったパーカーを羽織った。
「ありがとう、誠一くん」
「気にするな、それじゃ行こうぜ」
借りたパーカーは少し暖かく、隣を歩く誠一と同じ匂いがして羽衣は自分には大きいそのパーカーの袖口をぎゅっと握った。
幻想的な光の中で泳ぐイルカを見て橘 千歳がまるで子どものような顔で楽しんでいるのを、御剣 刀はそっと横目で確認して自分も笑う。
いつもと違う表情が眩しく感じるのはライティングのせいだろうかと考えていると、イルカが大きくジャンプをしてその水飛沫が飛んでくる。咄嗟に手を伸ばして千歳にかかるのをガードした。
「大丈夫か？ 千歳。水、かからなかったか？」
「えぇ、大丈夫よ。それより刀君の方が濡れてるわ」
少し吃驚した様子の千歳が慌てて鞄の中から白いハンカチを取り出して、そっと引こうとした刀の腕にかかった水を拭いた。
「いいよ、ハンカチが汚れるだろ？」
「ハンカチは拭く為にあるのよ、それに私を庇ってくれたんだからこれくらい当然でしょう」
他に濡れてるところがあったら拭いてと半ば強引にハンカチを渡され、刀はそれを受け取る。
「今度洗って返すよ」
「いいわよ、気にしないで」
律儀な刀に千歳が笑う。いつもクールな千歳の笑顔が柔らかく感じるのは、イルカのお陰だろうか。やっぱり誘ってよかったと刀は声には出さずに微笑んだ。
「やっぱ前の方でみるイルカショーは圧巻よねー！」
「そうねー、なんだか童心に戻るっていうか……はしゃいじゃうわよね。まぁそれにしてもなんて言うか……やっぱり予想通りカップルばっかりね」
「それは言わないお約束よ美鶴……」
藤谷 美鶴の言葉に三ッ川 真衣が目を細めて遠くを見る。
お互い彼氏の一人や二人いない方が不思議なくらいなのだが、美鶴は医者という職業柄か忙しくそんな暇はなさそうだったし、真衣はその男前な性格のせいか中々そういう仲に発展しない。
そこを乗り越えてきてくれる男性がいれば……なんてお互いふざけて笑う事もしばしばだ。
「でもやっぱり若いっていいわよねー」
「やめてよ、しみじみ言わないで」
何人か顔見知りの高校生を見つけていた美鶴がそう言うと、真衣がデコピンの姿勢を見せる。慌ててゴメンとポーズを作ると、真衣が仕方ないなと笑った。
キューイ！というイルカの鳴き声に真衣と美鶴が改めてステージを見ると、イルカが大ジャンプを決めようとする直前。わぁっという歓声と共にイルカが宙を舞い、見事な回転ジャンプを見せ……そして。
「きゃー！」
「あははは！」
イルカの着水によって水飛沫を浴びる。美鶴と真衣だけではなく、自分達の周辺にいた人達からも同じ様な声が上がっていた。
神条 誠一と鴇波 羽衣もその例に漏れず、水飛沫を受けていた。
「……すごかったね！！ 誠一くんも今の見たよね、体操の選手みたいにくるくるって回ってたよ！ ちょっと吃驚しちゃったけど、楽しかった……！」
結構な水飛沫を受けた羽衣はそれを気にするよりイルカのジャンプのすごさの方が勝ったのか、誠一に身振り手振りを加えて話しかける。
「そうだな、本当にすごいジャンプだった。しかしその……」
羽衣の衣服が水で透けている、とまでは言えなかった。おそらく羽衣は気が付いていないのだろう、わざわざ言葉にして彼女に恥ずかしい思いをさせる事はない。
それにプールの水は海水だろう、少しベタついているし濡れたままではいくら夏とはいえ風邪を引いてしまうかもしれない。そこまで考えて、ふと辺りを見ると係員がタオルの貸し出しを行っているのが見えた。帰り際、ゲートをくぐる時に返却すればいいらしい。
羽衣に断りを入れると、すっと立ち上がってタオルを借りてその足で自販機に向かうと水を買う。そして羽衣の元に戻ってくると、タオルに水を含ませて羽衣の髪を優しく拭いてやった。
「せ、誠一くん！？ あ、あのあの、じ、自分でできるよ……っ」
「あ、あぁ……悪い。俺がやった方が早いかと思って」
迷惑だったか？と問われて羽衣はぶんぶんと首を振る。迷惑なんかじゃない、迷惑どころか嬉しくて死んでしまいそうで羽衣は受け取ったタオルに顔を埋めてしまいそうになるのを抑えて濡れている肌を拭いた。
「羽衣、これを」
「は、はい！」
すっと渡されたパーカーを受け取り、羽衣が首を傾げる。
「風邪を引くといけないから、着ておけよ」
「で、でも誠一くんだって同じだよ？」
「俺は大丈夫、いいから……早く着ないと置いてくぞ」
ほんの少しだけ羽衣から視線を逸らして誠一が冗談半分でそう言うと、羽衣が慌てて誠一から受け取ったパーカーを羽織った。
「ありがとう、誠一くん」
「気にするな、それじゃ行こうぜ」
借りたパーカーは少し暖かく、隣を歩く誠一と同じ匂いがして羽衣は自分には大きいそのパーカーの袖口をぎゅっと握った。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2014年06月14日
- 参加申し込みの期限
-
- 2014年06月21日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2014年06月21日 11時00分
