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ネコミュージックフェスティバル in SUMMER!
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まさか、と言いたくなる事態は誰にでも起こりうる。
それにしてもここで改めて、まさか、と言いたくなる。
唐沢 一也
の正直な心情だ。
まさか、自分たちのバンド『lie』が、フェスティバルのヘッドライナー、すなわち大トリを務めることになるなんて!
言うまでもないことだがヘッドライナーはすべてのバンドの頂点、それだけに責任は超がつくほど重大だ。そのアクトの出来次第で、フェスティバルそのものの評価が決まってしまうと言っても過言ではない。
実はステージ登場順は抽選で決まったものであり、誰かが意図を持って定めたものではないとはいえ、そんな事実を知っている者はそう多くはない。大半のオーディエンスは、『lie』こそ選びぬかれたメインアクトだと思っていることだろう。
しかもその登場順が、あの『月曜日の野良猫』の直後なのである。
月曜日の野良猫は現在、圧倒的なまでのパフォーマンスを展開していた。
疾風怒濤にして縦横無尽、それこそ、台風のように暴れ狂っている三人の『野良猫』らの後に登場し、興奮と狂乱が過ぎ去って荒野のようになった聴衆を、再び熱くすることができるのか。
待っているのは冷たいブーイングだけではないのか。
その上『lie』にとっては、こんな大舞台は初めてなのである……! そのプレッシャーたるや並大抵のものではなかろう。
しかしそのときはもう目の前だ。
もうすぐ野良猫のライブは終わる。
神無月 ひふみ
は舞台袖から、メインステージで繰り広げられる月曜日の野良猫のライブを観ている。
アリーナ最前列にはすでに、『lie』の服装を真似た熱心なファンが混じっていた。彼らの高い忠誠心は、バンドにとって頼もしい援護射撃になることだろう。
だがそれはあくまで少数派、圧倒的多数は、lieのことをほとんど(ないし、まったく)知らない一般客である。なかには、「え? この後まだバンドが出るの? これで終わりじゃないの?」などと失敬なことを言う者もあるだろう。
ひふみはlieのファン中のファンだ。バックステージに招待され、ステージ上のライブと客席、そして、バックで準備中の一也たちを交互に見ていた。
「……一也、あのアリーナはいわば試練場、私はできるだけのことはやった。あなたとバンドは、それにどこまで応えてくれるの……?」
ひふみの呟きは、一也に直接届けたものではない。期待と不安を半々にして、返事を求めず問いかけたものに過ぎない。しかもそれは、
樋口 弥生
が上げる轟音のようなギターにかき消されていた。
ひふみが今できるのは待つことだけだ。彼女自身がいみじくも言ったように、もうひふみは、できるだけのことはやり終えたのである。
一也のバンドがネコフェスに出ると知ったとき、ひふみはすぐに言った。
「だったら手伝わせて頂戴」
と。
以前は代役に立ったこともあるlieの晴れ舞台だ。どうしても、なにかせずにはいられなかった。
フェスティバル当日の日中、ひふみはずっと会場にいて、lieを宣伝するビラを配布した。ビラの印刷代は自腹、配るのだって、完全無償奉仕のボランティアだ。
理由は一つだけ、一人でも多くの人に一也たちの音楽を聴いてほしいと思ったから。
とりわけ若い世代、とくに寝子高生には積極的に配布するよう努めた。
今日、ひふみが身にまとうタイトな衣装もすべて、lieの宣伝を狙ってのものだ。
マイクロミニのゴシックパンクファッション、惜しげもなくさらした長い脚はとてつもなく挑発的で、lieというバンドの先鋭性を象徴しているかのようである。。切り揃えた前髪にクールな目元という整った顔立ちも相乗効果となって、どこのモデル事務所から来たのかというほど決まっていた。
こんなロックビューティを、不逞のナンパ連中どもが放っておくわけはなかった。安っぽい男が次々ひふみに声をかけるも、彼女はそれをとっておきの笑顔でいなすと、代わりにその手にはビラを渡すのだった。
その成果があってか、客席にはちらほらとだがビラを握る姿を見ることができた。
このとき、月曜日の野良猫のライブが終わった。
鳴り止まぬアンコールに「ごめん、もう時間だから」とやんわり断りを入れ、きらめく汗を手の甲で拭いながら樋口弥生がステージ袖に戻ってきた。
弥生はlieのメンバーに気がつくと片手を挙げる。
「お客さんあっためておいたから」
頑張って、と微笑むと、彼女はその掌を一也に向けたのである。
いわゆる皮肉な口調ではない。弥生は『lieのオープニングアクト』(前座)として、やれることはやったよと伝えたのだ。バンドは違えど同じミュージシャンとして、エールを送った格好、さすがバンド歴が長いだけはある。
弥生の手をパンと叩き返したとき、やにわに一也の迷いは晴れた。
同時に生まれたのは、羨望でも焦燥でも緊張でもなく、これから待ち受けるものへの期待であった。
「楽しくなってきた!」
緊張していてもヘッドライナーであることは同じだ。
怯えていても、ステージも客も待ってはくれない。
それよりも、自分たちのありのままを見せるほうがよっぽどいいではないか。
普段の実力が出せればそれでいい。実力以上に見せる小細工はできないし、逆に、萎縮して実力未満のステージに終われば未練だけが残ろう。
心は決まった。
クールに熱く情熱的に、それがヴィジュアル系バンド『lie』だ。それ以外の何者でもない。
そんな一也の変化を待っていたかのように、ひふみは舞台袖から離れて彼に声をかけた。
「喉、湿らせておいたら?」
差し入れのスポーツドリンクを渡す。
「それとこれは、ステージが成功するようおまじない」
一也の空いている側の手を上からぎゅっと握りしめ、パワーを分け与える。
そうして彼女は睦言のように、彼の耳に唇を寄せて囁いたのだった。
「ねえ一也、ステージが終わったら二人きりで話したいの。……ちょっとでいいから時間をとってくれる?」
月曜日の野良猫がステージを離れてから、すでに十数分が経過していた。
長い間は期待を煽ると同時に、ひりひりするほどの焦燥をもたらす。
「お客さんいっぱいだね!」
佐々 寿美礼
もバックステージ端から、ひふみと同じく客席を眺めていた。
月曜日の野良猫がステージを降りると同時に、アリーナから立ち去る客がいたこと、それは残念ながら事実だ。
といっても、まだかなりの数がそのまま居残っている。
そればかりか、「間に合った」と言って駆けつけてくる少女たちも見られた。野良猫の出番はもう終わったのだから、彼女らがlieに間に合ったと言っているのは明白だ。その手に、寿美礼がひふみたちと配ったビラがあることも、寿美礼の胸を熱くしていた。
「楽しそうだから来たんだけど、一生懸命宣伝した甲斐があったよ……!」
「ああ」
多少なりともナーバスになっているのか、
佐々 藤寿
の応答は短い。
藤寿にとっては、五月に張り紙を見てバンドに加入してから初めての大会場でのライブだ。大会場? いや、超特大といっていい。いわば、少年野球で投げはじめたばかりのピッチャーが、突如メジャーリーグのスタジアムに上げられたかのよう。
しかし藤寿は気後れしない。むしろ闘志を燃やしていた。
この日を目指して練習してきたんだからな、絶対に成功させてやる。
そう思っている。
一途に、思っている。
思ってい……。
「お兄ちゃん!」
「うお!?」
急に寿美礼に大声を出され、藤寿は目を白黒させた。
「もうみんなスタンバイできたみたいだよ」
寿美礼はビー玉みたいな曇りのない瞳で彼を見上げている。
「わ……わかってる。あと寿美礼、『お兄ちゃん』呼びはやめろ!」
恥ずかしいので、という言葉は胸にしまっておく。
少し邪険にしすぎたか、声を上げてから藤寿はわずかに後悔したが、寿美礼はさして気にしていないらしい。とっておきの笑顔を見せてくれたのである。
「じゃあ藤兄、いいところ見せてよ」
「任せとけ!」
寿美礼がいてくれることに心強さを感じながら、藤寿は白い歯を見せた。
藤寿が視線を向けたのは、最後に入った公式メンバー
日暮 ねむる
だ。
藤寿がうなずくのを観て、ねむるもコクコクとうなずきを返す。
目の前には一也の背中。ステージにいざなうは藤寿。
ねむるは目をこすった。
正直、今でも夢なんじゃないかって思うときがある……。
なぜならねむるにとって、lieというバンドは憧れの存在であって、客席から見上げる対象であったからだ。これまでずっと。
lieのライブには何度も通った。当然、インディーズから出ているCDも持っている。
彼らの音楽のファンとして、彼らを常に追いかけてきた。
本当につい最近まで、ねむるはただのファンだった。
「そんな僕が、彼らと一緒に今……ステージに立つんだなんて!」
小声で言葉にする。
やはり夢かもしれない。だが夢であっても存分に楽しみたい。悔いのないように。
ねむるは楽器の最終チェックを行っていた。
キーボードに関しては心配はないが、気になるのは自動演奏用のドラムマシンだ。この演奏プログラムだけは本番になったらもう触りようがない。慎重に再チェックする。
そんなねむるの横顔を、
花風 冴来
はちらちらと見ていた。
じっと見つめたりはしない。彼に無用な緊張を与えてしまうかもしれないから。
いや、本当は、真剣な彼の眼差しに見とれそうになるから……?
冴来の白い頬に、控えめな薔薇色がほんのりと咲く。
今日はここまで、彼女もひふみ、寿美礼とともに、自主的なlieの応援スタッフとして活躍した。ビラ配りのひとつひとつ、音響調整のひとつひとつ、そのすべてに心を込めて従事した。
真昼のビラ配りは精神的にも体力的にもこたえるものであった。フライパンの上にいるような暑さをこらえ、笑顔で宣伝を行うのである。素っ気なくされても、目の前でビラを丸められゴミ箱に放り捨てられても、笑顔を崩すことはない。
嫌々やっているルーティンワークではこうはいかないだろう。
好きだから、信じているから、できる。
しかもそれは自分のためじゃなく、ひふみ、そしてlieというバンドのためだ。
このライブで一人でもlieのファンが増えますように……。
冴来の願いはただ、そのことだけ。
「冴来さん」
「え?」
冴来は息を飲んだ。
ねむるが冴来の顔を正面から見つめていたのだ。
「それじゃ行ってくる……から」
「うん……がんばって」
「冴来さん、真剣な顔してるね。まるで、冴来さんも一緒にステージに上がるみたいに」
と言って、ねむるは笑みをこぼした。
「冴来さんには、たまには何も考えず発散する機会も必要……そう思ってたんだけど、僕たちのことずっと手伝ってくれて……」
「ごめんなさい、でも……」
冴来はずっと考えていた。
考えながらビラを配り、機材の調整を手伝った。
幸せとは何か。
私はどうするべきなのか……。
そんなことを考えた。
舞台に立つ皆は強い、そう冴来は思う。
舞台に立つというのは、賞賛を得るということと同時に、批判も得るということだからだ。
勇気がないと、できない……。
そんな想いが、ねむるの言う『真剣な表情』として表に出たのかもしれない。
しかし、
「ありがとう」
ねむるは言った。彼はステージ衣装の帽子を被る。そうしてさらに告げたのは、いみじくもその『勇気』のことだった。
「僕は、冴来さんのおかげで、ステージに立つ勇気が出たよ」
そうしてねむるは、空の星のような笑みだけそこに残して藤寿を追ったのである。
「よし、時間だ!」
一也は藤寿、ねむると共にステージ……メインステージのしかも大トリのポジションへと出ていく。
「今日はステージを俺たちの色で染めてやろうぜ!」
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
91人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月09日
参加申し込みの期限
2014年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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