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●メインステージ:グランドフィナーレ
やがて陽が完全に没し、宵闇のペールブルーが星空へと変化しはじめたころ。
添木 牡丹
はパイプ椅子に身を預け、ほっと一息ついていた。
さすがに熱中症で運ばれてくる人はなくなった。怪我人などはそれでもあるから楽観視はできないが、日中のあの狂騒は、もう終わったといっていい。
救護スタッフも手空きになってきた。とくにこのときは、たまたまながら患者がゼロであった。
まるでそれを見越していたかのように、
鷲尾 礼美
が声をかけてきた。
「添木さん、上がってもらっていいわよ。もう人手は足りているから、ステージでも観に行ったらどう?」
待ってました、ぴょんと立ち上がって牡丹は頭を下げた。
「鷲尾先生お疲れ様でした。せっかくですし、樋口先生のライブの様子……見てきませんか?」
でも、と言う礼美の手をナチュラルに取って、
「ちょっとだけ、ちょっとだけならいいじゃないですか? せっかくの夏の野外音楽フェス、思い出の一つくらい作ったって」
「……思い出、ねえ。じゃあ少しだけ」礼美はふっと目尻を下げた。
そう、それは夏の思い出。
牡丹にとっても、ちょっとした師弟デートという貴重な思い出になるだろう。
ステージはここから目と鼻の先だ、礼美は残ったスタッフにことわりを入れて、牡丹と一緒に小走りで救護テントを出るのだった。
ステージに上がったのはバンド『月曜日の野良猫』。
アマチュアではあるが数々の伝説を成し遂げた強力なライブアクトであり、今夜はそのステージを観るためだけに、会場に集まった観客も少なくないという。
なにせ、凄味がある。
ボーカリスト、ドラマー、ギタリスト。バンドのメンバーはこの三人のみ。トリオ編成だ。
そのシンプルな三人がただ黙ってステージに立っただけで、メインステージ周辺の空気が一変した。
剃刀が空気に混じったかのような緊張がひろがっていく。危険なほどに。
三人のたたずまいにはそれだけ、エッジの立ったカリスマ性があった。
しかしこれが十分に浸透するや否、忽然、今度は恒星が生まれたとでもいうかのように、会場は大歓声に満たされたのである。
繰り返すがまだ彼らは、ギターの弦すら触っていない。これが、まだ一音たりとて鳴らしていないバンドに対する反応とはとてもではないが思えないだろう。
フェス形式の宿命として、今メインステージを囲んでいる客の少なくとも半数以上は『月曜日の野良猫』のファンではないはずだ。それどころか、彼らの名前すら知らない者も珍しくはないだろう。いわばアウェイの状況、ファンだけが集まる通常のライブではないのだ。
それなのに、たとえ興味関心がない人であっても、なにか期待してしまうほど、彼らの姿には強い吸引力があるのだった。
吉祥寺 黒子
もただただ圧倒されたように、バンドを見上げて口を半開きにしていた。
そんな黒子を見つけたのだろうか、ふと女性ギタリスト、つまり
樋口 弥生
が、微笑みかけてきたように見えた。
思わず黒子の心臓はドキっと高鳴った。
一瞬本気で惚れてしまいそうになった。同性だというのに。
「樋口先生……すごすぎるぜぇぇぇ……!」
自分も演奏をするから、わかる。『月曜日の野良猫』は本物、レジェンド級だと。
ちょうどそこに
泉 竜次
の姿を見かけ、黒子は彼に近づいて声をかけた。
「おっ、泉先生。お久しぶりですね」
「ああ君か! いいねえ、彼ら。1969年や70年ごろの、海外のロックフェスを思い出すよ!」
竜次の声は弾んでいた。彼の隣には一年生の女子(
御巫 時子
)がいて、ぺこっと頭を下げてきた。
「おおさすがは泉先生! 比較対象がそんじょそこらの小僧とは違う!」
「はは、ダテに長生きはしてないってところか。70年のワイト島には、彼らみたいなバンドがいくつもいたものだ……おっと昔話はここまでにしておこうか」
いよいよ始まる、と竜次は身を乗り出した。
固唾を呑んで黒子もメンバー、とくに弥生の一挙一動を見守る。
こんな瞬間に出会えるなんて、と黒子は思った。
はぁ、ロックやってて……音楽もやっててよかったぜ。
御巫 時子
も、魂を奪われたかのように彼らの姿に見入っていた。
「あれが弥生先生……とっても格好いいです……」
時子の声が聞こえたわけではなかろうが、ここで千両役者が見得を切るようにして、弥生は解いた黒髪を片手でかきあげた。
「ALL RIGHT 行くよ!」
そして彼女はついに、そのギターに手をかけたのである。
ギターの弦をただ撫でたとて、それは音が鳴らされるだけのこと。
しかし左指で特定の弦を押さえ右手で弾けば、音は和音(コード)となって生まれ変わる。
コードだ。
パワーコード。聴く者を否応なく惹きつける音楽の魔法!
そこから、どことなくオールドファッションではあるが普遍的な、そして心を根こそぎもっていきそうなほど強烈な『ロック』が、うねりとともに誕生したのである。
彼らの奏でる音楽だけがロックなのではない。
いわば会場全体がロック。
“To Be A Rock And Not A Roll”とはよくも言ったり。
このとき地面が、空気が、聴衆に流れる血液が、すべてロックを構成する分子と化した。
繰り返すが月曜日の野良猫はたった三人、それも最低限の楽器だけで、彼らは空間のすべてを変革してしまったのである。
「クーッ、ロックだねぇ……!」
猛る雄牛のようなグルーブ感に身を委ねながら、
矢萩 秋
は強い酒を呷ったかのような口調で唸っていた。和菓子屋『萩屋』は見事商品完売となったので、閉めて月曜日の野良猫を観に来たのだ。
閉店を急いで良かった、このバンドを見逃したとあっては、少なからず後悔したことだろう。
バンドメンバー三人、いずれも強烈なまでのロックの体現者であるが、とりわけ目を惹くのはやはり紅一点、樋口弥生の勇姿だろう。
彼女は長い髪を振り乱し、必殺のギターリフでぐいぐい押してくる。
その音圧たるや、両手握りのハンマーで殴りつけてくるような力強さなのだ。
それでいて運指は正確で、スパッと切れるククリナイフのような爽快さまである。
衣装からのぞく胸元は魅力的、汗で潤んだようになった瞳は、ぞくぞくするほど色っぽい。わざと下品にガニ股になって弾いたり、流麗にギターを踊らせ背中回しに弾いたりと、見せ所もちゃんとわかっている。完璧なまでのギターヒロインぶりだ。
あそこまでキマってたかどうかは定かじゃないが……と、なんだかそんな弥生の姿に、かつての自分を重ね合わせてしまう秋だった。
昔、秋もバンドを組んでいた。学生時代は、寝子島高校の学園祭でライブステージを披露したものだ。甘酸っぱい思い出である。
あの頃の自分が今の自分を見たら、なんと言うだろう。
案外「予想通り」と笑ってくれるかもしれない。
そして「頑張ってるじゃん」と認めてくれるかもしれない。
秋は順調に大人になった。これからも大人をやっていく。
だが今は、今だけは、かつての自分に戻って、ただ音楽に身を任せたい気分だった。
「これは……なんと!!」
同じく客席の
広村 正敏
も、未体験ゾーンに突入していた。
懐かしいようでいて、斬新。
曲は耳馴染みがいいが凶暴性もあって、拳を振り上げたり暴れたりするにも最適だ。そればかりか、
「うおおおおモッシュピットだ!」
と、いつしかアリーナ中央に生まれた混沌の渦に、正敏も身を委ねもみくちゃになっている。
とことん暴れると正敏はピットを抜け、ライブ慣れしていないような少年少女を、安全なところに誘導もするのだ。
「暴れて楽しむのも一興、じっくり聴き惚れるのもライブの楽しみ方だ。ここら辺はステージも見やすくて、動きも激しくないオジサンおすすめの穴場だぞ」
そう言って、ライブに不慣れのため難民状態になっていた彼らを扶け、彼らの思い出作りをも助けるのだった。
なにより音楽は楽しめなくちゃ意味がねぇしな! ……これが正敏の信条なのだから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
阿瀬春
笈地 行
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
91人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月09日
参加申し込みの期限
2014年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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