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ネコミュージックフェスティバル in SUMMER!
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神野 美野梨
はステージに『lie』の姿を認めた。
「あら……弥生先生のバンドの次は、日暮くんもライブを?」
キーボーディストはサングラスこそしているが、あれはねむるだ。間違いない。
北原 みゆき
は桃色のサイリウムを振って大きな声を上げている。
「ひふみせんぱーい! かっこいいですぅー!」
なぜならステージ袖に、ちらっとひふみの姿が見えたからだ。
ところがひふみはすぐに姿を消してしまった。どうやら彼女は裏方らしいのだ。……ちょっと残念である。
しかしすぐにみゆきは、ねむるの姿を認めてまたサイリウムを激しく振った。
「ねむるくーん!」
ねむるくんがバンドだなんて意外だなぁ……と思う反面、ちゃんとサマになっている彼の立ち姿に、ある種の奇蹟を見た気にもなる。
このとき藤寿がマイクスタンドを握った。
「今日は俺たちlieのライブに来てくれてサンキュー! 俺たちがラストの出演者となるが、年に一度のネコフェスのファイナルだ! 最後まで盛り上がって行こうぜ!」
定番の煽りだがタイミングといい口調といい、実に堂々たるフロントマンぶりである。焚き火にガソリンを注いだように、どっと会場は沸き立った。間を開けず藤寿は「まずメンバーの紹介だ」と告げる。
「ベースのKAZU!」
一也が片手を挙げた。すっくと伸ばした人差し指は、天の頂をさしている。
「キーボードのNem!」
今度はねむるが頭を下げる番である。
「どうも……素人です……」
両手を合わせてどこなくコミカルに、けれど機敏に。
「そして俺、ボーカルのTOSHIだ!」
藤寿は両の腕を突き出して左右に広げる。それはまるで、空を目指し翼をひろげるかのよう。
この瞬間彼らは、バンド『lie』としての人格を獲得した。
「まだまだ駆け出しのアマチュアバンドだが、俺たちは本気だぜ! 一曲目は『激越』だ!」
曲の入り口はNemによるキーボードサウンド、風なき月夜の海のごとき旋律は、『激越』というタイトルにはふさわしくないように聞こえる。
しかしそれは冒頭だけのことだ。
Nemはドラムマシンの自動演奏をスタートさせ、同時にキーボードの音設定をギターに切り替える。
そこにKAZUの弦が加わると、徐々に、しかしはっきりとメロディは加速していく。
詞はKAZUによるもの。その意味を大切に、それでも吼えるようにしてTOSHIは歌を紡ぎはじめた。
胸の高鳴りが止まらねぇよ。
一人よがりに始めたバンド、気づけば色んな人が俺の周りにいた。
一緒に音楽やる奴だけじゃねぇ、聞いて応援してくれる奴も居る。
奴らは嘘つきかもしれねぇ。顔や肩書に群がる奴かもしれねぇ。
だが、今ここで俺の曲を演奏し聞いてくれてる事実は真実だ。
なら、俺は今、この真実を信じるぜ。
「今この時間が俺の真実になるように、お前の真実になるように。
聞いてくれ、嘘だらけのこの世界を打ち壊すために」
曲はドラマティックに変調し、さらに加速度を高め弾丸のように爆走した。
NemとKAZUのギターサウンドは、ときに競い合い、ときに求め合うようにして、絡みながら分厚い音を形成する。
曲が激情を表すサビへと向かえば、KAZUもNemも何かに取り憑かれたように激しく首を振ってこれをさらに煽る。
この両者に負けじと身を乗り出すはTOSHIのヴォーカルだ。その歌声は猫科の肉食獣のようにしなやかで、性別を超えた色気を帯びていた。
歌うTOSHI、つまり藤寿を寿美礼は見守っている。
どうして手伝いに来たか、その理由を寿美礼は「楽しそうだから」と藤寿に説明していた。
けれど本当は、違う。
一也にはひふみがいて、
ねむるには冴来が応援に来ていて、
それなのに「自分には誰もいない」と藤寿がボヤいてたから、
だからせめてと思って、ビラ配りを手伝い、バックステージまで来たのだ。
寿美礼は思う。
藤兄にとって一番大切な人の座に誰がくるんだろう。……今ぐらいあたしがいてもいいよね?
というか藤兄に彼女できるよね?
曲が終わった瞬間、TOSHIは確信した。lieはステージを支配したのだと。
TOSHIは胸のすく思いでアリーナを見渡した。
あんなに広大に見えた会場が今は、慣れたライブハウスのように感じられる。ジョギングで鍛えてきた肺は、まだまだ歌えると彼に告げていた。
音楽が人生を変える、なんてよくあるフレーズなだけだと思っていた。
でも違う。今のTOSHI、いや藤寿にははっきりとわかる。
人生というと大げさかもしれないが、このバンド活動が藤寿の生活を変えるきっかけになったことは事実だ。
こうやって仲間と活動することが、楽しいと思えただけでも意義は大きい。
こうなればやれるところまでやるつもりだ。
音楽が何なのか、自分なりの答が出せるように!
なんっつー、熱いステージだ……。
KAZUはペットボトルの水を頭からかぶるように飲み干し、空になったボトルを客席に投げる。
中坊の頃見たロックスターもこんな気持だったのかな、そんなことを思った。
わずか一曲演奏しただけで、もうNemは汗びっしょりだ。
けれど楽しい。もっともっと弾きたい。
「二曲目は『phantasmagoria』」
聴いてくれ、というTOSHIのコールを受けて、Nemはふたたびピアノ音のイントロを奏で始めた。
ステージ袖に立ち尽くす冴来は、胸の前に重ねた両手に、きゅっと力を込めた。
その曲「phantasmagoria」は、彼女のなかに様々なイメージをかき立てる。
夢の中での逢瀬……。
想いあう二人……。
愛しいあの人の姿が脳裏に浮かぶ。
彼は私を想ってくれているのだろうか。
胸が苦しくなり涙が溢れる。
どうか、そうであってくれますように。
大好き。大好き。
この世界で、貴方とずっと、一緒にいたい。
貴方の笑顔をまた見たい。
あの人はまだ、持ってくれているのかな……?
寿美礼もまた、「phantasmagoria」のもたらすものに我を忘れていた。
音と詞の世界に浸かりながら、ずっと兄の姿を目で追っている。
舞台で活き活きとしている藤寿。
高校まではケンカばっかり、ケガばっかりで、あまり笑った顔を見なかった。
大学入ってからちょっとずつ明るくなって、今年の春にはバンド入るって言いだして……。
「もう大丈夫だね、あたしがついてなくても……」
ふと寿美礼の唇から言葉が漏れている。
「よかった、本当に……」
知らず、涙までこぼれ落ちていた。
なにゆえの涙なのだろう。
兄が前に進んだことを祝っての涙か。
それとも彼が、遠くに行ってしまったことを惜しむ涙なのか。
ただひとつ言えることは、現在この空間は大音量に包まれており、寿美礼が大きな声で泣いたところで、誰にも気づかれないだろうということだ。
「日暮くんって、いつも眠そうなのに意外……」
と言っては失礼かもしれないが、曲が終わったとき、美野梨は惜しみない拍手を送っていた。
美野梨はそれほどロック音楽に慣れていない。だから、周囲の客のようにノリよく騒ぐのもちょっと苦手だ。
だがステージから放たれたエネルギーは十分に伝わったと思っている。
いい曲だった。いい演奏だった。
KAZUのベースがなければ成り立たぬ曲だっただろう。
TOSHIの声でなければ、ここまで魅力的な曲にはならなかっただろう。
そしてNemのピアノ、これが最も美野梨の心をとらえていた。
今度学校で会ったら、直接感想を伝えようと美野梨は思った。
ステージが終わり、なおも続くアンコールの喝采を背に浴びつつも、一也はまっすぐにひふみのところへ戻った。
滝のように汗が出てくる。タオルでいくら拭っても収まらない。ゆらゆらと湯気まで上がっていた。
「神無月、話があるんだったか?」
「……あ、うん」
ひふみは言い淀んだ。
告げたい想いは胸にある。
けれどそれを明かすにはまだ、勇気が足りない。
かわりに彼女は、一本のカセットテープを取り出した。
この時代にはやや、古典的なアナログメディア。
これどCDやUSBメモリにはない、空気感まで詰まった音源だ。もちろんラベルも手書きである。
「家で吹き込んだデモテープ。打ち上げの席で渡そうと思ってたんだけど……良かったら聴いて」
「へえ」
と一也は驚き半分、興味半分といった口調で、
「お前も歌詞だけじゃなく曲作るんだな。タイトルからすると、ラブソングか?」
「それはその……聴いたらわかるわ。どう思ったか、率直に感想を聞かせてほしいの」
わかった、家で聴くよ、というのが、ひふみの期待した彼からの回答である。
ところが違った。
「実は俺、今日携帯プレイヤー持ってきてるんだよな。もち、カセットの」
「えっ、カセットのプレイヤー? すごいじゃない」
「だろ? やっぱ外で聴くならカセットが最高だよな。独特の『間』があるっていうか……まあ、巻き戻しとか面倒なんだけど」
っていうことで、と一也はくすっと笑ったのである。
「さっそく打ち上げの席で聴かせてもらおう。イヤホンを半分こして一緒に聴くか?」
「そうね……って!?」
それは予想外だった。まさかの展開、けれどそれはそれで、願ってもない話という気もする。
すぐに一也の反応を確かめることができるから。
デモテープの楽曲は、熱く激しい、痛くて切ない片想いの心情を精一杯こめたラブソング。
名前こそ出してはいないが、一也に捧げたひふみの気持ち。
伝わるだろうか、彼に。
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笈地 行
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
91人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月09日
参加申し込みの期限
2014年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月16日 11時00分
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