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ネコミュージックフェスティバル in SUMMER!
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「『次は30分後、参道商店街で会おう』……リツイート、と。信彦くん、これでいいのかい?」
八十八旗 信彦
のツイートを拡散し、
上穗木 千鶴
は彼を見上げる。
信彦はいつもながらの明るさで、
「オッケーオッケー! ちーちゃんホントいろいろありがとう」
と調子よく笑って、それからちょっと首を傾げた。
「けど、軽音部の方は良かったのかい?」
「あ、うん……いいんだ、大丈夫」
千鶴は短い前髪を弄りながら俯く。先日
カミキリ通り魔にイメチェンされた
せいで、目元を隠してくれていた長い前髪が無くなってしまい妙に心細い。
(だって……信彦くんを見つめているのがバレてしまうじゃないか……)
所属する軽音部のライブを蹴って、よくわからないフラッシュモブとやらに参加することにしたのは、大好きな信彦の頼みだったからだ。もっとも彼の方はガールフレンド(女友達)と思っているようでそこが歯がゆくもあるのだが。
「フラッシュモブっていうのは――」
信彦は千鶴にこう説明してくれた。
「インターネットや口コミで集まった不特定多数の人々が、雑踏などで前触れなくパフォーマンスすることなんだ。突然ダンスを踊ったりね」
ダンスだけではない。一斉に動きを止めて時が止まったかのような演出をしたり、女性たちが次々服を脱ぎ捨てたり、色とりどりの傘でマスゲームがはじまったりと、世界にはさまざまなフラッシュモブがある。いわば公衆ドッキリ。今回信彦が企画したのは、みんなで踊るモブだ。
この大規模パフォーマンスを開催するために、信彦はちゃんと手回ししていた。予め運営に路上ライブのひとつとして申請をしたり、ダンスはさっきのようにまったく無関係な人もその場で同調して踊れるよう超簡単な振り付けにしたり、ロックな
吉祥寺 黒子
に声をかけてギター参戦してもらったり。
「で、みんなをビックリさせて目的を達成したら、参加者は通行人に紛れて、何事もなかったかのようにさっと撤収するのがクールなのさ!」
「どうしてこんなこと思いついたんだい?」
千鶴が尋ねると、信彦はいった。
「そりゃあ、歌も踊りも普段からやってる人たちには逆立ちしたって敵わないからねー。
でもイベントを盛り上げるための企画力なら負けないさ! きっと素敵なサプライズになると思うよ」
千鶴は頷く。実際そうなった。
「それにさ、フラッシュモブの参加者の中には全く面識がない人たちもいるかもしれないけど、そんな人たちと一つの目的に向かって協力できるなんて、ワクワクしないかい?」
――信彦くんの、こういうところが好きなんだ、と千鶴は思う。
皆を楽しませるのが好きなところ。それを実行に移せるところ。
ちょっとエッチな時もあるけど、でもそれだけじゃなくて、まっすぐでキラキラしてて……。
「ってわけでね、ちーちゃん、はい。次はこれに着替えだよー」
「えっ?」
手渡されたそれは――。
フラダンスの衣装であった。
「あろ~は~おえ~」
ポロン♪
「あろ~は~おえおえ~」
ポロロロン♪
30分後、参道商店街。信彦の陽気なウクレレを合図に始まったのは唐突なフラダンス。
(なにしてるんだぼくは)
橙色で揃えたレイとラフィア・フラスカートを揺らしながら、千鶴は懸命に笑顔を作る。
長い黒髪はカツラだ。それでなくても露出度が高いのだ、せめて髪で隠せるところだけでも隠したい。
(ダンスは得意じゃないのに……しかもフラ! 信彦くんの頼みじゃなかったら絶対やらなかったよ)
恨めし気に信彦をねめつけるが、当の信彦は千鶴の恥ずかしさなんて気づきもせず、真っ白なレイも鮮やかに、アロハシャツにウクレレ持って南国気分を満喫している。
「いや、たしかに『どんなリクエストでも答えてやるよ!』っていったけどな。あー……なんか演奏してるとあれだな、気分はウクレレ持ったお姉さん……って、感じだな」
吉祥寺 黒子
は、なはは、と笑ってギターを奏でる。ロックもフラも。器用な黒子である。
それがちょうど三色麺の屋台の前だったものだから、
薄野 五月
や
水沢 榛名
、
畑中 華菜子
も表に出てきた。
「フラダンスですか?」
「いいね、踊っちゃおう」
「あろ~は~おえ~アル!」
「学生さんたち、来いよ!」
駅前からこのパフォーマンスについてきた
広村 正敏
が、ちょうど通りかかった
森 蓮
と
猫村 翡翠
を巻き込む。ふたりは駄菓子屋ねこやの休憩時間を利用して、パレードを見に来たのだ。
「えっ、フラダンス? 踊れないよ」
戸惑う翡翠に正敏が笑いかける。
「はっはっはっ、踊りなんてノリだよ」
どうしよう、と蓮を振り返ると、蓮は穏やかに笑った。
「折角ですから私達も踊ってみましょう。踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら……というじゃありませんか」
「でも、蓮、傷は……?」
翡翠は蓮の身を案じた。
「大丈夫です。このくらいのゆっくりした動きなら」
フラといっても腕を波のように揺らしたりするだけの簡単な振り付けだ。翡翠だって蓮だって踊れる。
ただ、身を任せればいいのだ。そう、笑顔で。
家族にお土産を買って帰ろうとしていた
伊藤 武正
と
伊藤 恵美
夫妻も、この波に巻き込まれていた。
「楽しいわね、武正さん」
「そうだな……君は、なんでも踊れるんだな」
「大丈夫、武正さんだって踊れてるわ」
「そうかい? 今日は……」
武正は少し息を呑んだ。けれど、こんな瞬間じゃないといえない気もして言葉を紡ぐ。
「あの時と変わらず可愛かった……」
恵美は突然そんなことをいう夫に大きく目を見開いた。それから蕩けるように表情を崩し頬を染めた。
「武正さん……」
「照れてる笑顔も可愛いよ」
いってふいっと視線を逸らす。恥ずかしいのだろう。普段は無口で照れ屋な主人なのだ。
恵美は踊りながら武正の手を取る。
出逢って20年も経って、またこんなふうに告白されるなんて、すごく素敵だ。
「これに参加しなかったらボクの名が廃るよ」
ギターを抱えた
新井 いたご
も、奥さんのなぎさも息子のちくわくんも魚新のお客たちもモブに参戦。
「おやおや、これは愉快ですね」
檜扇 舞華
がこの膨れ上がったムーブメントを動画に収めてゆく。
(これも悪くねぇが、もっと激しくいきてぇな……)
黒子が地味にフラの曲調をロックに近い味を加える。いたごのギターはフォークソングのスパイスで。
「あろ~は~おえ~」
ポロン♪ ギュイン♪ ジャラーン♪
「あろ~は~おえおえ~」
ポロロロン♪ ギュギュイン♪ ジャラララーン♪
テレビねここがカメラを構える。生中継らしい。
古い商店街の一角で、何百人という人々が右に左に腕をくねらせている。まるで南の島に寄せる波のように。
なんだか可笑しくってくすくす笑ってしまう。
さざ波のような笑い声に誘われたのか、寝子島の猫たちまで通りにあふれ出てきた。
「なんだ? 猫がぼくに絡みついてくる」
千鶴のしゃらしゃらと揺れるフラスカートにじゃれるように猫パンチをかます猫。
歩いた後をついて来る猫。今にも二本足で立って歩きそうな感じでぐにぐに踊る猫。蕩ける顔で寝転がる猫。
千鶴は本当に不思議だった。
じつはこれにはタネがある。
どういうわけか彼女のフラの衣装に、マタタビの匂いが沁みついていたのだ。
お蔭で信彦の企画は、人も猫も踊り浮かれる不思議なフラッシュモブとなっていった。
「信彦くん」
「ん?」
「すごいね」
「そうだね。楽しいかい、ちーちゃん?」
「……楽しいよ」
「よかったよ。俺はもちろん楽しいけど、参加してくれた人が楽しんでくれなきゃ意味ないからね」
「みんな楽しんでるよ。だってほら、みんなあんなに笑ってるじゃないか」
千鶴のいうとおりだ。
「ちーちゃんのお蔭だよ」
信彦も笑った。あと黒子ちゃんと、参加してくれたみんなのお蔭、と。
千鶴はそんな信彦にこつんと頭をつけて、小さくいった。
――きみがはじめたんだよ、と。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
阿瀬春
笈地 行
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
91人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月09日
参加申し込みの期限
2014年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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