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ネコミュージックフェスティバル in SUMMER!
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狛猫のふたりが姿を消すと、灯の消えたステージに、低い唸り声が流れはじめた。
それはエンジン音。
多くの観衆がそう認識した途端、二台のオートバイが突如、舞台に颯爽と走り込んできた。
いずれ劣らぬ勇ましさ、しなやかに荒ぶる鋼鉄のマシン。
艶のあるボディは鈍く輝き、濡れた黒豹を思わせる。
マフラーから吐き出すは炎か闘気か。
強いヘッドライトが描く軌跡は、まるで白い閃光のようだ。
二台のバイクはステージ中央でぐっと半回転し、血ぶるいするようにしてその獰猛な走りを止めた。
スポットライトがふたりのライダーに集中する。
細身のライダースジャケット、半ば背を向けた格好。
その横顔は、
伊予 祐
その人である。
同じくライダース姿で、正面を向いているのは
霧生 渚砂
だ。
突然のバイク出現に沸き立つ会場をちらり一瞥すると、祐はもう一度バイクのアクセルをフルスロットルに回した。渚砂もすぐにこれを追う。
マシンはいずれも瞬時にして、ステージ袖に消え去った。
一体あれは何なのか、どよめく客席の混沌は、たちまち晴れることになる。
なぜなら祐、渚砂の両者が、ほとんど数秒のうちに戻ってきたからである。しかも二人は衣装を変えている。
無造作な黒Tシャツとハーフパンツ姿で、祐は黒いギターを手にしており、一方で渚砂は、黒基調ながら和風テイストを取り入れた目を惹く装いであった。
祐はステージ中央で足を止めたが渚砂は止まらない。後方に用意されたドラムキットに進んでスタンバイする。
アリーナでこれを見守っていた
北原 みゆき
は、やにわに盛り上がって歓声を上げていた。
このとき同時に舞台袖から、貴公子のような黒いシャツの
霧生 深雪
が現れ、セッティング済のキーボードに指を乗せたのだ。観ていて気絶しそうになるほど格好いい!
さらには
服部 剛
も、タンクトップに上半身を腰に巻いた黒いつなぎというステージ衣装で、ベースを提げて現れていた。
最後に
諸星 譲
が姿を見せて、エメラルド色の瞳で舞台を見回す。譲の担当パートもギターだ。
演奏がはじまるかと思いきや、ここで剛が他の四人に呼びかけた。
「円陣組もうや! 一体感やて! 俺らの名前、歯車やし!」
深雪は渚砂に眼をやり、渚砂は譲を見た。
譲の視線を受けて、
「よし!」
祐はギターを外すと、自分のポジションから進み出て剛と肩を組んだ。すぐに深雪と渚砂、譲も加わり、五人、円陣を組んで気合を入れて、ぱっと己の楽器のところに戻った。
そして祐はスタンドマイクを握る。
「待たせたな! クラウンギア、行くぜっ!」
闇より黒いギターを飾るは、まぶしいほどの黄金のパーツだ。
「君のハートに銃弾発射! 俺たちの音を聴けぇぇぇー!」
オープニングナンバーは『シグナル』、剛作曲、譲作詞の疾走感のある楽曲。
剛がこの曲に込めたイメージは、一言で表現するなら『一体感』だ。音楽を通して夏の空、メンバー、会場のすべてが一体になればいい。
歌うようなツインギター、それを支えるベースにドラム、そして清らかなキーボードのライン、これが奏でる音は、はっきりと粒立って目に見えるほどだ。
ええ感じや、と剛の口元は緩んだ。作曲クレジットは剛一人のものだが、譲の歌詞あってのこの曲であり、作曲自体にもメンバーのインプットがあってこそだったので、彼にとっては『俺たちの曲』である。
バンドの演奏も客席も硬かった。最初は。
だがそれも、音楽の力が氷解させる。いつしかバンドの熱が客席に伝わり、客席があげる声援がますますバンドの演奏を活発にするという良質なフィードバックをもたらしている。
三度目のサビメロ直前、
「ベースかてかっこええとこ、魅せたるわ!」
剛は中央に躍り出た。
ベースソロ。
指で弦を引きむしるようにして、太くて速いフレーズを弾きこなす。底力のある音はまるで、足元が隆起し地割れが起こり、裂け目から竜の眼がのぞいたかのような錯覚を聴くものに与える。竜の不穏な息づかいまで感じられるほどだ。
剛のソロが終わるとバンドは畳みかけに入った。キメのフレーズ三連発を繰り出して曲は終わった。
「やっぱキツい……!」
渚砂は額の汗を拭ってドラムスティックを握り直した。
渚砂にはこれまで、楽器演奏の経験がほとんどなかった。そのためいつも、音楽が絡むと深雪が遠くなってしまうことを歯がゆく感じていたものである。だがこの機会に「自分もなにか始めたい!」とドラマーとしてクラウンギアに参加することを宣言したのだ。
といってもその道のりは平坦ではなかった。ある程度基礎は学んでから臨んだものの、当初渚砂は、他の三人の演奏についていくことすらできなかった。
しかしドラムはロックバンドの命ともいえる存在である。くじけるわけにはいかない。渚砂は深夜まで単独練習をして努力を重ね、いつしか他のメンバーの演奏になんとかついていけるレベルにまでは上達したのだった。
といっても止まらず演奏するのが精一杯、とてもではないがドラムを叩きながら歌うなんて芸当はできないわけで、渚砂の前にセッティングされたマイクはここまでのところ使われていなかった。
しかしそのマイクにも使いどころはある。今こそ、そのときだ。
「声援ありがとう! ここでイカれたメンバー紹介するぜ!」
渚砂の声に、客席はまた沸き立つ。
「ピッチピチ……? 二十四歳! 好きな物は日本酒、趣味は上司に追われること! TAS!」
祐はギターをバイクに見立て、またがるようにして低い姿勢から轟音をかき鳴らした。
「なんやてKUDOとは別に言わない! 多趣味多才能画材屋の息子! GO!」
「なんやて!?」
などと剛は笑わせて、ベースの弦を震わせて音を立てた。
「歌って踊れて戦いもできるスーパーアイドル! 深雪!」
「ちゃんと真面目にやれよな!」
深雪は口をとがらせながらも、トルコ行進曲のワンフレーズをロックアレンジで披露する。
「夢は失業すること! 戦場カメラマンJO!」
「戦争がなくなったら、『戦場』カメラマンじゃなくなるからね」
譲は柔らかく笑んで、軽くエスニックなソロを聞かせた。
興が乗ってきたのか、渚砂は立ち上がると自身の胸を拳で叩いた。
「そしてこのお兄さん! 渚砂だ!」
一拍おいて続ける。
「最後に一つだけ言っておく、これからこのマイクは飾りだ!」
渚砂がドッと受けたのを、うまく引き継ぎ祐が締めくくった。
「俺たち全員で
クラウンギアだ!
熱い思いと日頃鍛えたギターテクを、みんなに届けるぜ!」
揃いのリストバンドを、誓いあうように全員掲げた。
間髪入れず祐がイントロを爪弾いたのは、その祐が作詞、作曲は深雪のこのナンバー。
「心を込めて書きました、聴いてください『夏風サイダー』」
それは八月の香りと青春の景色を封じ込めた、甘酸っぱい夏のアイドルロック。
君の黒髪 揺らしていった風
俺を誘う夏色 サイダーのように弾ける
壊れそうな心 早る鼓動
時を止めて真っ直ぐ伝えたい
オープニングから一転、爽やかな風のような旋律が刻まれる。
ここで活躍するのは譲のギターだ。クラシカルなフレーズも挟み込んで流麗に響かせた。
弾きながら内心、譲は舌を巻いている。練習で何度も奏でたこの曲だが、こうしてステージで演じると、改めて楽曲の質の高さが理解できるではないか。
それにしても今どきの寝子高生凄いなぁ……いい曲書くよね。
たとえ歌詞無しで聴いても『夏』が伝わってくるようなメロディ、そして、祐らしい叙情的な歌詞――演者の自分すら、つい聴き惚れてしまいそうになる。
「おっと、こうしちゃいられない」
小声で呟くと譲はギターパートを祐に任せ、両手をあげて客席に手拍子を促した。大きく手を叩けば、すぐに観客も応じてくる。それでも足りないというように煽ると、どんどん手拍子が強くなる。客席が上げられた腕で埋まるのを確認したところで、祐はギターに戻ってツインリードでさらに盛り上げた。
曲が終わると、祐は一言、短く言葉を発した。
「音楽はいいよな、共有できるから」
それは彼の偽らざる気持ちだ。
熱い気持ちと、収まらない鼓動。
あの人にも届くといいな、と願う。
「紹介いいかな?」
と断って深雪はキーボードの前のマイクを取った。
「三曲目……最後の曲は俺の作詞作曲で、曲名は『Beutiful twilight with you』」
しばらくは剛のベース音、そして深雪のキーボードによるイントロが続く、そこに渚砂のドラムが入って、譲、祐の順でギターが重なると、小さいながら煌めくようなオーケストレーションが生まれた。
そうして、祐がしっとりとしたヴォーカルを加える。
これまでのビリビリ響かせるような歌い方ではない。フレーズごとの情感を重視した、技巧的な歌唱だった。といっても核となる『熱さ』は消えていない。むしろ演奏がタイトになった分、情熱は目に見えるようだった。
透明感のある高めの歌声でコーラスを加えながら、深雪の想いは大切な人たちに向かっている。
ステージを共にしているバンドメイトに。
今日は来ることのできなかったあの人に……。
大切な人と一緒に夕陽を見れるのなら、それだけで生きてきた価値がある。君と夕陽を浴びて一緒に歌いたい――それがこの歌詞の意味だ。
深雪としてはラブソングのつもりはなかったのだが、人によってはそう解釈できるらしい。だけどそれは自由、そう思うことにしている。人それぞれの歌詞の読み方があっていい。
ちょうどその読み方をしているのが譲だった。柔らかく優しげな歌声でコーラスに参加しながら、
ラブソングか……深雪さん好きな子でもいるのかな?
と譲は思っている。
とにかく一生懸命にドラムを叩いていた渚砂も、いまは雑念を廃し、ステージにあること、仲間とともに音楽を楽しむことに没頭していた。
剛は前髪を払うのに躊躇しなかった。演奏前は、コンプレックスになってい左目を、隠したほうがいいか悩んでいたのだが、もうそんなことは気にしていない。ひたすらに笑顔でベースを鳴らしている。
長い余韻を残しながら、クラウンギア終演のときが訪れた。
「皆、ありがとう! 大好きだ!」
感極まったように祐が叫ぶと、
「やっぱり皆で何かをするって楽しいな! ありがとう!」
渚砂もドラムキットから飛び降りてスティックを客席に投げ込んでいる。同じく譲も、
「今日の思い出受け取ってくれ!」
とギターピックを投げていた。
「おおきに! ライブってめっちゃ楽しいもんなんやな! 癖になりそう!」
と言う剛の隣では、深雪が静かに、客席に手を振っていた。
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シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
91人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月09日
参加申し込みの期限
2014年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月16日 11時00分
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