【ネコミケ】修羅場を超えろ！寝子島大爆発！（芸術的な意味で）｜リアクション

【ネコミケ】修羅場を超えろ！寝子島大爆発！（芸術的な意味で）

【爆発レベル６：道中でバトッてみた】

　八十八旗は後ろから付いてくる志波にぶつくさ文句を垂れた。
「付いてこないでよ、デラっち先輩！」
　志波はニコニコしながら八十八旗のスマホをいじっている。
「お、問題ないって！　さすが四月ちゃん、心が広いー！」
　次の訪問先、常盤四月へ八十八旗のスマホを使って志波は許可を取っていた。
「イイジャナーイ！　俺も急に写真の腕前が上がっちゃって！　俺の筋肉とみんなの笑顔を撮りたくなったダケサ！」
「俺は筋肉いらないから帰ってくれないかな……？」
　本音を漏らす八十八旗など構わず、HAHAHAHAと志波は高笑い。
「言ってくれれば、ちゃんとドクヨー？　って、ん？」
　志波は気配を感じた。
「この違和感、タルトちゃん、貴様、見ているな！？」
　志波が振り向き、指差す場所から、１匹の猫が顔出した。
「猫じゃないかー！　そうそう、あとでタルトちゃんのとこにも寄ってかなきゃ！」
　八十八旗の交友の広さに、志波は感心する。
「信彦くんって見かけによらずマメだよなー！」
「やだなー、素直に褒めていいんだよ、デラっちせんぱーい？」
　タメ語で話す後輩と茶化す先輩の火花が大きくなってきたところで、アイツが現れる！

「ハァ～イ？　そこのナイスマッスルボーイ！　ウホッ！　良い筋肉！　アタシを抱いてっ！」

　寝子島の歩くモザイク加工処理、ミッシェル・ナイスゲイ見参！
　既に紐パン一丁のゲイ術パワーははちきれそうだ、色んな意味で！
「ぶっちゅーしちゃうわ～んっ！」
　ゲイは筋肉の胸元に飛び込んだ！
「うおおおっ！？」
　筋肉は全力で回避！
　そして筋肉は気が付いた。
「……悔しいが、認めざるを得ない。その腹筋、ただものじゃないな！」
　ゲイは引き締まった細マッチョだったのだ！
　腹部はくっきり６つに分かれた腹筋がピクピク動く！
　筋肉は神速脱衣からのポージング！
「名乗ることを許すぜ……。その筋肉に免じて！」
　ゲイはクネクネしながら投げキッス！
「ミッシェル・ナイスゲイよ～ん！」
「俺は志波武道、神速脱衣のブドーと呼ばれている」
「俺を忘れるな！」
　そこへ変態が乱入！
「美の化身的に……、己の筋肉の美しさを誇示せねば！　俺が俺であるために！」
　みなぎる上腕二頭筋！　蠢く腹筋！
　だが七重のブラと女性用パンツを身に付けた変態だ！
「あら、竜司ちゃん！　今度こそアナタのソーセージをぱふぱふしたいわ～ん！」
　ゲイは自分の雄っぱいを寄せて上げてモミモミしだした。
　そしてそのままダイブ to 変態！
「おっと、ゲイ術はお断りだぜ？」
　変態はゲイの股間を躊躇うことなく蹴り上げた。
　そして突っ込んでくるゲイの顔面を、おっぱいマウスパッドで防御！
　変態的オフェンシブディフェンス！
「あぱぁぁぁぁ！？」
　ゲイはアスファルトに崩れ落ちた。
　変態はポーズを決めて宣告した。
「祝福しろ、この島に美の化身が誕生したことを！　もはや神魂もらっかみも無関係！　俺は人間をやめるぞーォ!!」
「やめて変態にナルンデスネ、ワカリマス！」
　ツッコミながらも筋肉はポージングを緩めない！
「なんだこれ、俺は無関係だからね？」
　八十八旗は逃げ出した！
「あら？　可愛いボーイだわ～ん？」
　しかしゲイに回り込まれた！
「アタシの熱い想い、受け取ってぇ～ん！」
「レ、レディのお誘いは嬉しいけど、無理やりはよくないなー！」
　八十八旗の言葉に、ゲイははたと止まり涙をこぼす。
「嬉しい――こんなアタシを女と認めてくれるのねん！？」
　八十八旗の『心がレディなら女性扱いをする』心情が、ゲイを救ったのだ！
　そこへさっきの猫が八十八旗の顔面に飛び蹴りを放った！
「ぶげぇ！？」
　蹴られた衝撃で、八十八旗は変態を突き飛ばした！
「アーッ！？」
　そのままゲイと変態が衝突事故を起こす。
「ブドー先輩！　今のうちに逃げて！」
　物陰から、響タルトの声が！
「よく分からないが……、逃げよう、信彦くん！」
「あ、待って、デラっち先輩！」
　２人は桜花寮まで無事に逃げ果せた。

　ちなみに、ゲイと変態がその後どうなったのかは、当事者２人だけしか知らない……。
　何もなかったことを祈るばかりである。