【来る聖戦に向けて】
寝子島の真夏の祭典は何?
そう尋ねられて、島民の回答がいくつか分かれる。
寝子島最大の音楽の祭典『ネコフェス』と答える人もいるだろう。
島中が音楽の渦に飲まれ、多くの人が歓喜する。
だが今回着目するのは、寝子島最大のサブカルチャーの祭典。
その名も
『ネコミケ』である。
夏と冬に行われるネコミケだが、夏の盛り上がりは赤道直下の暑さに負けないくらいの熱を帯びる。
例えば、
常盤 四月、
響 タルトはそれぞれ、自宅でネコミケで販売する同人誌を急ピッチで仕上げていた。
「修羅場を乗り切ればネコミケだ!(ずぞぞぞ……)」
「暑いなんて言ってられない、入稿まであと2日、頑張るぞ!(うとうと)
……ね、寝てないってば?」
各自が意欲的に準備を進める中、なかなか準備を進めていない者もいた。
【どうしてこうなったのかしら……?(クローネ談)】
混沌のらっかみ、クローネが暇潰しに夕涼みに出かけている時だった。
星ヶ丘寮の一室の窓が開いている事に彼女は気が付いた。
茨城 音夢の寮室である。
そこには寝こけている彼と、彼の作品がいくつか点在していた。
「うーん……。課題……面倒くさいなー……」
彼の寝言などお構いなしに、クローネがすぃーと部屋の中へ飛び込んできた。
「あら? あれは? ふふっ、坊やには悪いけどぉ、今回はこれに付いている神魂を暴走させてみようかしら……?」
早速クローネは自らの黒い羽をカンバスに突き立てた!
「さぁて……、どんな混乱が、見られるかしらねぇ……?」
気怠げにクローネは星ヶ丘寮を飛び立っていった。
そのすぐ直後、茨城はむくりと体を起こし、新しいカンバスに筆を振るいだした。
「よくわかんないけどー、今、すごいインスピレーションが降りてきたー。これは寝てる場合じゃないかも?」
茨城だけではない。
カンバスに付いていた神魂の暴走で、島中の人たちが急に芸術に目覚めて創作活動をしだした模様である!
寝子島の芸術が爆発したのだ!
こんな時、キミならどうする??
らっかみPLさん! ネコミケですよ、ネコミケ!
ということで、這い寄る乾物こと焼きスルメです。
【概要】
クローネが神魂を暴走させたら、島中の人たちが芸術に目覚めて爆発しました。
ただし影響の受け方は個人差があり、全く影響を受けない人もいるようです。
絵画や同人誌執筆だけではなく音楽や彫刻など、各自が「芸術ッ」と言える代物なら何でも作りたくなります。
何故か騒動中はスキルもプロレベルまで向上してしまいます。
(歌が上手くなる、楽器をミスせず演奏できる、急に絵が上達するetc……)
ただし、翌日の朝7時を迎えると自動的に効果が切れます。
暴走開始は午後4時頃。
修羅場タイム、始まります。
【重要】
寝子高生の生徒は、文芸・美術作品(漫画含む)を作ることが夏休みの選択課題の1つになっています。
(一般的な自由研究のようなものだと捉えて下さい)
学科も学年も関係ありません。
自身の表現力を高める一環として取り組まれている立派な教育プログラムです。
【ネコミケとは?】
平たく言えば、2日間連続で開催されるサブカルチャーの見本市です。
コミック・アニメ・ゲームの同人誌を販売したり、
キャラクターのコスチュームを着て、なりきったりするのが一般的です。
近年は、島中の店舗が宣伝目的で出店するケースも増えてきました。
主催者側は休憩所を提供してくれる企業・店舗を募集しています。
また、島外からアイドル・声優を招いてライブを行うことも。
国内外の観光客も毎年数万人が来場する、ネコフェスに並ぶ夏のビッグイベントです。
【何ができるの?】
・修羅場ッ! 描かずにはいられないッ!(神魂なんかカンケーねーよ派)
・芸術が、爆発した! うおおおおおッ!(思い切り巻き込まれとくよ派)
・俺がッ、俺たちがッ、芸術ダァァーッ!(とりあえず筋肉を見せとけ派)
・ビューリフォー! あれ? 涙が……?(他人の作品見て感動するよ派)
・昨晩書き上げたポエムの内容がヤバイ!(正気に戻って赤面しちゃう派)
【マスターより】
遂に来ました、ネコミケ!
今回はその準備編となっております。
「カンケーないね!」と言わずに、巻き込まれてみるのも一興ですよ?
モチロン、社会人の方や大学生の方も参加バッチコーイです!
GA(グループアクション)大歓迎です。
是非とも、真夏の夜の修羅場をお楽しみ下さいませ!