サンマガチャ、ガチャガチャ｜リアクション

サンマガチャ、ガチャガチャ

●どうやって探す？

「さぁて……協力者は見つかったけど、私も手をこまねいている訳にもいかないか……」
　店を離れられない八重崎五郎八は、外で並んでいる客の様子を窺ったり、開店準備をしたりしてサンマさんガチャを探す。
　外の様子を見終え、店に戻ろうとしたら連絡をもらい駆け付けた龍目豪、拡散ねこったーを見て一緒に来た七音侑が【ZePet】に来た。
「カプセル受け取りにきたぜ。見つけたら、それに入れればいいんだよな？」
「ねこったー見たにー。ウチもサンマさん探しするにー！」
「助かるよ。見つけたらこれに入れ、急いで持ってきてほしい。頼んだよ」
　カプセルを受け取ったふたりは、それぞれの方法でサンマさんを探す。

　宇佐見望月は、情報が書き込まれていないかねこったーをマメにチェック。
「パワーストーンで幽霊サンマさん、『ゆめゆめ』で波乗りサンマさん、『ねこのて』でソフトクリームサンマさんの目撃情報アリ。修ちゃんと瑠奈ちゃんが七輪サンマさん、真央ちゃんが『ねこのて』にソフトクリームサンマさんを探すってさ」
　夢宮瑠奈は七輪サンマさんを捕まえたが、手放した途端、逃げられた。
　パワーストーンの方角に逃げたので、幽霊サンマさんと一緒に捕まえられるかもと八神修が言っていた。
　御剣刀は、カプセルを取りに【ZePet】に向かい、遠矢護は『ゆめゆめ』に用があるというので波乗りサンマさんを探すことになるだろう。
　後木真央は『ねこのて』にモーニングを食べに行くというので、ソフトクリームサンマさんを見つけるかもしれない。
「情報があったサンマさんは、その店に任せよう。別行動の龍目君と五月さんにカプセルを手渡した。見つけ次第、ここに持ってくるそうだ」
「シークレットだけど、どんなものかわからないねー」
　ガチャ商品写真入りの商品パンフレットを見て、これは苦労しそうだねーと言う初島優。

　店内を引っぺがして探すのは非効率的、面倒臭いことをしたくない如月庚はサンマさん本人の嗜好、考えを利用した作戦を提案した。
「神魂を宿したガチャとはいえ、所詮はサンマさん。奴は七輪に目が無い……。模型かフィギュアの七輪を用意すれば、おびきだすことができるんじゃねぇか？」
　神魂が宿ったサンマさんガチャは、ある意味、サンマさん本人ともいえる。
「面白そうアルー。如月君の作戦に賛成アル！」
「畑中さんがそう仰るなら異論はありませんわ」
　畑中華菜子が賛成するなら、ということで、財前華蓮も同意する。
「試してみる価値はあると俺様も思うぜ。七輪をどこで用意するか、が問題だけど」
「七輪か……。七輪を担いだ等身大サンマさんフィギュアがあったな。倉庫にあるはずだから探してみる」
「八重崎先輩、私も探すアル。人数が多いほうが早く見つかるアルヨ」
「私もお手伝いしますわ。華菜子さんだけに、手伝わせるわけにはいきませんもの」
　華菜子の手伝いのついでに五郎八の仕事ぶりが拝見できる、という華蓮の思惑は内緒。
「庚君も手伝ってね。言いだしっぺなんだから。運ぶ時は、男手がないと困るんだよ。宇佐見君は連絡待ちだけど、サンマさん運びは手伝ってほしい」
「はいはい……」
　五郎八姉ちゃんには敵わねえ、と、庚も等身大サンマさんフィギュア探しを手伝う。

　サンマさんフィギュアの在庫を探している間、【ZePet】前に着いたという刀が望月に連絡を。
「御剣が【ZePet】に着いた。ちょいと行ってくる」
「それじゃ、これ渡して」
　五郎八からカプセルを受け取った望月は、店の前で待つ刀のところへ。
「わざわざ悪いね。ほい、カプセル。見つけたら、こいつに入れてくれ」
「わかった。捕まえたら大急ぎで持ってくる」
　頭を下げ、刀は大急ぎで【ZePet】を後にした。

　五郎八達が見つけ出したサンマさんフィギュアは、２００センチ、８０キロと本人を忠実に再現していた。
　倉庫の隅に置いてあったので、相当、埃をかぶっていた。使う前に大急ぎで埃を払い除け、望月が戻ると同時に運び出す。
「重たかったですわ……」
　疲れ果て、床に座り込む華蓮。
「お嬢様なぜんざいちゃんには、重労働だったな」
「財前ですわ！」
「わり、配膳ちゃん」
「……もういいですわ」
　何度怒っても、望月はあだ名で呼ぶだろう。
　怒りを通り越し、呆れてしまったので反論する気が失せた華蓮だった。