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歴史の旅人「本能寺の変」
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chapter.9 燃
深雪が連れてきた援軍、信忠軍は明智軍の背後を突くことに成功した。
が、やはり数百と万では差がありすぎるのか、不意打ちの勢いは徐々になくなりつつあった。
元より明智軍の何割かは、大将警護のため本能寺内には入らず守備陣形を取っていた。その部隊が迎撃に当たっただけで、本能寺側の窮地は依然変わりない。
「零、まだなの?」
脇寺では、冥が今か今かと彼の指示を待っている。それを受け、零が辺りを見渡す。多少は敵兵が増えてはいるが、彼が描いていたよりはまだ少ない。
それでも、ここあたりが限界だと感じた零はついに冥へ合図を送る。
「今じゃ、冥。館に火を」
それを契機に、冥は本能寺に火をつけ、誘き寄せた明智軍に大打撃を与える……はずだったのだが。
「何をするのです!」
指示を聞き逃さなかった蘭丸が、零と交えていた刃の矛先を、咄嗟に冥へと変えた。
「っ!」
彼の一撃をぎりぎりのところでかわした冥は、蘭丸をどうにか落ち着かせようとする。
「ちょっと、聞きなさいよ。これは明智軍の士気を下げる作戦で……」
「しかし、信長様はそれを知らない! 万が一にも、信長様が巻き込まれてはいけないのです!」
小姓として、主の安全を第一に考えた蘭丸が、零と冥の策に抗う。
その直後、再度部屋に翡翠が入ってきた。今度は、人の姿で。
彼女は蘭丸たちを見つけるなり、こう告げた。
「隣の脇寺から、火の手があがってるみたい」
「……何だって!?」
蘭丸が声を荒げ、冥を睨みつける。
「え、いやちょっと、それはあたしじゃないって……本当よ?」
「しかし、館に火を、と言っていたではありませんか!!」
詰め寄る蘭丸を、どうにか零がなだめる。
「待て。冥は確かにずっとここにおった。隣の脇寺に火をつける暇はなかったはずじゃ」
「では、一体誰が……?」
戸惑う蘭丸と、予想外の形で策が成った零と冥。しかし火の原因は分からず、不気味な印象は残る形となってしまった。
翡翠が脇寺で蘭丸に報告をするしたその数分前。
明智軍の陣地では、光秀の前に跪き、頭をこれでもかと地面につけている士がいた。
「殿! 此度の奇襲では無事正門までは突破できました! しかし、奇襲といえども相手は織田信長! 奇策をまだ秘めているやもしれませぬ! そこでこちらは、火計を用いてあぶり出すことを進言いたします!」
士曰く、火計によって相手方の後退を不可能にした上で、弓を用いた戦術を使うことが最上の手段とのことらしい。
「……それは、あれを見てのことですか」
光秀が問う。指さす先には、織田信忠の軍勢。
「はっ! やはり織田軍はあのような奇策を用いてくるため油断はならぬと……!」
彼の問いかけを、心情の説明と受け取った士は思いのまま話をする。しかし光秀が尋ねた理由は、異なっていた。
士の口から「信長」という言葉が出たことで、駒鳥同様に間者かと疑いを持ったからだ。
案の定、士は光秀の予想していた、ある意味期待通りの言葉を放った。ならばと、光秀は付近の兵を士の両脇に立たせ、腕を掴ませる。
「と、殿!?」
「如何にもあれは織田信忠の軍。しかし何故、あの軍勢を家康公が織田方に頼んだ援軍と思わず、織田軍と言いまとめたのです?」
鋭い視線が、士を射貫く。
「あなた方は今、家康公を討っている最中のはずでしょう?」
光秀の言葉が終わると同時、士は引っ捕らえられた。駒鳥も士も、なまじ歴史を知っていたことが裏目に出てしまったのである。
「その者は手と足に枷をさせ、陣地内に捕虜として閉じ込めておきなさい」
大将の指示にすぐさま兵たちは従い、あっという間に士は身動きを封じられてしまった。それを見届けた光秀が言う。
「ただ、あの間者の狙いは分かりませんね……特にこちらの情報を引き出すでもなく、不利な選択肢を取らせるでもない……」
むしろ、火計は自分も考えていたところであった。間者と疑った者と同じ策と取るのは不気味な感じもしたが、光秀はあらかじめ心に決めていた。本能寺を燃やすことを。
それを、彼は口にする。
「火を、放ちなさい」
「……え? しかし、まだ本能寺内には我が軍の兵も……」
「放ちなさい」
ぞっとするような、冷たい声。気圧された明智の兵が、急ぎ火を用意し本能寺の敷地へと火矢の放った。
庭園から脇寺へと、瞬く間に火の手が広がっていく。それを自軍陣地より眺める光秀の顔は、いつも自分が見てきた信長のそれに似ていた。
「さあ信長殿、大好きな火をお届けしましょう」
光秀が、自軍の兵が犠牲になることを意にも介せず火攻めを行ったことで、零と冥の目論見は完全に崩れた。
「こうなったら、蘭丸さんにもシールを貼って本堂まで運んで、信長様たちと合流させるしか……」
夏朝がこっそりと蘭丸の背にシールを貼る。
「これ、は……!?」
体重が明らかに減って、体が軽くなったのを感じる蘭丸。夏朝は説明する時間すら惜しんで、蘭丸を抱えようとする。
「すみません突然! でも、貴方には信長様と共に生き延びてほしいんです!」
が、軽くなったとはいえ筋力や体格は変わらない。蘭丸は突然抱きかかえられそうになったため、夏朝の腕の中で思い切り暴れた。
「って、ごめんなさい暴れないでじっとしててお願いだからあぁぁぁ!」
釣られるように夏朝もバタバタと四肢を動かし、気がつけばふたりは意図せず組んず解れつの有様になっていた。
「……何やってんの」
それを見ていた翡翠が、冷静につっこんだ。
「さっき猫になった時に、近くの野良に話を聞いたら裏門から出られそうだっていうから、そっちに行くよ」
なんと、彼女は情報の伝達ばかりでなく、収集までも行っていたようだ。
「ま、そうしたところで何も変わらないのかもしれないけど、やってみようよ。信長のところに行くんでしょ?」
翡翠が手を貸すと、彼女の言葉が染みたのか蘭丸はそれ以上暴れることなく、素直に彼女たちに従った。両脇を夏朝と翡翠に抱えられながら、蘭丸は本堂へ向かう。
「あ、そうそう」
くるり、と翡翠が振り返って言った。
「猫が、寺を燃やされて怒ってたよ。迷惑だー、ってね。良かったじゃんか、実行犯にならなくて」
そんな彼女の言葉に、思わず零と冥は顔を見合わせるのだった。
脇寺は、既に半分ほど火に包まれていた。
「マ、マントが役に立たないであるかっ!」
脇寺屋根に未だ立っていた修一郎は、もしもの時の火攻め対策にとまとっていた布きれに水を吸わせていたのだが、立ちのぼる煙と上昇する温度、そして飛びかかる大量の火の粉の前では気休め程度にしかならなかった。
「くっ……こうなっては是非もなし! 私は逃げるぞ!」
高らかに逃走宣言をした修一郎は、一目散に屋根から庭園へと降り立った。敵兵も、今やその多くが敷地外へと脱出しようとしており、刃を向けられる心配もほぼない状態であった。
「フフ、フハハハ! ようやく私の恐ろしさを知り尻尾を巻いて逃げ出したか! 否、逃げ出した、であるか!」
それをすっかり勘違いし、高笑いしながら腰に手を当てる修一郎。わざわざ語尾を直すあたり、もしかしたら信長っぽい口調を気に入ったのだろうか。
「フハハ……うん?」
と、彼はその時、あるものを目撃した。
それは、燃え行く脇寺の中で屏風の下敷きになったままの洋志であった。
「た、助けて……」
「むう、信長の死も見過ごせぬが、命乞いをしている貴様もまた見過ごせん!」
修一郎はすぐさま駆け寄ると、屏風を持ち上げようとする。が、予想以上に重かった。言うまでもなく、夏朝のシールのせいである。
「お、重いぞ……っ!?」
これはまずいのではないか。修一郎の頭にそんな考えがよぎった時。
「今助けるよっ!」
威勢の良い声がかかった。振り向けば、そこには米太郎と駒鳥が走り寄ってくるところであった。
たとえ敵軍の格好をしていても、怪我をしそうになっている者は放っておけない。米太郎のそんな思いが、洋志の窮地に彼を遭遇させたのだ。
「あ、駒鳥……さん」
「む、松谷か。もう少しの辛抱じゃ」
既に顔見知りだったらしい駒鳥が、洋志を励ます。その間に米太郎は、ろっこんを発動させる。奇遇にも彼のろっこんは、夏朝と似たタイプのものだった。
つまり、重力操作である。
「おお、軽い、軽いぞ!!」
米太郎によって屏風付近の重力が取り払われ、修一郎は容易くそれを持ち上げることが出来た。
「ここはもう長くは持たぬ。早く脱するのじゃ」
そして、駒鳥が洋志の手を掴むと彼らは全力で脇寺から庭園へと走り抜ける。その直後、脇寺が炎で倒壊した。
まさに、危機一髪のところであった。
◇
脇寺が燃えさかっているその時、本堂では真央が屋根に上り、あらかじめ防火用として備えていた水をばらまきつつ、拾った箒で火矢をはたき落としていた。
「ユキちゃんセンパイは間に合ったみたいだけど、修ちゃんがまだなのだー! 箒で防ぐにも限度があるのだ!」
その言葉通り、彼女ひとりで防げる量などたかが知れている。既に脇寺と繋がった廊下から本堂へと火の手は及びはじめており、真央の行動がかろうじて本堂が全焼するのを遅らせている状況だ。
しかしそれも、もう長くは持たない。
「出来ることをするのだ、それで頑張るしかないのだ……!」
それでも彼女は、自らを奮い立たせる。
そんな中本堂に辿り着き、屋根の上の真央を見つけたのは瓢だった。
「んん? 真央嬢かい。相変わらず派手に動いてるねぃ」
「瓢ちゃん! 丁度良いところに来たのだ火事を防ぐのを手伝うのだ!」
真央はここぞとばかりに頼み込むが、瓢の返事はつれなかった。
「残念だけど、あっしはちょいと野暮用があってねえ。中へ入らせてもらうよぃ」
言うと、真央の反応を待たずして彼は本堂へと入っていこうとする。
——火事を防ぐなんて、とんでもない。むしろ火を放って自決の芝居を献策しようとしていたところさぁ。
心の中で、真央にそう言葉を返しながら。
「あ、待つのだ瓢ちゃん!」
「おおっと、どうしたんだよぃ。あまりあっしも、ここに長くはいれないから話は手短に頼むよぃ」
うっかり心の声が漏れたか、と一瞬焦った瓢だったが、そうではなかったらしい。
「ここでもし死んだら、寝子島の真央ちゃんはどうなるのだ? 死んじゃうのだ?」
「その可能性も、あるかもしれんねえ」
瓢の答えに、真央はとても悲しそうな顔を浮かべた。
「死にたくないのだ……おじぃ……叔父貴……真央ちゃん生きて戻りたいのだ〜!」
「そうさねえ……生きて戻れたら素晴らしいことだねぃ」
それだけを告げて、瓢は今度こそ本堂の中へと姿を消した。
「出来れば、信長も一緒にねぇ」
誰にも聞こえぬよう、そう呟きながら。
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月25日
参加申し込みの期限
2014年04月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月01日 11時00分
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