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歴史の旅人「本能寺の変」
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chapter.8 応
美咲紀が本堂に入ると、そこには報告通り肩に鉄砲玉を受け、血を流している信長がいた。
「信長さんっ!」
慌てて駆け寄り、美咲紀は傷口を見るやいなや本堂奥へ信長を連れて行こうとする。が、信長はそれに応じない。
「ぬるいわ! これしきのことでこの信長が退くと思うたか!」
威のこもった声を上げるが、肩口の傷は決して浅くはない。
「……信長さんなら、そう言いそうな気がしてた。分かった、でも信長さんは死なせない!」
言うと同時、美咲紀は信長の背後に隠れるように本堂内へと進み、信長からも、敵軍からも死角に入った。それを確認すると、彼女は懐から花を取り出す。最初に庭園を通った時に、摘んでいたものだ。
なぜ花を取り出したか?
それは、彼女のろっこんに欠かせないものだからだ。美咲紀の使う「舞花の祈り」は、花を持って舞うことで視認した生物の怪我を治療できる。
そう、美咲紀は信長の、織田軍のために舞おうとしていたのだ。
彼女は普段からスマホに入れて見ている動画を思い起こした。馴染みのあるメロディーと歌詞が、すっと体に入ってくる。
そのリズムに合わせるように、美咲紀は踊った。
誰にも見られることのない、ひとりだけの舞台。静かな、それでいて凜とした踊り。それは特殊な力となって、目の前の信長の傷を修復させた。
「……傷が、失せた?」
自分の体の異変に気づいた信長が、肩を撫でながら呟く。確かにさっきまでその肉体を貫いていた穴が、完全に塞がっている。血も、もう出ていない。
何事か。
信長は一瞬考えを巡らせようとしたが、すぐに止めた。自身に死が差し迫っている状況で、その行為にあまり意味はないと悟ったのだ。
傷がないのであれば、それで良い。信長にとっては、そう思えるだけで充分であった。
彼が振り向くと、既に踊りを止めていた美咲紀と視線が合った。彼女は消えた傷口を見て、にこりと笑っている。
「そこの者、薙刀を持って参れ。もうこの弓は使い物にならぬ」
見れば、弓には既にひびが入っており、いつ折れてもおかしくない状態だった。
美咲紀のろっこんでは、生物でないものは修復できない。しかし彼の闘志が衰えをまったく見せないのは、彼女が体の傷を治した影響も少なからずあるだろう。
「はいっ!」
美咲紀は壁にかけてあった薙刀を信長に渡すと、再び本堂奥へと戻った。何度信長が傷ついたとしても、何度だって治してみせる。
きっと、そんな思いを抱いて。
信長のいる本堂と繋がっている脇寺では、蘭丸と零の戦いが今もなお続いていた。正確に言えば、戦い続けているフリをしていた。
「……私は、いつまでこうしていれば良いのですか。こうしている間にも敵は信長様に近づいているかもしれないのに!」
蘭丸が距離を置こうとする。が、零がそれを許さない。明智軍の士気に影響を与えるには、まだ時間がいる。
より多くの明智軍を、誘き寄せねばならないのだ。
無論、そうしている間にも徐々に敵は迫ってくる。
「本堂前は人が多すぎる! ここから本堂に渡れるぞ!」
迂回の道を見つけた明智軍の兵が、彼らのいる脇寺へと進軍してきた。零は迷った。
ここで桔梗の紋を背負った自分が明智軍を相手にすれば、その立ち位置が晒されてしまう。そうなれば計略どころではなくなる。
「僕が止めるよ」
そこで、名乗りを上げたのが夏朝であった。
彼女は懐から猫のシールを取り出すと、近くの屏風を倒しながらシールを貼った。彼女のろっこんは、シールを貼った対象の重力を操作する。
従って、屏風はずっしりとした重さを持った障害物となって、明智軍の前に塞がったのだ。
「そう簡単に、ここを抜けられると思わないで……!」
さらに夏朝は、部屋にあった掛け軸や茶器などに片っ端からシールを貼り、投げられる程度の重さを持たせると次々と明智の兵へと投げつけた。
「うおおっ!?」
「痛っ!!」
正体不明の質量を持った飛び道具に、明智軍は想像以上に混乱している。その一軍の中に、強引に駆り出された洋志もいた。
「な、なんだか皆混乱してる……うう……今すぐここから逃げ出したい……!」
泣きそうになりながら、洋志は槍をぶんぶんと振り回している。もはや破れかぶれだ。光秀の下で保護してもらうことも叶わず、逃げ出すことも出来なかった彼は今、追い詰められていた。
しかし、予期せぬ救いの手が、彼に差し伸べられる。
「行かせないよ!」
夏朝が、重くした屏風を倒す。その先に、洋志がいたのだ。
「えっ……!?」
覆い被さる影。洋志は回避する間もなく、屏風の下敷きになった。起き上がれないほどの重さはないが、完全に彼の姿は屏風に隠れていた。
あれ、これってもしかして……このままやり過ごせるかも!?
洋志は思った。その想像通り、彼の存在はその後しばらく、敵にも味方にも気づかれることはなかった。
◇
脇寺で懸命に防衛し続ける夏朝の他、本堂で信長を回復させた美咲紀や、庭園で奮闘を続ける海斗なども力を尽くしてはいるが、やはり多勢に無勢。
あまりに多すぎる明智軍を相手に、不利な状況を覆すことは出来ないでいた。
しかしその時、正門にいた明智軍の背後から足音が聞こえた。それも、ひとつやふたつではない。多くの人間が走る音だ。
「……?」
光秀はその異変に気づき、後ろを振り返る。そこで見た光景に、彼は驚き大きく口を開いた。
「あれは……!?」
彼方から向かってくる、数百ほどの軍勢。まだ光秀のところからは確認できないが、それは紛れもなく、信長の長男、織田信忠が率いる軍であった。
その先頭を走っていたのは、深雪である。
彼は修と共に援軍を頼むため本能寺を後にしていた。馬にまたがり彼が赴いたのは、ここより1キロほどの距離にあった妙覚寺だった。早い馬なら、数分あれば辿り着く距離だ。
「ちっ……もう戦が始まっていたか」
自分の予想よりも遅れた到着に、舌打ちをする深雪。本来ならば、もっと早く援軍と共にここに戻るはずであった。
それが出来なかったのは、信忠の説得に時間を要してしまったからだった。
「明智謀反の動きあり!」
妙覚寺を訪れた深雪は、声高に告げた。織田軍の甲冑を着た彼は疑われることなく中へと入ることを許されたが、そこには既に事態を把握していた信忠の姿があった。
「落ち着け。本能寺のことは貞勝(※2)より聞いておる」
信忠が深雪に告げた。その脇には、ひとりの老兵。貞勝と呼ばれたその男は、軽く深雪に視線を動かすとすぐに信忠へと戻した。
「信忠殿、本能寺は既に明智の兵に囲まれ手遅れでございます。かくなる上は、二条城へ移動し、そこで籠城戦に持ち込む他ないかと」
「むう……」
信忠が思案した。貞勝の提案は、概ね間違ってはいない。
光秀の性格を考えれば、京はもう包囲されていると考えるのが普通であろう。となれば、京から脱することは不可。だが、争うにもこの妙覚寺では籠城もままならぬ。
恐らく、貞勝もそのように考えを進め、守りを固めることが出来る二条城への移動をと思い至ったに違いない。
その案は、間違ってはいない。だが結果として、彼らはその二条城で果てることを、深雪は知っていた。
「違う……」
ぽつりと、深雪が漏らす。それでは、織田に未来は訪れない。深雪は懸命に主張した。
「違うんだ! それじゃ駄目なんだ!」
声を張る一方で、目の前の武将たちが一兵士の感情論だけで動くことがないのは分かっていた。ならばと、深雪は切り札を切る。
「今、俺とは別の使いの者が堺に向かっている」
「堺に……?」
信忠が思わず聞き返す。ここから堺までは、本能寺の何倍もの距離がある。
「信孝に……信孝様に援軍を頼みに行ったんだ。それが間に合えば、戦況は分からなくなるだろ?」
「確かに、我が軍だけでは加勢に行ったとしても数が足りぬ。しかし信孝の軍も加わるとなれば……」
信忠が深く考える。彼とて、父親をむざむざ見殺しにしたいわけではない。
「……貞勝、急ぎ軍を率いて、本能寺へ向かうぞ!」
勇ましい声が響き、その十数分後、信忠軍は本能寺に駆けつけることとなる。
「戦が始まっているのなら、今いる位置を活かし、背後を突けば良い!」
舌打ちした深雪に対して信忠が返すと、深雪も頷いた。
間違いではないことが正解とは限らない。それを、彼らは証明できるのだろうか。
戦いは、より熾烈を極めていく。
その様子を本能寺を囲む塀に上って、眺める者がひとり。
「援軍ねぇ〜。時代をねじ曲げるなんて、ありきたりで面白くもない」
骨削 瓢
はにやにやと援軍と明智軍を見比べながら言った。
「なにより、知将によって周到に用意された万の兵と、寝巻き同然の数百人の差を、もれいびといえど高校生がどうこう出来やしないさぁ」
織田軍の甲冑を着ていながらも、瓢は自軍に対し冷めた言葉を放っていた。とは言え、信長を殺させるつもりもないようだ。
「さて、あっしはあっしの目的のために動くとするよぃ」
ひょいと塀から飛び降りた瓢は、本堂へと向かった。
※2 貞勝……織田家家臣、村井貞勝(むらいさだかつ)。長く信長の下で仕え、主に政務を担っていた。
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担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月25日
参加申し込みの期限
2014年04月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月01日 11時00分
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