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歴史の旅人「本能寺の変」
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chapter.7 混
正門から明智軍の兵がなだれ込んでから数分。
本堂前の庭園では、両軍の戦いが本格化していた。
「ありゃあ……門の前に狩猟用の罠を置いといたんだけんども、取り払われてしまっただか」
海斗が、押し寄せる明智軍を前に言う。
彼は門が突破された時に備え簡易的なヒモなどを用い狩猟用の罠を設置していたのだが、煽のろっこんによって門と一緒に弾き飛ばされてしまったようだ。
「白兵戦になってしまうっちゃね……それならそれで、手はあるべ!」
金砕棒と呼ばれる、現代風にざっくり言ってしまえば釘バットに近いそれを担ぎ、海斗は声を張り上げた。
「ここは本能寺であるぞ! 貴様ら、如何なる理由を持って攻め入ったのか!?」
兵士たちは一瞬顔を見合わせたが、すぐに怒声と共に言葉を返す。
「家康公の首をとるために決まっておろうが!」
「そこをどけい! どかぬのなら叩き斬る!」
家康公?
それを聞きなるほど、と海斗は思った。この者たちは、委細を知らされていないのだと。そしてならば、つけいる隙はあると。
「今ここにいるは織田信長ぞ! この場で織田に下り、明智を討つならば恩赦を賜らんこともなし! 即刻我が軍勢に加わり、逆賊を討てい!」
凜とした口調で、時代に合わせた台詞を言い放つ海斗。
しかしこれは、脇寺の屋根にいる修一郎の二の舞であった。
それが真実であっても、あまりに多くの敵兵を前にして一兵士の言葉は無力に近かった。
「敵は、逆賊明智である!」
海斗はそれでも懸命に声をかけるが、自軍の大将を逆賊呼ばわりされてはかえって兵たちの怒りを買うだけであった。
血相を変え突撃してくる兵たちを見据え、海斗は兵を動揺させることは厳しいと悟る。
ならば、己の力で戦うのみ。彼はそう決心し、金砕棒を頭上で振り回す。
「それ以上来るなら、容赦しねえっちゃ!」
小柄な体に似つかわしくない腕力によって振り下ろされた金砕棒は、周囲にいた明智兵の甲冑に手当たり次第にぶつかり、勢いよく人を押し倒した。
「こ、こいつ強いぞ! 気をつけろ!」
明智軍の兵が声を上げ、警戒を強める。海斗はそれらと相対しながら、見知った顔が敵兵の中にいないことを祈った。
寝子島の人は傷つけたくない、そう思っていたからだ。
だが、明智軍の中には海斗のように寝子島から飛ばされてきた者も少なからずいる。
ここに来て早々、敵と一戦を交えた刀も、そのひとりである。
彼は、「加速」のろっこんを使いながら庭園内で織田軍の兵と戦っていた。特に光秀に思い入れがあるわけではない。
最初に斬りかかられた相手が織田の兵で、自分が着ていた装備が明智軍の物だった。あえて理由を言えば、それだけである。
「……」
刀はちらりと、斜め後ろに位置する正門の方に目を向けた。
そこには、先ほど自分と刃を交えた織田軍の門番が血を流し倒れていた。
「死んで、いるのか……?」
ここからでは生死を確認は出来ない。だが、この戦力差で蹂躙されたことを考えれば、どちらの確率が高いかは明白だ。
ついさっきまで自分と戦っていた相手が、死んだ。殺したのは自分ではない。
自分ではないが、地面に横たわるその肉体は、刀に死の臨場感を覚えさせるには充分だった。
「まずは生き残らないと……このままだと、俺が死ぬ」
刀は、眼前に迫り来る刃を日本刀で受け流す。すると相手のバランスが一瞬崩れる。返す刀でそこに斬りかかれば、相手の命は絶たれるだろう。
だが刀には、それが出来なかった。掲げた日本刀が、動きを止める。同時に刀の脳裏に浮かんだのは、躊躇。
——生き残らなければならない。
だけどそのために、俺は人を殺すのか?
ここで?
「……くそっ」
刀は足をかけ目の前の敵を転ばせると、次に自分へと襲ってくる槍を防ぐべく姿勢を変えた。
その間にも、思考は止まらない。
以前にも、似たケースはあった。しかしその時は、夢の中に似た状況。空想の相手。そこでの死は、擬似的なものだった。
だが今自分が目の当たりにしているのは、紛れもなく本物の命の遣り取り。刀はそれを肌で感じ、決心できずにいた。
「俺に……目の前の人を殺せるのか? たとえ俺を殺そうとしている相手でも……」
自らに問いかけたその言葉への答えは、既に出ていた。
つい先刻、体勢を崩した相手に日本刀を刺さなかったのが何よりの答えだ。
刀は思う。
剣術とは、人を殺す技術であると。
ただこの状況で、相手を殺すために武器を振るえない自分がいることに気づいていた。その感情の根源は、畏怖だ。殺すのが怖い。人殺しになることへの嫌悪感も、拭い去れない。
その一方で沸き上がる、「死にたくない」という生への渇望。殺すことを拒んでいながら、自分が傷つけられることもまた、彼は受け入れられずにいた。
人間として、当然の感情なのかもしれない。しかし刀は、剣術を習う者として耐えがたい屈辱を味わっていた。
「剣術を極めるって言っててこの様かよ、情けない……!」
ぎゅっと日本刀の柄を握りしめる。刀の目に、強い光が宿った。敵兵が彼へ斬りかかる。刀はそれをかわし、敵の背後を取った。そこに、腕を振り下ろす。
「……斬ったの?」
横から、声がかかった。それは前線でろっこんを使い活躍していた、煽の声だった。刀は一呼吸置いてから、短く告げた。
「いや、峰打ちだ」
それを聞いて、どこかほっとした様子の煽。
刀が強く柄を握りしめその目に光を宿らせたのは、殺すために決意を固めたのではなく、混濁した自分の感情を払拭するための鼓舞だった。
屈辱が拭い切れたわけではない。それでも。
「覚悟なく、人は殺せない!」
声をあげ、刀が再度強く日本刀を握りしめた。その様子に、煽が一歩近づく。
「ん?」
「……私の後ろにいて」
言って、煽は刀の前に立った。
「私の力なら、触れようとするものを弾き飛ばせる。少なくとも、敵と接触する機会はこれでグッと減るはずだから」
煽の言葉から、刀は彼女ももれいびなのだろうかと推測する。とはいえ、女性ひとりを矢面に立たせるのも気が引ける。
「ありがとう。でも、後ろじゃなく隣を行くよ」
彼女へそう告げた刀は、前に一歩進んだ。
それは殺すためではなく、生き残るための一歩。
表情があまり変わらないので言い切ることは出来ないが、隣の煽の口元が緩んだ気がした。
◇
その頃、蘭丸がいる方の脇寺では。
「森……蘭丸か」
明智軍の甲冑をまとった零が、蘭丸と対峙していた。
「如何にも。私が森蘭丸です。あなたは?」
「夏神零」
短く、自分の名前だけを口にした。互いの間は、2メートルもない。それ故か、緊迫感が漂う。
その空気を破り口を開いたのは、蘭丸だった。
「明智が兵、夏神零。この森蘭丸が成敗致す!」
言うと同時、蘭丸が一気に距離を詰めた。
「……いざ、参る」
零は静かに呟くと、右肩をめがけ放たれた一撃を槍で受け止め、斬撃の方向を逸らした。
「やりますね!」
蘭丸は初撃が届かなかったことを悔しがるよりも先に、次なる攻撃を繰り出してきた。しかしそれも、零の槍に防がれる。そんなやりとりが何度か続いたところで、蘭丸が声を上げた。
「なぜ、攻撃してこないのです!」
そう、零は蘭丸の斬撃を防ぐことはあれど、自ら仕掛けることはしていなかった。そんな零に苛立ちを感じたのか、蘭丸はこれまでよりも強く、鋭い一撃を放った。
「……っ!」
それも槍を盾に防ぐ零だが、さすがに応えたか、手に痺れが伝わった。隙を突かれぬ様、槍をぐいと蘭丸へと押しつけて体を密着させ、間合いを詰めることで相手に武器を振るわせまいとする。
そして距離の近づいた今が機と、零は小声で蘭丸へと話しかけた。
「拙者は明智軍の格好こそしているが、最終的な目的はお主と変わらぬよ」
「それはどういう……!?」
蘭丸が想定外の言葉に動揺を露わにする。零はそれ以上詳しくは語らず、蘭丸へ短く告げた。
「信長を助けたいなら、しばらくこのまま拙者と対峙するのじゃ……助けたいのであればじゃな?」
「何を企んで……」
言いかけて、蘭丸はそもそもこの現状がおかしいことに気がついた。
あれだけ明智の兵がいるにも関わらず、目の前にいるのが零ひとりであること。
目の前の敵は、まるで最初から自分を知っているかのような言動であったこと。
そして、先ほどまで自分の近くにいた女侍たちが加勢の様子を見せないこと。
「……」
蘭丸は意識を零から離さず、視線だけをちらりと横へ向けた。夏朝や、美咲紀の方へ。
するとそこには、自軍の兵士がいつの間にかひとり増えていた。
「先ほどとは違う……女侍?」
その人物は、冥。
何を隠そう、本来敵軍であるはずの零をここまで導き、招き入れた張本人である。ちなみに冥の性別は男性なのだが、外見の性質上それを知らぬ蘭丸が女侍だと思うのも無理はない。
「零、上手く蘭丸を説き伏せられるといいけど」
その冥がぽつりと漏らすと、夏朝が不安そうに尋ねた。
「ねえ……本当に、これで信長さんも蘭丸さんも生き延びることが出来るの?」
先ほどここに現れた零と冥を見るなり応戦しようとした夏朝だったが、自軍の格好をした冥に半ば強引に説得され、蘭丸と零の戦いを見守る運びとなっていたのだ。
「大丈夫よ、零には策がある」
夏朝に向かって、冥が答える。
その策とは、折を見てこの本能寺に火を放つことであった。
明智軍が建物内に押し寄せたところを火で牽制し、士気を下げることが狙いらしい。そのためには、少しでも多くの明智軍を敷地内に誘い込む必要がある。
零の言動は、そのための時間稼ぎということなのだろう。
「そう、なんだね……」
委細を聞かされたわけではなかったが、夏朝は一応納得の形を見せ、このまま見守ることを決めた。零が一切手を出していなかったのも、彼女をそうさせた一因であろう。
だがしかし、彼女は先ほどから感じる嫌な予感を拭いきれずにいた。
それはこの後すぐ、現実となってしまう。
「にゃあ」
部屋に突如忍び込んできた、一匹の猫。しかし一鳴きするとすぐに、部屋から出て行った。
「……こんなところに、猫が?」
元より猫への関心が高い夏朝が、不思議に思い猫を追った。美咲紀も、それに続く。
「あれ……っ!?」
がしかし、部屋を出たところにいたのは猫ではなく、ひとりの女性だった。ろっこんを解除し、人の姿へ戻った翡翠である。
「あの、こっちに猫って……」
夏朝が問いかけようとしたのを遮り、翡翠が告げる。
「そんなことより、一大事だよ」
「え?」
美咲紀が心配そうな瞳で見つめる。彼女たちに翡翠は少しだけ間を置いて、報告した。
「織田信長が、ついさっき敵の矢を受けて怪我したみたい」
「……!」
猫となり、人では見ることの叶わぬ視点と行動範囲で本能寺内を徘徊していた翡翠は、誰よりも早く本堂の異変に気づいていた。
それを聞いた夏朝、美咲紀の顔から、血の気が引いた。しかし美咲紀は、すぐに表情を引き締め直すと、本堂へと駆けだした。
「あ……」
戸惑う夏朝に、美咲紀が言う。
「君はここにいて大丈夫! 信長さんは……私が助けるから!」
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月25日
参加申し込みの期限
2014年04月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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