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歴史の旅人「本能寺の変」
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chapter.10 爆
瓢には、ある思惑があった。
信長をこの場ではとりあえず死んだという体にしておいて、元いた世界に彼を連れて行くという狙いが。無論、帰る方法や連れ帰ることが可能かどうかは知らない。
だが、瓢は「もし現代に信長が再臨したら」と考えると胸の高鳴りが止まらなかった。
「きっと、素晴らしい混沌の引き金になるだろうねぇ」
期待を胸に本堂へと入る瓢。
だがしかし、史実では信長はここ本能寺で亡くなったとされている。そして、歴史を忠実に守ろうという意志を持った者が、瓢の知らないところで存在していた。
それこそが、光秀の命により捕らえられていた士である。
「……手足を封じられても、指が動けば充分だな」
今彼は、四肢を縛られ地に寝転ばされている。本堂からは、多少の距離のある明智軍本陣でだ。
彼にとって唯一の幸運は、自身のろっこんが口と指さえ動けば発動するものであるということだ。
すう、と士はゆっくり深呼吸をした。そして、指を小さく三度鳴らす。
これにより、士のろっこん「天の救い」が発動した。小規模な範囲で天候を変化させるその能力で彼がやったことは、風を強く吹かせることだった。
「おそらく、史実通りに信長を討てば、元の場所へ帰れるに違いない。それに……」
士なりに働かせた推理を口にする。同時に、意志も。
「歴史の改ざんはフツウを乱しかねん」
そんな決意と共に発動されたろっこんは、本能寺を燃やす火の勢いを加速させた。
信長を生かそうとする者たちがいるのは知っている。しかし士は、仮に同じ寝子島の人間と戦うことになったとしても、フツウが乱れることを危惧し、阻止しようとしていたのだ。
本能寺は、完全に炎に包まれていた。
脇寺は全焼、庭園にも火の手が上がり、本堂も徐々に火炎に侵されつつある。
「ごほ……ごほ、信長……さん」
美咲紀が、流れてきた煙に咳き込みながら眼前の彼を見る。
もはや本堂付近に攻め入ろうとする敵兵はいない。火攻めを知り既に敷地から逃げたか、混乱し戸惑っているかのどちらかだ。
それでも信長はこの場所を動かなかった。その表情は、達観しているようにも見える。
「信長様っ!!」
そこに、夏朝と翡翠に連れられて蘭丸がやってきた。彼は信長の元へ駆け寄ると、真っ先に進言する。
「本能寺はもう持ちませぬ! ただちにここから脱出を!!」
「光秀が、それを許すと思うか」
蘭丸は言葉を失った。彼とて、光秀の知将としての器量を知らぬわけではない。仮にこの本堂から逃げられたとしても、京は封鎖されており、生き延びることは叶わないだろう。
ならば、ここで主と果てるが本懐か。
そう思った蘭丸の思考を、大きな声が勢いよく遮った。
「いたー、信長さんだー!」
叫びながら本堂へ入ってきたのは、少し前に一度信長と接触した荒太郎。彼は信長を見るなり駆け寄り、言葉を放った。
「ねぇ、もしかしてだけど、切腹する系ー? そんなのやだよー!」
信長や蘭丸の、諦観にも似た表情を見ての台詞だった。そして、荒太郎の純粋な気持ちだった。
「生きてれば、またやり直せるよー!」
何とか説得を試みる荒太郎。それに乗っかる形となったのは、様子を窺っていた瓢であった。
「信長様、どうか逃げ延びてはくれませんかねぇ」
ここで死なれたら、連れ帰れなくなってしまう。それを避けたい瓢としては、当然の進言だ。
「ところで信長様、濃姫はどちらへ?」
「お濃は、安土におる(※3)。なぜ今、それを聞く?」
「……いえ、お命が気がかりだったものでねぇ」
言葉に詰まりそうになったところを、どうにか誤魔化す瓢。まさか、自身のろっこん発動のため信長と濃姫の絡みが見たかった、とも言い出せず。
「それで信長様、どうされるんですかい?」
瓢が問う。すると信長は蘭丸へと命を下した。
「蘭丸、小刀を持って参れ」
信長のその言葉は、自決を表すものだとその場にいた誰もが察していた。
◇
本能寺の、台所にあたる箇所——庫裏にいた萌は、カレーつくりの仕上げにかかっていた。
「思ったより時間がかかっちゃったなぁ、でもその分、すっごく美味しいのが出来たもんね!」
思っていたよりも香辛料の蓄えはここになかったが、それでもカレーをつくることは不可能ではなかった。
「あとは仕上げに……あれ? 香辛料、もうないのかな?」
萌がきょろきょろと辺りを見回す。
「っていうか、なんだか暑くなってるような……気のせいだよね、うんっ!」
きっとカレーをつくっているから、厨房に立っているからに違いない。萌はそれ以上深くは考えなかった。
よもや、自分のいる寺が燃えているとは思いもしなかったのだ。
と、萌が何やら香辛料が入っていそうな器を見つけた。小さな壺のような形をしたそれを、萌は何のためらいもなく開ける。
「あっ、あった〜! よーっし、これで萌特製カレーが完成だよっ」
萌が、壺の中身を皿に盛る。思っていたより色が黒いが、こういう香辛料もあるのだろう。萌はそこに、何の疑念も抱かなかった。
——その黒い粉の正体が、火薬だったとも知らずに。
火の手は、既に萌のいる庫裏にまで及び始めている。この場所は本堂に隣接しているのだから、当然である。
「……あれ、なんだろう、変なにおいが……」
萌がそこで初めて異変に気づいた。同時に、全身を悪寒が包む。これは命の危険を知らせる信号だ。
本能が従うままに、萌は庫裏を飛び出す。
その直後、耳をつんざく衝撃音が辺りに響いた。
本堂を襲っていた火が火薬に引火し、小さな爆発を引き起こしたのだ。
「……っ!?」
本能寺の方角から聞こえた爆発音に、修は耳を疑った。
既に乱れている呼吸をもいとわず馬を限界以上に走らせれば、視界に燃えさかる本能寺が映った。彼は目をも疑う。
「間に、合わなかったのか……?」
そう呟く彼の背後には、少なくとも数百はいると思われる騎馬隊。その者たちは、皆織田の旗を掲げていた。
※3 濃姫(のうひめ)……信長の正室。信長と共に本能寺で戦い亡くなったという説もあるが、本作では本能寺にはおらず安土城から落ち延びた「御台所」という人物が濃姫である説を採っている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月25日
参加申し込みの期限
2014年04月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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