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さよなら、サンマさ……ん?
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【でも、やっぱり】
……しかしながら。
悲壮感漂うお葬式会場の中には、そんな空気にいまひとつ乗り切れない方々も、多少なりとも含まれてはおりまして。
「……本日は、お忙しい中、サンマさんのためにご足労くださり……ふぐぅっ。あ、ありがとうございますうぅ、ひっぐぅ。突然のことで、取り乱しっ、ううぅ、取り乱しておりましてっ。何かと、行き届きませんがっ、ふぐぐっ、お許しをおおおおおおおん……」
「ああ……いや……まぁ。心よりお悔やみを……」
もう、その場にがっくりと泣き崩れてしまいそうなほど、ずるずるのべたべたな
中沢 リッカルド
町長へ、いちおうのお悔やみの言葉を述べてから。
本田 宗次
は、適当な椅子の空きを見つけてどっかと座り込むと、長い、長いため息をひとつつきます。
「……わけワカンネエ……」
概して、熱狂的なサンマさんファンによって占められている、この濃密すぎる空間にありながら。宗次は別に、かの観光大使の死について、特別な感想を抱いているわけでもなく。ましてや、そのお葬式などというものに出席するつもりも、微塵もありはしなかったのです。
そんな宗次が、なぜ今、このサンマさん愛が過剰なまでにあふれた会場へと、重たい足を運んだのかと言いますと。
「まぁ……引き受けちまったからなぁ。こんなくだらんイベントの代理出席なんざ、ガラじゃあねえんだが……」
ふう、と、もう一つため息と共に、ぽつりと漏らします。
そう。探偵……という名の、実質は便利屋のような生業を営む宗次のもとに持ち込まれた、とある依頼。つまりは、彼は、狂信的サンマ・ファンであるクライアントの涙ながらの訴えに根負けし、ついつい、この代理出席という厄介極まる仕事を引き受けてしまった、というわけなのです。
報酬は、まさにはした金と言っていい程度の、みみっちい額。どうしても外せない用事があるとかで葬儀に出席できないという依頼人が、ちょうど先ほどの中沢町長のようなずるべたな調子で宗次へ迫ってくるもので、半ば押し切られるように、引き受けてしまったのが運の尽き。
とはいえ、体よく使われがちな便利屋家業でありながらも、彼とて、一応のプロ意識というものは持ち合わせているわけでありまして。一度受けてしまった仕事を、ぽいと投げ出してしまうわけには、もちろんいきません。宗次は、報酬分の時間は滞在してやろうと、ひたすらに辛い時間を過ごすことを覚悟しました。
それにしても……と、宗次は思います。
(……あんなナマモノのために、よくもまぁ、集まりに集まったもんだ……)
周囲を見回せば、広い会場を埋め尽くす、人、人、人。弔問客たちは揃いも揃って泣きはらし、大真面目に花を供え、説法にじっと耳を傾けているのです。
聞くところによれば、こんな事態にまで発展してしまった、そもそもの事の発端というのが……使いっぱなしで放置されていた七輪の周囲に猫が集まっていたのを、たまたま見かけた女子高生が大騒ぎした、というところから始まったのだと言うのです。誰も、死体やら血痕やら、何かしらの証拠を見かけたと主張する者は、誰一人としていないというのに。
「ああ……イヤな予感がするぜ。凄まじく時間の無駄になりそうだって、イヤーな予感が……」
宗次は、静かに、頭を振ります。一応、探偵という、世の中のリアルを追求するお仕事を肩書きとして自称する彼にとっては、ちょっともう、目の前に広がっているのは、自身の理解を越えた奇妙な世界……というやつで。そんな世界の一部として、この場にずぶずぶと浸っている自分の惨めさに、彼はまたしても、諦めの深いため息をつくのでした。
そんなことを、口には出さないまでも。彼のあからさまな仏頂面は、さぞかし会場内で浮いているのだろう……と思いましたら。宗次が首を巡らせますと、目に入ってきたのは、けろりとした顔で携帯電話を弄る、一人の女子高生。
彼女もまた、何かしら理由があって、望まぬままにこの会場を訪れたのでしょうか。少しばかり親近感を覚え、何となく少女を眺めていましたところ……唐突に、彼女が口走るのです。
「サンマさん……無茶しやがって……!」
不思議なモノを見るような、宗次の視線をよそに。
むふぅ、と一仕事終えたみたいに満足げな表情を浮かべる、
七緒 璃音
。いえいえ、まだ出番は、終わっておりませんよ?
「『サンマさんの葬式なう。ところでサンマさんって着ぐるmうわ何をするやめr』っと」
ピピ……はっ。今回は必要ありませんでしたね。
さておき、ケータイをぽちぽち、ねこったーにつぶやきを投稿する彼女もまた、まぁ、見ての通りと申しましょうか。このお葬式には、どちらかと言えば、冷やかしに訪れた……くらいのもので。むしろ、ちょっぴり面白がっていたりするくらいカンジではあるのでした。
とはいえ、
「あ、リプ来た……何、『実況はよ』? ……まー、そうだなぁ。真面目に悲しがるとか、ウチのキャラじゃねーしなぁ……」
と、璃音なりに、サンマさんの死を悲しむ気持ちも、少なからず、全く無くはない様子。ただ、それをおおっぴらに表すのは、彼女自身の認めていますとおり、やっぱりキャラじゃないとも思っているのです。それならせめて、会場の写真など撮影しまして、ここを訪れることができない人のために、その様子を伝えてあげるのもまた、彼女なりの悲しみの表現であるとあるいは言えなくも無いのではないでしょうか……。
といった、いちおうの建前のもと。本心はいかばかりか、彼女は、会場内を埋め尽くす弔問客ですとか、看板の類なぞを撮影しては、せっせとねこったーへつぶやき始めるのでした。
「『サンマさん葬儀会場にいるけど何か質問ある?』」
ぽち。
しばし、璃音がびっくりするほどの勢いで寄せられる質問の数々に、てんてこまいになっておりましたところ。
彼女は、背後から近づいてくる、ちょっぴりむっとした表情の彼に、気づいていませんでした。
「……おほん。そこのあなた、何をしているんです? ここは、お葬式会場ですよ?」
振り返った璃音の目の前には、皆さんご存知のナイスミドル、
中沢 リッカルド
町長のお姿。いわゆるひとつの、『オッサン好き』を公言してはばからない璃音のこと、いつもなら胸をときめかせているところの、町長さんとの邂逅なのですが……今日の彼は、璃音に少々ご立腹なご様子。中沢町長の寝子島愛、ひいてはサンマさん愛については璃音も知るところでありましたし、粛々としたムードの中でケータイを弄り倒していた彼女は、無理も無いかな、とは思いつつ。
「えっと、あのー、これはですね……」
吊りあがった町長の眉を、バツが悪そうに眺める彼女が、瞬時に試みた策はと言いますと。
しばし、ぐっ……と顔をうつむかせ。怪訝そうな町長に、ぐいと顔を上げて寄せた璃音の瞳には、うっすらと涙が。
「……ごめんなさい、でも……サンマさんが亡くなった、この悲しみを! 今日、どうしても来られなかった皆と……いいえ、世界中の人たちと、共有したいんです! 分かち合いたいんですッ!」
ばばん! と、とっさに涙を浮かばせる秘策と共に、自分でも適当だと思うセリフを、もっともらしく言い切ります。実にストレートな力技です。
フツウに聞けば、いまひとつ白々しさの抜けない、彼女の言葉だったのですが……『サンマさんが亡くなった、この悲しみを』のくだりで、もうすでにうるっときていた中沢町長。この策がもう、実に効果テキメンで、
「お……おおぉぉおん! な、何という、ふぐうぅっ、何という、サンマさんへの愛でしょう……! そうですね、そういったことに思い至らなかったことは、この私の落ち度だったかもしれません……いいでしょう、どんどん伝えてあげてください! 今日という日に、無念にもこの場へ足を運べなかった、全てのサンマさんを愛する皆さんへ……!」
おおおん、おおおん。と、再びあふれだした滝のような涙をハンカチで拭いながら、町長は、そそくさと行ってしまいました。
……何だか、図らずも許可をいただいてしまった、璃音の実況。いささか不謹慎かとも思いつつ、これもまた彼女なりの、彼女らしい盛り上げ方……ではあったのかもしれません。
ハンドルネーム『おりおん』こと璃音は、張り切って、ケータイのボタンへと縦横に指を走らせるのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月12日
参加申し込みの期限
2014年03月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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