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さよなら、サンマさ……ん?
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【悲しみの寝子ヶ浜海岸】
抜けるような青空の中を、ふわふわの雲たちが、気持ち良さそうに流れていきます。
夏真っ盛り、海開きを経た寝子ヶ浜海岸では、ぎらぎらと照りつける太陽の下、連日訪れる海水浴客たちでさぞかし賑わって……いるのでしょうと思いましたら。静かな波のさんざめきと、海上を飛び交う海鳥の遠い鳴き声を除けば、ひしめき合っているはずの海水浴客たちの賑やかな嬌声なんて、これっぽっちも聞こえてはきません。
代わりに、閑散とした海岸へと、余すことなく響き渡っておりますのは。先日より寝子島中を騒がせているとあるニュースを聞いてから、片時も……というのは、ちょっぴり大げさですけれど。ともかく、ずうっと止むことなく続いている、
野々 ののこ
ちゃんの悲しみに暮れる泣き声なのでありました。
「うあああああん、サンマさぁぁぁあああん……! サンマさんが、死んじゃうなんてえええぇぇぇ……!」
そう。のどかな寝子島を突如として走り抜けた、あのニュース。
寝子島の観光大使サンマさんこと、
寝子 サンマ
さんが、まさかまさか。
死んでしまったというのです!
「ああああああん。うわああああああん」
そして、島中の熱狂的なサンマ・ファンを絶望のドン底へと叩き落した悲報、その第一発見者が、何を隠そう、サンマさんを真に愛するののこちゃん、その人なのでした。
一生分の涙を流して、もう枯れ果ててしまうのでは、と思ってしまうようなののこの豪快な嘆きっぷりに。一緒に浜辺でサンマさんの思い出を語らっていた、いつもは男勝りで気丈な
琴村 嬢
も、思わずちょっぴり、うるうると瞳を潤ませます。
「サンマさん……逝くの、早すぎるよ……あなたは、寝子島の観光大使でしょ? その仕事、まだ全然、全うしてないじゃない……」
嬢の記憶の中で、サンマさんはあくまで凛々しく、あの、ちょっとこう上から見下ろす感じで、にっと笑顔を見せるのです。
「あたしさ、サンマさんと、デートしたんだよね」
「ひぐっうう。デートぉ?」
鼻水をずびっ、しながら尋ねるののこへ、嬢は頷くと、
「うん。あはは、ロープで縛って、市中引き回しの刑! みたいなカンジの移動だったけどね。楽しかったな……あの時のこと、あたし忘れないよ、サンマさん……」
嬢の脳裏に、きらきらと蘇っては流れていく、デートの思い出。
公園の噴水で、嬢のろっこんが呼び出した、マグロの大間さんと遊んだこと。
その時、サンマさんに思わず抱きついて、後からちょっぴり恥ずかしかったこと。
「……まぁ、改造版ねこモンの中で、だったんだけどね」
「ふぇえ?」
ぽそりと付け足した言葉に、きょとり、首を傾げるののこ。
嬢は、何でもないよ、と手を振りながら、
桜庭 円
を振り返り、
「桜庭さんは? サンマさんと、どんな思い出があるの?」
「うん、ボクはね……」
円は、肩口に乗った茶トラのにゃーくんに頬を寄せながら、こくんと一つ頷いて、話し始めます。
「やっぱり、思い出すのは、スーパーサンマ大祭の、清掃ボランティア活動かな」
寝子島の観光大使にふさわしく、寝子ヶ浜海岸に捨てられた大量のゴミに、心を痛めたサンマさん。円は彼と一緒にお掃除に精を出し、共に汗を流した仲なのでした。
円は、そんな浜辺の美しい風景を、目を細めて眺めていますと……。
「今、こんなにも綺麗な海岸があるのは、サンマさんのおかげなんだ。ボクは……彼以上に、この島に尽くしてくれた人を……ボクは、他に知らないっ……!」
感極まって、まぶたの裏には、熱いものがぐっとこみ上げてくるのです。
「くっ……これは、潮風がっ。潮風が目に、染みたんだよぅ!」
たまらず、ぽろぽろと涙を流す円は、実はかなりのサンマさんフリーク。サンマさんグッズのTシャツ、それも本人の直筆サイン入りだという、ののこちゃんも垂涎の逸品を着込んでいたりしまして、これがなかなかの入れ込みようです。
「ねっ、にゃーくんも、そう思うよね?」
肩口のにゃーくん、にゃーんと一声鳴きますが、
「うんうん、そうだよね……」
無邪気そうな子猫のこと。どうやら、大きいお魚さん、あぶらがのってて美味しそうだったよ! なんて言っているようにも見えました。
それはさておき。
語られるサンマさんの良い人エピソードに、ののこの瞳からは、追加の涙がぶわっ。
「や、やっぱりぃぃ……みんな、サンマさんが、大好きだったんだねぇぇぇうああああんサンマさああああん」
止むことのない、ののこの嘆き悲しみ。円も思わず、目尻をこすりながらもぽむっと彼女の肩に手を置いてやり、嬢もティッシュを取り出しては、鼻水を拭ってあげたりしています。
「サンマさん……ナンデ、こんなことに……ああ、きっと、きっとボクのせいなんだぁ……」
そんな中、意味深な言葉をぽろりっと漏らしましたのは、
音海 なぎさ
です。
「……? ねえ、ボクのせいってどういうこと、音海さん?」
「ああ、サンマさん……海開きの時には、ピンピンしてたのにぃ……」
嬢の問いかけも、聞こえているのかいないのか。彼は、女の子と見紛うばかりの端正な顔を涙に濡らして、さめざめと泣き崩れながらも、サンマさんの思い出を語ります。
「ライフセーバーをしてたサンマさん。輝いていたよね。浜辺で追いかけっこもしたし、一緒にカキ氷も食べたし、それに、それに……」
などと、始めは嬢や円も、それなりにうんうんと頷ける内容だったのですが……。
「……そしてボクは、サンマさんの背中に乗って海の中へ、あの時一緒に見た綺麗なお魚たちのこと、忘れられないよ、イルカと並んで水面にジャンプしたり、クジラの上で一休みしたりもしたっけ、ああそれに、ケガをして帰れなくなった人魚を助けてあげたり、巨大ダイオウイカと死闘を……」
といった具合で、なぎさくんのサンマさんへの強い想いは、現実と妄想が入り混じってエスカレートしていきまして。そのうち竜宮城にでもたどりついてしまいそうな、ドトウの勢いなのでした。
もっとも、ののこちゃんは、なぎさの語るそんなお話の数々にも、どきどきはらはら、一喜一憂。
「えっと……それで、どうしてサンマさんが死んじゃったのが、なぎさくんのせいなの?」
どこまででも続いていきそうな、彼のサンマさんエピソードのレパートリーに、思わず、円のツッコミが入りますと。
「あ、うん。ボクは……ボクは、サンマさんの、すべてを知りたかったんだ……青光りする衣に包まれた、その奥にある、本当の姿を……! だから、ボクは、サンマさんが後ろを向いてる隙に、下ろしてしまったんだ。あの、背中のチャッ」
ピピーッ!! な、なぎさくん、それ以上はいけません……!
その先を、その先を言ってしまったら……!
────しばらくおまちください────
「……っていうことがあったんだ。ああ、あれがきっとストレスになって、サンマさんは自分で……!」
「? 良く分かんなかったけど……なぎさ君も、サンマさんが死んじゃって、悲しいんだねえええ、うええええええん」
なぎさくんの懺悔は、まだ続きますが。どこまでもピュアにサンマさんを愛するののこちゃんには、どうやら、肝心のマズイ部分は伝わらなかったようです。良かったよかった。
ともかく、危ういところで、何とか難を逃れることができましたところで。
「うーん、おかしいのだ。どこにも載ってないのだ……」
サンマさんが没したというこの浜辺で、彼の思い出を悲しみの赴くままに語り合おう、という四人とはちょっぴり違った理由でここにやってきた、
後木 真央
。彼女は何やら、スマホをぴこぴこ弄ったり、わしゃわしゃと持ってきた新聞をめくったりしつつ、しきりに何かの記事を検索しているようでした。
不思議に思った嬢が、
「後木さん、どしたの? 何か探してるみたいだけど」
「え? だって……サンマさんが死んじゃったのなら、すぐに、次世代型ニューサンマさんがお披露目されるに違いないのだ。でも、どこにもそんな記事は載ってないのだ、うーんおかしいのだ」
こくりと首を捻り、難しいカオで新聞とにらめっこな真央ちゃん、そんなことを口走ります。
でも、目を丸くするみんなの、えっ? という表情に気づくと。
真央は、思わず……。
「…………あれ。中の人がお亡くなりになった、ではないのだ……?」
ああー! 言っちゃった! 言っちゃいましたよ!
「なかのひと? サンマさんは、サンマさんだよ」
きょとんとするののこに、なぎさも身を乗り出して、
「そうだよ、きっとそういうのがいけなかったんだ! ああ、あの時ボクが好奇心に負けて、背中のチャッ」
ピピーッ!!
「そ、そうなのだ……? でも、とゆーことは」
サンマさんを愛する皆の剣幕に、ちょっとタジタジな真央でしたが。しかし、そこはポジティブ思考全開の彼女のこと。すぐにピーンっと何かに思い至り、
「なるほど、分かったのだ! 町長さんの言ってるお葬式、これがポイントなのだ。きっと、秋向け次世代型サンマさんゴールデンバージョーン! とかの、お披露目を兼ねたデモンストレーションに違いないのだきっとそうなのだー!」
びしっ! キラキラと実にいい笑顔の真央ちゃん、独自の推論を展開しつつ、どんどんそのテンションはヒートアップしていきまして。
「サンマさんはサンマの精霊なのだ例え死んでも死にっ放しの筈がないのだ夢と希望で戻ってくるのだ! 心を込めて、さあ呼ぶのだののこちゃん! きっとサンマさんは、ニューバージョンになって帰ってくるのだー!」
「うああああああああん、サンマさんかむばああああああああっく!!」
ざばーん、と白波打ち寄せる砂浜へ、あらん限りの声で叫ぶ、噛み合ってないようで噛み合っている二人。ふんすっと鼻息荒い真央の傍ら、ののこちゃんの視界には、きっと、青空の中でキラッ☆ と輝くサンマさんの笑顔があったことでしょう。
……まあ、ニューバージョンは、ひとまずさておくといたしまして。
嬢は、すんっ、とひとつ鼻を鳴らしながら、
「でもさ……ほんとにさ。実は生きてました! ってオチじゃないよねえ? 『俺を勝手に殺すんじゃねえ!』なんて言って、今にもあの海面をずばばばーって走って、怒鳴り込んできそうなきそうな気がするよ、あたし。……そうでないと、サンマさんらしくないよ……」
「うん……そうだね」
円も、目尻をちょっぴり拭いながら、にゃーくんに頬を寄せてさすりさすり。
浜辺は再び、しんみりモード。
円は、えぐえぐ、やっぱり泣き止まないののこの肩に、優しく手を添えると。
「ののこちゃん……一緒にお葬式、行こうか。ボクはね、葬儀っていうのは、亡くなった人のためにするものじゃないって思ってる。残された人が、前を向いて歩き出すため。区切りをつけて、気持ちを切り替えるためのものだと思ってるんだ」
ティッシュでずびーっ、濡れた瞳で見つめるののこに、円は何とか、笑顔を浮かべることができました。
「何時までも泣いてても、サンマさんは喜ばないさ。だから、ね。笑顔で見送りにいこっ! サンマさんが輝かせてくれた、この寝子島で……これからも過ごしていく為に。ね、ののこちゃん」
「…………うん」
こくん、と力無く、でもしっかり頷いたののこちゃんは。
こみ上げてきた涙を抑えられなくなり、大粒の雫をこぼす嬢と。優しくののこの背を撫でる円と。罪悪感に苛まれるあまりにもう別世界へ行きかけているなぎさと。新型サンマさん登場説を諦めていない真央と。
そんな、サンマさんを愛する仲間たちと一緒に、寝子ヶ浜海岸を後にするのでした。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月12日
参加申し込みの期限
2014年03月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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