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さよなら、サンマさ……ん?
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【愛する、ということ……】
「後木さんたちも……来て、くれたんだ?」
「あ、夏朝ちゃんなのだ。今日は、スタッフさんなのだ? 偉いのだー」
数人の仲間たちと連れ立ってやってきた、いつもと変わらない真央の笑顔。出迎えた
恵御納 夏朝
は、それを、眩しく眺めます。
今日は、サンマさんのお葬式。有志の運営スタッフとして参加した夏朝は、朝から椅子を並べたり、献花台を運んでセッティングしたり、と大忙し。夏朝は、自分から進んで作業を申し出て、何でも引き受けて、何でも率先して行い。やがて開場時間となると、今度は、弔問に訪れる人々の案内役を買って出たのです。なぜなら……。
「はうううう、サンマさああああん……」
「ほら、ののこちゃん。サンマさんに、お花をあげよう?」
円と嬢、なぎさに付き添われて、べそべそなののこちゃんが、献花台へと歩いていきます。
そこには、たくさんの……数え切れないほどの花に囲まれた、大きな写真の中の、笑顔のサンマさん。もう何度も目にしたはずのその遺影が、視界に入った途端。やっぱり、夏朝の瞳には、熱い涙がこみ上げてくるのです。
忙しくしていないと、気を紛らわせていないと、泣いてしまうから。だから夏朝は、忙しく設営作業に没頭していたのでした。
ふと脳裏に思い浮かぶのは、在りし日のサンマさんの、あの元気な姿。
ある時は、猫たちに懐かれ、甘えられ、よじ登られて、彼らの垂らすよだれに戦々恐々だったサンマさん。またある時は、お魚をくわえたドラ猫を全速力で追いかけ、『俺の同胞を返せーっ!』なんて叫んでいたサンマさん。
そして、大の猫好きな夏朝が、道端で寝転ぶ猫を撫でていたら、ふいに、声をかけてきたサンマさん。
『猫は、好きか?』
そんなちょっとしたきっかけで、少しの間だったけれど、お話してくれた……あの日の、思い出。
(サンマさんは……幸せだったのかな)
彼が、いつも望んでいた死に様。それが叶えられた瞬間、サンマさんは、幸せだったのでしょうか?
夏朝には分かりません。ただ、もう二度と会えないんだ……そう思うと、夏朝の胸は、張り裂けそうに痛み。目尻からは、雫がこぼれそうになるのです。
はっと気づけば、会場の入り口から、次の弔問客がやってくるところ。
遺影から目をそらし、ぐっ、と涙を押さえ込んで。夏朝は、次々にやってくる客たちの案内へと意識を傾ける努力をしながら、自分のやるべきことを、一生懸命に頑張るのでした。
やがて、会場内へと、静かな説法の声が流れ始めます。
静謐でしめやかな会場の空気の中に、マイクとスピーカーを通じて響き渡る、
森 蓮
の澄んだ声。
「……皆さんは、このような言葉をご存知でしょうか? 『死は生に属する、生誕がそうであるように。歩行とは、足を上げることであると同時に、足を下ろすことでもあるのだ』。また、『死とは、目に見えないが、人生の旅路の親切な道連れであり、本当にしたいことを先送りしてはいけないのだということを、優しく気づかせてくれる友なのだ』とも言います。……サンマさんは、お亡くなりになりました。しかし、自らの死に際して、彼は本懐を遂げられたのです。それは、とても幸せなことだと、私は思います……」
献花台の脇、壇上に登った蓮の口から静かに紡がれる言葉は、彼の高潔で清廉な人柄と相まって、それを聞き入る人々の胸へ、じんわりと染み入ってゆきます。
そしてそれは、据えられた椅子に腰掛け、耳を傾けている
白石 妙子
にとっても、例外ではありませんでした。
(……随分と、本格的なのね。町長さんも、あんなに泣きはらしているし……)
町内会から回ってきた回覧板に記されていた案内を見た時には、妙子も、半信半疑ではあったのです。けれど、息子がサンマさん好きであったことや、何より、彼女自身の律儀で断り下手な性格もあり。結局、きっちりと喪服を着込み、妙子はこうして、弔問へ訪れたのでした。
会場へと入った妙子は、始めのほうこそ、
(喪服って……何だかいつも、男性の視線が気になるのよね。別に、露出が多いとか、身体の線が出ているとかでも無いのに。私、自意識過剰なのかしら……)
なんて、一人もじもじとしたり、
(近所のお魚屋さん。追悼で、サンマ、安く売ってくれないかしら。……不謹慎よね)
と、栓のないことに思考を巡らせたりしていたのですが。
蓮の落ち着いた声で、真摯に語りかける説法が始まると、不思議と彼女も、じっ、とそれに聞き入ってしまうのです。
「『いつ死ぬべきかを知らない者は、いかに生きるべきかを知らない者である』……そんな言葉もあります。この度のことは、サンマさんにとって、命を奉げられるほど大切なことであり、意義のある死だったのでしょう。そして、サンマさんが死を受け入れることができたのは、彼が真に人々を愛し、人々から愛され、人々の幸福を願い。この寝子島の福祉に貢献してきたからかもしれません。少なくとも……この場に訪れてくださった全ての皆さんが、サンマさんを、心から愛していたことはたしかでしょう」
そう。死ぬこととは、生きることと裏表であり、決して切り離すことのできない、誰にとっても身近なこと。
妙子は思わず、そこに、大切な家族の顔を当てはめずにはいられません。
(……もし主人が、子供と私を残して、こんなことになったら……私……)
こぼれそうになった涙を、慌てて、汗を拭くふりをして、そっとハンカチで拭う妙子。気づけば彼女も、会場の多くの人々と一体となって、サンマさんの死を大いに悼んでいるのでした。
「サンマさんが、自分の夢を達成したことを……私たちは、喜んだほうが良いと思うのです。そのほうが、天国にいるサンマさんも、きっと喜んでくれるのではないでしょうか? あの、素晴らしい笑顔を浮かべながら。……それでは、皆さん。極楽浄土へ旅立ったサンマさんに、しばしの黙祷を捧げましょう……」
締めくくり、目を伏せる蓮に合わせて。会場内が、しん……と静まり返ります。
そして、夏朝も、妙子も、それに、ののこたちも。それぞれが心の中に、自分たちの記憶の中のサンマさんの姿を、ありありと描き出すのです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月12日
参加申し込みの期限
2014年03月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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