昼下がりの、寝子島町町役場。
執務室でお仕事中の
中沢 リッカルド町長は、部下から届いたその報告を聞いたとたん、かっ! と目を見開いたかと思うと……そのまま、椅子ごと後ろにひっくり返ってしまいました。
「さ……さ……さ」
そして、口をぱくぱくと動かした後に、彼は震える声で言ったのです。
「サンマさんが……死んだ……!?」
役場へと寄せられた、報告の内容によりますれば。
学校の帰り道、浜辺を通りがかった
野々 ののこは、奇妙な光景を目にしたと言うのです。
「んん? 猫がたくさん?」
砂浜に集まる、無数の猫たち。にゃーにゃーとしきりに鳴き声を上げる彼らは、揃って、何やら口をもぐもぐと動かしています。
どうやら、皆で集まって何かを食べている様子。
「……あっ! あれは……!?」
そして。ののこは発見してしまったのです。
輪を描くように集まっている猫たち、その中心に無造作に置いてある、それに。
いかにも高級そうで出来の良く見える、その、七輪に!
そして気がつけば、あたりには、香ばしい良い匂いが立ち込めているのです。
ののこの脳裏に否応無く浮かぶのは、『彼』がいつも口にしている、あの言葉。
『俺の死に場所は、至高の七輪……そいつをずっと、俺は、探してるのさ……』
七輪の良し悪しなど分からないののこちゃんのこと。とにかくもう、彼女に思い当たるのは、彼の姿しか無かったわけで。
「さ、サンマさんが、食べられちゃったよ~~~!!」
そんなこんなで、あれよあれよと事は進んでいきまして。
サンマさんが姿を現してくれないままに、いくらかの時が経ち。やがて町長もついに心を決め、集めた報道陣を前に、さめざめと涙を流しながら、寝子島にとってあまりにも大きな損失についての発表を行いました。
「……私は、ひぐっ。この寝子島のために、うぐっ。尽くしてくれた、サンマさんのために……盛大なお葬式を、ふぐっ。出してやりたいと、こう考えているのであります。ぐすっ。つきましては、これを運営するスタッフの募集を……うおぉぉん、サンマさぁぁああん!!」
中沢町長はもう、感極まるあまり、喋るのも一苦労な様子。
ともかく。
サンマさん、死す! のニュースは驚くべき早さで広がり、寝子島中を悲しみの渦へと巻き込んで行くのでした……。
墨谷幽です。よろしくお願いいたします~!
●このシナリオの概要
皆のアイドル、サンマさんの死を皆でしみじみと悼みましょうというシナリオです。
サンマさんとの美しい思い出を誰かと語り合うも良し。サンマさんのお葬式へ出席して悲しみを皆と分かち合うも良し。
いずれにせよ、あなたは気がつくはずです。寝子島には、彼という存在が必要なんだ、ってことに……!
●参加条件
特にありません。寝子高生の方でも、社会人の方でもOKです。
●舞台
・浜辺
・お葬式会場
・その他
かけたいアクションに応じてご選択ください。
特に無ければこちらで振り分けますので、お任せでも構いません。
●NPC
○中沢 リッカルド
サンマさんの死に打ちひしがれ、彼のお葬式に出席し、式場内で弔問客の応対などを行っています。
○野々 ののこ
浜辺でサンマさんの思い出に浸っていたり、お葬式に出席しつつも悲しみに暮れていたり。
●その他、備考や注意点など
・サンマさんのお葬式は、葬儀会社などが行う本格的なものでは無く、有志の人がごく個人的に催すイベントのような形になりますので、その主催者や運営スタッフとして動く、といったアクションも可能です。
・他のシナリオにおいてサンマさんと交流したことのある方は、それをアクションに盛り込んで頂いても構いません。ただしその場合、どのような交流だったかのが、アクションの内容のみで分かるような形でお書きください。
(「○○のリアクションを参照してください」といった書き方は避けてくださるようお願いします)
・逆に、サンマさんとの交流がこれまでに無いという方でも、それがいかにもサンマさんらしい言動であれば、ご自由にその内容を書いていただいても構いません。ただし、内容によっては採用されなかったり、適宜調整を加えられたりといった可能性がありますので、その点あらかじめご了承ください。
※上記に名前の無いNPC、及び今回のシナリオには参加していないPCに関するアクションは基本的に採用されませんので、あらかじめご了承ください。
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしております!