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Melt Sinner
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竹刀を振る音が、静まり返った境内に響く。時刻は既に真夜中を過ぎ、日付が変わっている。風に揺れる木々が時折ザワザワと音を立てるだけの静寂。虫ですらも既に眠りについたらしく、偶に思い出したように小さく鳴く時がある以外は、音らしい音はなかった。昼間なら聞こえているはずの車の音も、人々の喧騒も聞こえない。
御剣 刀
は額に滲んだ汗を手の甲で拭うと、小さく息を吐いた。冷たい風が額に張り付いた前髪を撫で、どこからともなく細い歌声が聞こえてくる。透明感のある声はどこかで聞いたことのあるもので、誰の声だろうかと記憶を探るうちに別の記憶が顔を覗かせる。
以前、あるもれいびのろっこんに巻き込まれて戦場で戦った事がある。そこでは幻の軍隊がいて、刀達は原因のもれいびの元へ行くために、彼らと殺し合いをしながら先に進んだ。白く煌めく刃、硝煙のにおい、乾いた発砲音、漂う血のにおい、殺伐とした空気。誰かが死んでも、その屍を踏み越えてまた誰かが前に出てくる。一人一人の命の価値が凄く軽く、ただ消耗されるだけの存在。命ではなく、数で表されるモノ。戦場では一人の兵士の命など、大した意味を持たない。兵士は消耗品で、足りなくなれば継ぎ足せば良い。まるでゲームのように、次々に減っていく数、刻々と変化していく情勢。戦場にどれだけ血が流れ、どれだけの人の命が無残に散り、どれだけの願いが消えて行ったのか、数だけの戦争をしている人には分からない。
気持ち悪かった。死に行く間際の人の瞳、飛び散る血飛沫、耳に残る断末魔、事切れる瞬間に吐き出される、空気を含んだ血。こんな世界は間違っている、そう心の中で叫びながらも、刀が極めようとしている剣術は、戦場で使うために生まれたもの。誰かを傷つけ、誰かの命を奪い、相手の人生を終わらせ、それによって多くの人を悲しませるもの。それを極めようとするために、刀は自ら進んでその場へ踏み込んでいる。
人を殺すのは、悪い事だ。そんな事は知っている。その人の命に付随する人々を悲しませると言う事も、知っている。けれど、剣術を極めるためには必要だと認めている心もある。それがおかしいと分かっていても、否定する気持ちが湧き上がらない。剣術だって、人を生かすために役立てるはずだ。でも、それなら剣道で良いだろう? と、殺す事を認める考えに行ってしまう。
誰かを守るために、誰かを殺す。それは、良い事なのだろうか? ただ黙って立っているだけでは、大切な人を守る事は出来ない。大切な人に刃が突きつけられるのなら、進んでその刃を折り、相手を殺す。けれど、その相手も誰かの大切な人であるわけで……考えが、堂々巡りをしてしまう。
大切な人を守るためには、誰かを殺さなければならないのだろうか? その他の手段はないのだろうか? 心に沸いた疑問は、すぐに答えが出てしまう。誰かを守るために誰かを壊す事が必要ならば、躊躇わないだろう。それはいけない事だと、心の底で自分自身が叫ぶ。でも、いけないことでも、必要ならば……。
きっと言ったところで誰も認めてくれない、孤独になる考え。どちらかに決めてしまえば良いのに、どちらの考えも捨てられない。答えの出ないこんな考えなんて、闇に呑まれて消えてしまえば良いのに。そんな都合の良い事を考え、自嘲する。
もしもその考えが消えるとしたら、刀も一緒に消えるだろう。そう思えるくらい、その考えを受け入れている刀がいて、けれどその考えはおかしいとすぐさま否定し、結局は思考の迷路の中に迷い込んでしまう。
空を見上げれば無数の星が瞬いており、ポッカリと浮かんだ満月は完璧な円を描いている。薄くかかった雲が気まぐれに月を滲ませ、気付けばいつの間にか、歌声は聞こえなくなっていた。誰の声だっただろうかと思考を巡らせ、頭の中に一人の少女の顔が浮かぶ。けれど彼女がこんな時間に出歩いているとは思えなくて、すぐさま否定する。
刀は竹刀を肩に担ぐと、使わせてもらった御礼に深く一礼してから神社に背を向けた。
仮想とは言え、あの日、刀は人を殺した。それは刀が望んだ事で、必要だと認めている事で、けれどそれはとてもおかしい事で、それを是としていても忘れてはいけない事だ。おかしいと思う感情がなくなった時、きっと刀は人の道から踏み外れるだろう。誰かを守るためにと振るう刃は誰かを殺すための道具となり、消えていく命の重さに気付かなくなる。命は数へと形を変え、人はモノへとなり下がる。
何のために剣術を極めるのか。誰かのためにと振るった刃が誰かを殺す時、果たしてそれは何のための刃になるのか。今は分からないけれども、いつか答えを出そう。……否、出さなければいけない。振るう刃の重みと真剣に向き合い、結論を出した時、きっと刀の剣術は本当の意味で極められる事になるだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月13日
参加申し込みの期限
2014年02月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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