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Melt Sinner
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柔らかな月光はとても淡すぎて、細く棚引く雲に隠されて、時折光を失う。瞬く星々は無数にあれども、か弱い光は夜の闇で小さな点として存在するだけで、少しも明かりとしての役割は果たさない。等間隔に並ぶ街灯は、周囲を仄暗くオレンジ色に染め上げているが、少し歩けば光は遠ざかり、ボンヤリとした闇が辺りを包み込む。空気をかき混ぜる風はヒンヤリとしており、
花風 冴来
は片手で髪を押さえると、強く吹いた風をやり過ごした。髪に絡まった黒いリボンを直し、少しだけ歪んでいた青薔薇の髪飾りを元に戻す。
風は冷たいけれども、溜まった空気は未だに仄かに熱を孕んでいる。湿気を含んだ生温い空気に小さく息を吐いたとき、遠くから細い歌声が聞こえて来た。透明感のある声は聞いたことのあるもので、誰の声だろうかと記憶を辿るうちに別の記憶が開く。出来れば思い出したくない記憶、けれど忘れることの出来ない記憶……忘れる事は、許されない過去……。
あの子にとっての一番になりたかった。ずっと一緒にいて欲しかった。あの子の一番が冴来でないことは分かっていたから、だから一番の人さえいなくなってしまえば自分が一番になると思っていた。一番になれば、きっとあの子はどこにもいかない、そう思っていたからこそ、冴来は自分の力で一番になった。それが間違っていると思わなかった。罪悪感なんて、その時はなかった。ただ彼女の一番大切な人になりたかっただけ、きっと両親さえいなくなれば彼女は冴来の事を一番好きになると、そう信じていた。
けれど、望む過去に戻れると言う不思議なお店に行ったあの日、知ってしまった。あの人達は、自分達の本当の子供のように冴来を思っていて、愛してくれていたのだと、あの人達と一緒に過ごす幸せな今を手に入れる事が出来たのだと……。冴来は、欠片も気付かなかった。両親の愛情なんて、知らなかったから……。
善良で温かな人達を傷付け、友達の心を傷付け、一人にしてしまった贖罪に、ひたすらあの子に尽くし続け、妹想いの姉を演じる事を生き甲斐としてきたけれども、それにももう疲れてしまった。……疲れただなんて弱音を吐く資格は、無いのに。
生きれば生きる程、罪が増えていく。これ以上罪を重ねないためにも、いなくなってしまいたい。人を傷付けながらでしか生きられない人に、生きる資格なんてあるの?
そもそも、この世に生まれた事自体が罪のように思える。生まれた事自体が間違い、生まれて来てはいけないはずの存在だった。……そうでなければ、どうしてお父さんとお母さんは、あの人達に売ったりしたのだろう。両親にとって、冴来はイラナイ存在だった、そうとしか思えない。
ただ普通の子供のように愛されたかっただけ。綺麗な洋服も、豊かな生活もいらなかった。小さな家でも良い、ただそこに両親と冴来がいて、他の子供と同じ様に愛してくれれば、それで良かった。それ以上なんて、望まなかった。ただ一緒にいてくれれば、それで良かった。それなのに、そう願う事も罪だったのだろうか?
花風 冴来
―― この名前は、本当の名前じゃない。 『Angelica』そう名付けて貰えたのに、どうして愛して貰えなかったの? 天使のように愛しく思っていたからこそ、その名前をつけてくれたんじゃないの? 生まれてくるその時まで、お母さんのお腹の中で、冴来は確かに天使だった……そうでしょう?
もしも願いが叶うなら、もしも何かを願っても良いのならば、お願い……誰か本当の私を見つけて。本当の私を愛して欲しい。ずっと一緒にいて欲しい。本当の私のままで、誰かにとっての特別になりたい。
許されないと、分かっている。そう願う事すら、おこがましいと知っている。それでも、願ってしまう。誰かの特別になりたいと、本当の自分を好きになって欲しいと。
「ごめんなさい……」
呟いた言葉が、空に溶けて行く。いつの間にか歌は聞こえなくなっていた。未だに耳に残るあの声は、きっとあの子の声。つい最近お友達になった、妹みたいに可愛らしくて純粋な女の子。実の兄に疎まれている、天使のように可愛い少女……。彼女の顔と妹の顔が重なり、謝罪の言葉が唇から零れ落ちる。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。……何度謝ったところで、許されないのは分かっているけれども。けれど、思う。間違って生まれてきた子供は、何も望んではいけないのだろうか? たった一つの願いすらも、胸に抱いてはいけないの? 叶えてはくれないの?
誰か教えて欲しい。何故Angelicaと名付けられながら、両親から愛されなかったのか。何故神様は、冴来の願いを聞いてくれないのか。何故あの時、彼女の両親の愛に気付けなかったのか ―― 。
もしも人生をやり直せるのならば、今とは違う未来を手に入れられるはずなのに……。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月13日
参加申し込みの期限
2014年02月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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