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寝子島高校
ひまわり畑でさよならを
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●月と向日葵
九夜山。
その奥へ至る山道は、街灯も殆どなく暗い。
昼の暑さを押し流さんと、風が吹く。
月があるお陰で、畑一面に咲き誇る黄色のひまわりが揺れるのが、僅かに見て取れた。
塒(ねぐら)にしている
廃神社
に帰る道中、
碓氷 真理
は ふと足を止めた。
「真理ちゃん」
耳をくすぐる優しげな声は、姉の千佳だ。
見目麗しい妙齢の女性である真理には、浮いた噂はなく、代わりとばかりに独特の気配を漂わせた霊の存在が絶えない。
若くして亡くなった千佳は、その筆頭だった。
千佳に促され、どことなく姉に似た貌を上げれば、視線の先に ぼうと光る白い犬が居た。
真理と同じものを、見つけた少年、少女が居る。
寝子島高校の生徒、
普堂 しおり
と
新井 米太郎
だ。
「
努力は必ず実る
、か。熊先生のように、頼もしい大人にならなきゃね♪」
鬼の熊吉と恐れられ、煙たがられる事も多い
クマ
だが、しおりにとっては尊敬出来る教師。
だから近頃の しおりは、クマに倣って良く食べて、島を散策する。
散歩の途中で偶然しおりに出会った米太郎は、楽しそうに前を歩く、しおりの口から漏れたクマの名に、震え上がっていたが。
そのさなか、見つけたのが白い犬――ルクスだった。
真理の霊的存在を強化する ろっこん【ニヴルヘイムの女王】の影響を受けたせいだろう、月明かりを受けて いっそう輝く毛並みに、しおりはたちどころに夢中になった。
「ラブラドール? 月光の化身みたいな美犬!」
ルクスは落ち着き無く ひまわり畑の周りを動きまわっては、何か言いたげに尾を振った。
「こんな時間に犬が一匹とか、何かあったのかな。うん? あれ、ひょっとして……」
米太郎は一寸目を見開き、口を覆った。
しおりは構わず駆け、ずざーっとルクスの足元に滑り込んで、軽やかに土下座した。
「モフらせて下さい、むしろ踏んで!」
懇願する、しおり。
展開の速さに動揺しながらも、米太郎は
過去
を思い出した。
「君は……ルクスくん?」
盲導犬だったルクスは
事故で命を落とした
が、自分の意思でこの世に留まり続けている。
「それなら……」
暗闇で足を取られないよう、注意しながら米太郎は進む。
(未央くんも、近くに居るはず)
焦りから足踏みしているルクスの首に腕を回し、毛並みに顔を埋めて頬ずりしていた しおりだが、一寸動きを止めた。
体感温度が、幽かに下がったからだ。
しおりの背後には蒼い髪の女性が居て、無言で見下ろしていた。
真理だ。
異変に気付いた米太郎が、振り返る。
しおりのすぐ近くに、蹲る老婆。吉江と、探していた少年の輪郭が、薄っすらと見えた。
それだけではない、他にも何人もが倒れて眠っていた。
「ぎゃあ、人がいる恥ずかし……!」「ふ、二人とも大丈夫かい!?」
声が重なり、血相を変えてこちらへ来る米太郎に、しおりも ようやく吉江に気付いた。
「お婆さん!? 大丈――……、夫……」
全ての言葉を形にする前に、しおりの意識は老婆の夢に引きずり込まれ、米太郎も糸の切れた人形のように、その場で膝を折った。
スケッチブックを抱えて散歩していた、
波多野 白露
も思いがけない光景に、瞬きした。
「え? え? 死体ごっこ?」
幾人もが、蹲る老婆を中心に眠っていたからだ。
狼狽した声に、真理は少し顔をしかめた。
「生者だ、この子以外はな」
指差された犬は、一人の少年のみを気にして、しきりに周りをうろついている。
倒れた者達の、緩やかに上下する胸を凝視し、白露は安堵した。
「寝てるだけか。皆、お婆さんの添い寝かしら? 一人は寂しいもんね、偉いわね」
にこにこと頷く白露に、真理は「どう解釈すれば、そんな考えに行き着くんだ」と、不思議そう。
「まあ、生者を助ける義理などさらさらない……、が」
吐き捨てる真理だが、上目遣いに自分を見上げるルクスの頭には、そっと掌を乗せた。
「この子の為に、飼い主だけでも助けるか」
何故かスケッチブックを開く白露を一瞥すると、真理は未央の傍に屈み込む。
そのまま手を伸ばし、頬を抓ろうとしたのだが。
ルクスが鼻先を割り込ませ、それを妨害した。
「心配するな、危害を加えるつもりはない。私はお前の味方だ」
諭してはみたが、何度試みてもルクスは邪魔してくる。
「おい、これじゃ起せないだろう……?」
埒が明かないな、と困り果てた所で。
未央が目を覚ました。
「あれ、何かとんでもない事になっているような……」
身を起した未央に、すぐさま構えとルクスがじゃれついてきた。
「待って、ちょっと待ってルクス」
「……ルクスというのか、その子」
「貴女は? もしかして、ご面倒をお掛けしましたか?」
「ふん。感謝なら、その子にするといい……で、これは一体どういう事だ?」
腕を組み見下ろす真理に、未央は少々たどたどしくも、夢の中での経緯を説明した。
「……夢の中で婆さんの子供にされる、か。霊能力みたいなものか?」
真理は無自覚の、もれいびだ。
「話していいのかな?」
戸惑う未央に、真理は続きを促す。一般人の常識など、無意味だと。少なくとも、今の彼女はそう思っていたから。
「『ろっこん』と言う、一定の条件を満たす事で、何か一つ実現させる力です……条件も何が出来るかも、それぞれ違いすぎるから、僕にも うまく説明出来ないけど」
「ふうん……つまりこの婆さんの『ろっこん』は、声を掛けると発動するんだな?」
「いえ、今たまたま条件が揃っているだけで、他にも複雑な条件があるかも」
「なるほど」
正直、それ程 興味は無かった。
だが千佳が、真理の耳元で繰り返し囁く。
「えっ? 可愛そうだから、説得してあげてって……」
誰と話しているのだろうと、見回す未央の前で、ついに真理は折れた。
「……千佳姉……わかったよ。婆さん、ちょっと失、礼……」
意を決して、真理は吉江に声を掛ける。
今まで見てきた者達がそうだったように、真理もまた、ひまわり畑に身を沈めた。
「よく寝てる、いい子いい子」
眠っている一人の頭を撫でながら、白露はスケッチブックに目を落とした。
描画面に浮かび上がるモノクロームは、少しレトロな雰囲気の家の中。
白露は自身の ろっこん【言い稿良い考(いいこいいこ)】で、対象の考えを念写しているのだ。
「どの人も、同じ人の事考えてるのね」
写し取られる、蹲る老婆の面影がある中年女性に、白露は目を細める。
「吉江さんと言うみたい」
「優しそうな人ね!」
無邪気に笑う白露に、吉江との別れを思い出し、未央は少し言葉を詰まらせた。
「あの、勝手に人の頭の中を覗くのは」
「私のお母さんは、私達を生んだ後、死んじゃったから知らないのよね!」
「……でも、プライベートな事だし……」
相手を気遣いながらの歯切れの悪い指摘は、その場は好奇心に輝く瞳で押し切られた。
「夢を覚えてるの大変だもの、幸せな夢だといいわね!」
白露には全く悪気はない。
別に覚えている必要は、ないのでは?
未央は嬉々としてスケッチブックを捲る、白露を見つめた。
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シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月20日
参加申し込みの期限
2014年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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