来訪　～宇宙にて～｜リアクション

来訪　～宇宙にて～

【時間切れエンド：終わりと始まり　そして、人は朝に目覚める】

　視界全体を光が覆う。
　やがて、光が終わりうっすらと目を開けるとそこには、人を模した何かが居た。
「お前は何者だ？」
　誰かが代表して聞くが、『それ』はただ黙って首を振った。
　やがて、『それ』はしゃべる。
　老人の、中年の、若者の、子供の､幼児の声が幾重にも重なり合って、別種の何かが生まれたような並が耳から脳へと到達する。
「「「「よくぞ来た、幼き子らよ……」」」」
「「「「今より、我がいつかの記録を見せよう」」」」
「「「「忘れる事なかれ、見誤ることなかれ」」」」
「「「「共に並びしものか、あるいは片膝をつく者か」」」」
「「「「遙か古代より再び見つめよう、いつかの先へと行くために」」」」
　
　そうして、脳内に信号が送られてくる。
　二つの大陸が栄華を極め、そして滅び行く光景を。
　神が降臨したという奇跡の記録の裏に何者かがいたことを。
　まるで、コマ送りのように脳内へとたたき込まれる。
「うっ」
　誰かが、吐き気をおぼえたようだ。
　まるで、乗り物に酔ったような感覚が全員に襲いかかる。
　そうして、全員は再びある光景を見た。

草原の野原を一匹の類人猿らしき影か駆けてゆく。
　遙か彼方まで続く緑の波をかき分けて、小高い丘の上へと至る。
　やがて、類人猿は持っていた同胞の遺骨を捧げ、遙か空へと雄叫ぶ。
　願いは聞き届けられたのか、一つの光が類人猿へと至り、遺骨が空へと舞う。
　類人猿は思った……――これは、奇跡だ！
　名も無き神が誕生した瞬間であった。

　円とこまちは、それらすべてをスクリーンで見ていた。
　ちなみに、他の仲間らの行方は知られていない。
「……」
「……」
　二人に沈黙が降りる。
　何を言っているのか、何が目的なのか……、そんな考えが頭に渦巻く。
「――起動、完了」
　ブンッと画面が切り替わり、モアイ像を模したプロメテウスが画面に現れた。
「汝らの帰還をこれより開始する」
「あ、待って、待って！」
「聞きたいことが……」
　円とこまちは慌てて質問しようとするも、何かが動く音が聞こえると共に意識が光に飲まれてゆく。

　薄れ行く意識の中、円は思った。
（何を、伝えようとしているのだろう？）
（――人に似て、人ならぬもので、人であるものにもう一度考えてもらいたい）

　薄れ行く意識の中、こまちは思った。
（あなたたちは何を求めているの？）
（――我は求めず、ただ、いくつかを課しているだけである）

　そうして、全員の意識が途切れたのであった。
　ちょうど、宇宙を見れば、日本が日の出を迎えようとしている。
　長い夢のような何かが終わり、再び日常がやってくる。

おわり

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あとがき

担当マスター：じんの
ファンレターはマスターページから！

どうも、お疲れ様です　
インフルエンザやその他諸々の不調を乗り越えて今ここにっ！

あまりこういうことは書かないのですが
さて、楽しんでいただけたかは今回ちょっと自信がありません
精一杯書きましたが、思った以上に謎解きのプレイングが多く
それ以外でどう活躍させるかかなり悩みました
言ってしまえば、OPで取り扱ってないし、端っこでちょこんと書いただけなので
（しかも、ちょっと調べれば分かるくらいの謎ですが）
あんまり、重視はしてなかったです
そういうわけで、戦闘に時間がかかり、結果的に時間切れエンドと相成りました
（もちろん、キャラクターとして挑んでいただいた分には歓迎です）
お時間をいただいて申し訳ない

次回はもっとわかりやすく、やりやすく出来るように工夫しますので
またおつきあいください

次の宇宙は未定です
またのご参加をお待ちしております

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