来訪　～宇宙にて～｜リアクション

来訪　～宇宙にて～

【第二階層　？？？】

「……ここ、どこ？」
「……えっと……？」
　確か、ロボットを機能停止させたはずで、そこからゲートをくぐったはずである。
　円、そしてこまち。
　二人は、まったくわからない場所へと連れてこられていた。
　ちょうど、七畳程度の部屋、ちゃぶ台が真ん中に有り、畳が敷かれている。
　しかし、それ以外は壁にはまっているディスプレイに、窓枠のようなもの、そして宇宙。
　ものすごく、違和感のある光景である。
　とりあえず、ちゃぶ台を挟んで円とこまちは向かい合ってみる。
　ちょうど、こまちから左側の真横にディスプレイが、反対に宇宙が見える形だ。
「……皆が呼ばれたのは、もれいびであることと関係あるの？　神の領分を侵す禁忌の力……？」
「どうでしょうねー。あとおせんべい欲しい」
　突然、円にお菓子の欲求が降りかかる。
　しかし、こまちは気にせず続ける。
「『老人は空を見上げた。彼らの信じる名も知れぬ神が、今まさに身近に居たからか？』
というくだりには死の気配が伺えるわ。なんだか、対極的ね。……あ、熱いお茶も必要ね」
「前回の二つの部屋から想像するかぎり……記録、観察の意味合いが強そうなのかな？　この施設は、ボク達に何を試そうとしてる……そんな風に感じます」
　こまちにもお茶の要求が降ってきたようだ。
　ついでに、円は慌てて丁寧語に直しているが、こまちは気にせずくすりと笑う。
「最後の上映が伝えたかった事は、自分達の存在って事なのかな？　私達が貴方達に知恵を与えたって事かな？　友好的な感じがします」
「少なくとも、敵意のようなものはここから感じないわ」
　敵意や無関心には慣れている――そうとも聞こえるこまちの言葉。
　しかし、円は気にせずに言う。
「そういえば、先輩はもっています？」
　何を、とは言わない。
　秘密の約束のようなそれ、前回手に入れた『プロメテウスの石』を二人はそっと取り出す。
「私達をここに呼んだ『誰か』は、助けを求めているの？　それとも…私達もれいびに何か警告しようとしている？　分からないわね」
　そんな風に言って、二つを見た時だった。
　カッ！　　
　突如、淡く、青く二つの石が光り始める。
「おぉ！　なんかすごい」
「何か、起こるのでしょうか？」
　二つの石から、発せられた光がスクリーンへと吸い込まれていく。
　スクリーンはばちばちと光を発していた……。

【？？？】

「ひゃっ？！」
　博美の目の前に、いきなり転送されてきたのは、轟、仄、海、ねむる、みゆき、ラッセルであった。
「って、ここどこだ！？　ゲートくぐったらどこかに出た」
　ラッセルが困惑しつつ叫ぶ。
「さっきから、のらりくらりと……神を模して人間を作ったとか、人間に知識を与えたとかに類似する何かを感じる。上から目線にムカつくっ！」
　いらだつ仄をまぁまぁと海が落ち着かせる。
「な、なにがおこるんですぅ？」
　みゆきのその言葉とともに、ゴゥゥゥゥンと部屋全体が振動を始め、まるでプラネタリウムのような光景が広がる。
「なんだこれ、なんか……懐かしいな」
　轟がそれらに目を奪われつつ言う。
「っ……堅い」
　ねむるは擬似的な武器で壁をつついてみるが、あっさりと跳ね返される。
「な、なんか降りてきたぞ」
　博美が気づく。
　天の中心が割れて、円盤形の投影機のようなものが降りてくる。
「ゆ、UFO？」
　ラッセルが驚きながらそれに近づく。
　その瞬間、光りがあふれたっ！

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