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太陽が真上に差し掛かる頃、通りは人々で溢れた。道沿いの飲食店に厳しい目を注ぐ。
その中を黒いワンピースを着た
エレノア・エインズワース
が日傘を差して歩いていた。白い傘に描かれた黒い蝶と同様に気ままな散歩を楽しんでいるかのようだった。
困惑した顔の人々がエレノアを避けて左右に散る。中には面と向かって文句をいう若者もいた。
「人の多いところで傘なんか差すなよ」
エレノアは落ち着いた様子で言葉を返した。
「私は肌が強い方ではなくて。紫外線による皮膚癌が怖いので日傘が手放せないのです」
「そ、そうなのか。それじゃあ、仕方がないな」
若者は早々に話を打ち切って人混みに紛れた。エレノアは微笑を浮かべて歩き始めた。フリルの付いた傘を回しながら周囲の人々を、それとなく蹴散らしていく。
エレノアは喫茶店の前で立ち止まった。窓辺の席に
花風 冴来
が横向きに座っていた。金色の髪に青い大輪の薔薇が咲き誇る。
「あら、美味しそう」
エレノアは下唇を湿らすように舌を出した。その時、冴来はフォークに突き刺した苺を口に運んだ。頬に手を当てて、甘い、と唇を動かした。
その場でエレノアは傘を閉じた。平然と太陽の光を浴びて店の中に入っていった。
「いらっしゃいませ」
ウエイトレスの声を聞き流すようにしてエレノアは奥の窓際の席に歩いていった。冴来はティーカップに唇を付けて、目は窓の方を向いていた。
「花風冴来さんですね? 初めまして、ではありませんよ。エノコロ岬の件があるので」
「あの時は私も操られて、立派な被害者なんだから謝らないわよ」
冴来は肩に掛かる髪を手で払って言った。
「私は気にしていませんよ。海に突き飛ばされたくらいのことですから。今日は偶然に貴女を見かけて声を掛けました。席をご一緒してもよろしいですか?」
ウエイトレスが近づいてくる。エレノアは冴来の向かいに腰を下ろした。その行動に冴来が目を怒らせた。
「ちょっと、待ちなさいよ。私が許可していないのに……」
冴来の抗議の声が急に小さくなる。ウエイトレスがエレノアの前に水の入ったグラスを置いたのだ。当然と言わんばかりにエスプレッソを注文した。
エレノアは冴来の目を見て言った。
「これでも許可は必要かしら」
「まあ、いいわ」
冴来は手前の洋菓子にフォークを突き立てた。そして先端に突き刺さったリンゴに齧り付く。その様子にエレノアは、ふふ、と微かな笑い声を漏らした。
「シャルロットフリュイは私も嫌いではありませんよ。身に纏ったフルーツをゆっくりと剥いで、隠された中身を目にすることに喜びを感じます」
「貴女って悪趣味なのね。そんなことよりも相席の理由を教えて貰えるかしら」
二人の視線が重なった。冴来の青い目が挑みかかる。エレノアの緑の目が受けて立つ。
「私を探して」
エレノアの一言で均衡は崩れた。冴来の一瞬の動揺に緑の目が深く分け入る。
「貴女が魅了された歌の歌詞にありましたね。私を探して。ですが、貴女は他者を排除するような行動に出ました。独占したいからでしょうか?」
「そんなこと聞かれても、私にもわからないわ」
冴来は洋菓子をフォークで突っつく。無残に零れ落ちるフルーツを無視して傍らのティーカップに尖った唇を押し当てた。
「私を探してという歌詞に貴女が惹かれたのは、弱い自分と似ているからでしょう。その心を他人に知られることに恐怖して、他者を遠ざけようとしたのでは?」
「私が恐怖だなんて。そんなの感じるはずがない。私には怖いものなんて何もないのよ」
「お待たせしました」
ウエイトレスがエスプレッソを運んできた。二人の間に束の間の沈黙が訪れる。先に破ったのはエレノアであった。
「学校の貴女は友人に恵まれているみたいですね。でも、それは本当の自分の姿なのかしら。他人からの愛情なんて微塵も信じていない。だから『私を探して』の部分に強く惹かれるのですよね」
「面白い考察であることは認めるわ。反対に聞くけれど、そういう貴女は愛についてどう考えているの?」
目に力を込めて冴来は切り返した。
「愛はどこにでも転がっています。私のリボンを見てください」
エレノアは顔を横にして後頭部のリボンを指差した。
「これは男性の人格を有しています。他には目移りもせず、私だけを見つめています。心の底から、深く愛してくれているのですよ」
「何の話をしているのよ」
苛立った声を受け入れた上でエレノアは熱心に言葉を続けた。
「リボンには抱き締める手がありません。私の耳元で甘い言葉を囁く口も。意志を表現できないですが、確かに私を愛してくれているのです」
相手の様子を窺う間を空けて、本気にしました? とエレノアは楽しそうに言った。
「そんな話、本気にする訳がないでしょう。でも、ありがとう。貴女が甘ったるい妄想が好きで仕方がないということが、よくわかったわ。それと噂に聞いた通りの変な女の子だということもね」
冴来は敵意を剥き出しにして相手を睨んだ。その目が何かを見つけた。
「……その顔の傷はどうしたのよ。その、顔は綺麗なんだし。もう少し自分の身を大切にしなさいよ」
エレノアはエスプレッソを口にした。少し眉根を寄せて見せる。
「苦いですね。口直しに甘い物をいただこうかしら」
おっとりとした口調からは想像も出来ない速さで、エレノアは冴来の横に座った。
突然の行動に言葉よりも身体が動く。冴来はワンピースのポケットに手を入れた。エレノアは身体を密着させて腕の動きを封じ込めた。
その状態でエレノアはフォークを手にした。冴来の身体の硬直を楽しむかのように、緩慢な動作でブルーベリーを口に含んだ。
「甘くて美味しいですね。ふふ、私の顔の傷が気になる貴女が、このような人目に付くところでナイフを抜いてはいけませんよ」
「……私は、そんなこと。考えてもないから」
「貴女は正直な人ですね。ナイフを持っていることを否定もしない。自分の心にとても忠実で、少し私に似ているかもしれません」
エレノアは瞬時に身体を離して立ち上がった。テーブルの二枚の伝票を当然のように手にした。呆気に取られる冴来を見下ろし、顔の傷痕に中指の腹を這わせる。
「可愛らしい女の子の爪に引っ掛かれたみたいで、いい仕上がりでしょう?」
ふふふ、とエレノアは蕩けるような顔で笑った。伝票を持った手を小さく振って、その場を離れた。冴来は感謝の言葉を忘れて見送った。
窓ガラス越しに黒い蝶が横切った。周囲の誰にも流されることなく、日傘の中の蝶は真っ直ぐに道なりに飛んでいく。
「……なんでこんなに、私を惹き付けるの?」
切ない表情で冴来は胸に手を当てた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
17人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年01月04日
参加申し込みの期限
2014年01月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年01月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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