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恐怖!ミドリ人間の襲来
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●まずは肝心の舞台作り
だいぶ日も昇ってきた頃。
早朝の涼しい時間帯はゆっくり終わりを告げ、七月特有の蒸し暑さが神社に立ち込めてくる。
どこからか聞こえてくるセミの鳴き声に耳を傾けながら、五十士は汗ばんだ額を腕で拭いつつ手元の紙に視線を落とした。
「俺たちの仕事は出店の組み立てだけど……無計画に立ててあとで困るといけないから、ざっと見取り図を作ってみたよ」
制作が決まってから、同じ大学の
宮田 真澄
と
澪乃 湊弥
の三人で事前に作っていたものだ。
「あ、裏面にはテントの組み方もあるんですね。参考になります」
力仕事を買って出た
御剣 刀
が手渡された資料を読みながら感心したように言った。
何をどう勘違いしたのか「エキストラ出演で食べ放題!」という企画と思い込んで来てしまった御剣であったが、参加表明した手前あっさり帰る訳にも行かず、こうして裏方の役を引き受けたのだ。
「まあ、君たちよりだいぶ多く文化祭を経験してるからね。分からないことがあったら聞いてよ」
そう言って笑う澪乃はずいぶん大人びてみえる。高校生の御剣にとっては大学四年生の彼はもう立派な大人だ。
「やっぱり大学生って、なんだか頼もしいよねー」
のんびりした様子でそう言うのは、兄に付いてきた
宮田 厚
だ。その隣では、兄の真澄がテントの骨組みの数をチェックしている。
「テント設計に必要は道具は準備している。あとはこれを組み立てるだけだな」
真澄が示した先には、朝のうちに彼らが運んでおいたテントのセットが置いてあった。大学からきちんと手続きを済ませて借りてきたものだ。
「じゃあ早速作ろっか。この人数ならきっと昼までには終わるはずだし」
裏方メンバーを見渡しながら言ったのは、
奈良橋 博美
だ。まるで小柄な少年のような外見と口調をしているが、その顔つきや声は少女のものである。
「えーと、奈良橋さんだっけ? 大丈夫かな、重かったりしたら無理しないでね」
年下の女の子に肉体労働をさせるとなると、どうしても気にかけてしまうものである。五十士が優しげな口調でそう言うと、奈良橋は笑って首を横に振った。
「ありがとうございます。でも武術の修行で鍛えてるから、こう見えて肉体労働は得意なんです」
裏方が早速セットを組み立てていく横で、美術担当のメンバーは小物作りやメイクに着手していた。
「いっちのせせんぱーい! ほら見てくださいよこれ!」
コンビニから大量のコピー用紙を抱えて帰ってきた一ノ瀬に、
宇佐見 望月
は得意げな笑みを見せながら自作のセットを披露した。
「何これ。……マリモ?」
宇佐見が持ってきたのは、カートに緑の球体の張りぼてを乗せた、いかにも低予算といった様子のセットであった。
一ノ瀬に連れられコピーに向かっていた
刻人・F・ミセリア
がその球体を指で突きながら尋ねると、宇佐見はピンポーン、と軽快に言った。
「そう! ミドリ人間だから緑をモチーフにした……名づけて殺人マリモ!」
「うわ本当にマリモだった」
指に付いた緑のペンキをティッシュで拭きながら言う刻人の隣で、一ノ瀬は感心したようにふーむと唸った。
「これはこれで良さそうだな! 得体の知れないバケモノって感じがしていいぞ」
「でしょ? 緑の水風船をマリモに見立てて投げるんすよ! 赤い血糊入りの風船投げたら、マリモに食われたって感じで面白くなると思うんすけど」
そう言いながら、宇佐見はノリノリで水風船を取り出した。緑の水風船の中には赤黒い液体が詰まっていて、禍々しい色合いになっている。
「これ、結構詰まってるよね。一発でどれくらい血が飛ぶんだろう」
緑の風船を見ながら何気なく刻人が言うと、一ノ瀬がどんと胸を叩いて頼もしげに言った。
「確かに試しておくべきだな! よーし宇佐見君、俺の体にそれを投げつけてみてくれ」
「え、いいんすか?」
「ああ! こういう汚れ仕事も総監督の仕事のひとつさ!」
コピー用紙を刻人に託すと、一ノ瀬は上着を脱いで両手を広げてみせた。
「さあ来い殺人マリモ! お前の攻撃を受け止めてやるぜ!」
「あー、じゃあ遠慮なくいかせてもらうっす。……でえいっ!」
現役陸上部部員の宇佐見。ハンマー投げで鍛えた腕から繰り出された一撃は思いのほか強烈で、たかが水風船と侮っていた一ノ瀬の鳩尾の深くめり込んだ。
「ぐふっ?!」
予想外の衝撃に思わず漏れる声。同時にぱぁんと破裂音を立てて飛び散る血飛沫。その壮絶な光景は、まさに相手の腹を食い破る殺人マリモの襲撃であった。
ばたっ……と腹を真っ赤に染めて仰向けに倒れる一ノ瀬。
その予想以上に凄惨な様子に、うわぁ、と刻人は思わずドン引きしたような声をあげる。
「あ、だ、大丈夫っすか一ノ瀬先輩! すんませんちょっと力込めすぎました!」
「い、いや、ナイスボール…いや、ナイスマリモだったよ宇佐見くん」
その調子で映画でも好投を続けて…くれ…。
駆け寄った宇佐見に力なく笑うと、一ノ瀬はふっと意識を手放したように目を閉じた。
「い、一ノ瀬せんぱああい!!」
その手を取り、さながら映画のワンシーンのように慟哭する宇佐見だった。
「向こうは何を遊んでいるんだか」
そんな一ノ瀬たちの様子に呆れたようにため息をつきつつ、
旅鴉 月詠
は役者にメイクを施していた。
「詠ちゃん、看板のデザインはこんな感じでどうかな」
「うん、なかなかいいと思う。配色が近いものはなるべく離して飾りたいな」
北原 みゆき
は、友人の旅鴉にチェックしてもらいつつ看板の制作を進めている。
仕上がった小道具や看板の出来は、素人制作ながらかなりのクオリティだ。小道具として映像に映る分ならば申し分ないだろう。
そんな彼女の隣で、旅鴉は出演する女性陣にメイクを施していた。
自主制作とはいえ、映画は映画。特にバイオレンス系では周りの怪人が派手な分、しっかりと化粧しておかなければ顔の印象が薄れてしまうのだ。厚化粧っぽくならずに、けれどしっかり。旅鴉はプロのスタイリスト顔負けの腕前で舞台映えする絶妙な顔を作り出していく。
そんな旅鴉からメイクされつつ膝の上で北原の飼い猫ランティエをもふもふと撫でていた
恵御納 夏朝
は、不意に何かを思い出したようにあ、と声を上げた。
「ん。どうかしたか」
「あのね、武器にしようと思って持ってきたものがあるんだけど」
そう言って恵御納がカバンから取り出したのは、小さなおもちゃの弓だった。
「猫神様の武器にちょうどいいかなと思ったんだけど、これもうちょっと神様の武器っぽくしてもらえるかな」
北原に手渡されたその弓は、猫をイメージしているのかぷにぷにとした肉球が先端についた可愛らしいものだった。
「うーん、そうだね……ちょっと金色っぽくしたら神々しい感じになるかな?」
北原は持ってきていた金箔をその弓にあてがってみる。猫っぽさを前面に押し出したキュートな弓であったが、金色となるとやはり少し立派に見える。うん、悪くない、と北原は丁寧にその金箔を弓に巻きつけていった。
「ずいぶん伝説の武器っぽくなったな」
旅鴉の言葉に、恵御納もいつものぼんやりとした表情をわずかにほころばせてうなずいた。
「うん、ありがとう北原さん。猫神様役、一緒にがんばろうね」
そう言う恵御納の顔は、旅鴉のほどこした化粧によって普段よりも少しだけ大人びて見える。あまり表情を変えない彼女によく似合う、ブラウン系でまとめた落ち着いた印象のあるメイクだ。
「よし、メイクはこれで完了だ」
「旅鴉さんもありがとう。じゃあ僕は……」
ランティエを胸に抱きながら、恵御納は準備に追われる境内の人々を見渡す。……と、彼女の目に留まったのは猫がたくさん集まった一画だった。
「あそこで猫の世話してるみたいだから、ランティエも一緒に連れてくね」
そちらを示しながら恵御納がそう言うと、北原は笑ってうなずいた。
「うん、ランティエも友達ができたらいいな。よろしくね、夏朝ちゃん」
北原がそう言うと、恵御納はうなずくように左手につけた猫のパペットをぱくぱくと動かしてみせた。
重たい骨組みを協力して抱えながら、裏方班はセットを組み立てていく。
「支柱ってなかなか重たいな……うわっ」
その重さに思わずよろめいた弟の肩を、別の骨組みを片手で抱えていた兄がもう片方の手で危うげなく支える。
たくましい兄の手に助けられ、厚は照れたように笑ってみせた。
「へへ、にーちゃんありがとう」
「厚、無理はするなよ」
「うん、ありがとう。……にーちゃんも大丈夫そうだね」
「俺が?」
弟の言葉に首を傾げる真澄。その様子に、厚は小さく笑ってみせた。
「いや、にーちゃん、昔から顔怖いって言われるからさ。もしそう言われたらフォローしようと思って」
「……俺、やっぱりそんなに顔、怖いか?」
いつになく神妙な兄に、どうだろ、と厚は笑顔をみせる。
「俺はそうは思わないけど」
今日は来てよかった、と厚は暑い七月の空を見上げながら思う。
兄が映画関係の仕事に就きたいと思っていることも、それで父と意見を対立されていることも厚は知っていた。
今回映画を作るという話を聞いたときも、ずいぶんそわそわと楽しそうに話していたのを覚えている。
映画を作るという彼らを素直に褒め、少しでも手伝いたいと語っていた兄の横顔。
(俺からも、にーちゃんがどんだけ映画好きかって言えるようになれたらいいな)
制作に携わる兄の姿を見て、厚はさらにその思いを――兄には言わないその密やかな思いを強くするのだった。
そんな彼らの横で、御剣と奈良橋は協力してテントを組み立てている。
「奈良橋、そっちの組み立てはどうだ?」
「ああ、問題ないよ。……ただ、上の方の固定は俺じゃ背が足りないからやってくれないかな」
修行をしていると言っていただけあって、作業を行う奈良橋の手つきは女子とは思えないほど頼もしくしっかりとしたものだった。同じく武術を志す者として、御剣には彼女が普段どれだけ真剣に修行に向き合っているかは雰囲気で分かる。
はじめこそ女の子だと思って内心で気にかけていたが、今ではその手際のよさにはすっかり信頼を置いていた。
彼女に代わってテント上部の固定を終えたとき、ふと気が緩んだのか手からドライバーを取りこぼしてしまった。
「あ。あーああ……」
ドライバーはそのままころころと、積み上げた資材と資材の間に転がり込んでしまう。そのわずかな隙間に体をねじ込もうとしたが、あと少しのところで手が届かない。
「なんだ、何か落としたのか?」
「ああ、ちょっとドライバーを落としちゃって」
「ちょっとどいて」
そんな御剣の様子を見兼ねた奈良橋は、彼を押しやるとするりと難なく資材と資材の隙間に身を滑り込ませた。
あっさりドライバーを拾うと、ほら、と隙間から出てきながら奈良橋は御剣に手渡す。
「おっと、すまないな。ありがとう。……こういうとき小柄だと便利だよなー」
何気なく言った御剣の言葉に、へへっと奈良橋は得意げに笑ってみせた。
「まあな。背が足りない分こういうところで役に立てるから悪くないよ」
見ての通り、幸い胸も小さいからな。
冗談っぽくそう言う奈良橋に、御剣はしどろもどろに首を振る。
「あ、悪いな、別にそういうことを言いたかったわけじゃなくて」
「気にすんなよ。俺はむしろ気に入っているくらいだぜ」
口ごもる御剣に、奈良橋は楽しそうな笑みを浮かべながら胸を張って答えた。
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花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月18日
参加申し込みの期限
2013年12月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月25日 11時00分
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