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ヒゲ猫ペンシルと、魔法商店街のはじまりの香り
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【虫妖変容】
「ひええええ……」
城山は腰が引けているが、ともすれば逃げ出したくなる衝動と戦っているのだろう。分かるよ、帰りたくなるのもな。
虫の群れはまたたく間に彼らを取り囲んだ。人よりも大きいカマキリ、ハチ、トンボに蛾などはまだ怖気を震わぬほうで、地を這う小ムカデやゾウリムシ、カメムシのような類は目に入るだけでうんざりしてくる。ああ、良かったな。テントウムシもいるじゃあないか。
「よ、予言で敵の攻撃を読んで……あっ」
「水樹!」
ヒューバートが致命の稲妻を散らし虫どもを払うも、ヤツらのまき散らす粘液を浴びたとたんに城山は変質した。なんとも愛らしいうさぎの姿だが、虫どもにとって小動物など格好のエサだ。即座に"リセット"せねばすぐさま骨までかじり取られていただろう。
「っぷは! あ、ありがとヒュー……」
「大丈夫かい? それにしても、数が……多すぎる!」
「こらヤバイな。とにかく撃ちまくるんや、数を減らせ!」
山田の致命の冴えは言わずもがな、ヒューバートの鋭い一撃もなかなかのものだがいかんせん、多勢に無勢というものだ。隙あらばこちらを変質させ食い付こうとするところをリセットして回避し、炎よ雷よと致命魔法を乱射する。
しかし奇妙なことがあった。霊界の者がそう言うのだから、よほどに奇妙ということだ。
「エレキちゃん! こいつら、なんかヘンだヨー!」
志波は解析の魔法を試みているが、今のところ手ごたえはないようだ。
「時どき、別の虫に変わるんだ。ホラ! カマキリがカブトムシに! ダンゴムシがアリになった! こーいうのって、霊界じゃよくあること?」
「いんや。志波、アンタの解析に反応してるんや」
「けどいくら解析しても、なにも情報が……あっ」
志波が愛嬌ある子犬に変質し、リセットするまでに虫どもの顎が迫るもヒューバートの致命の炎がそれらを焼き焦がす。城山の予言が背後からの急襲を叫び、山田が雷の弧を散らし破壊する……やれやれ、キリがないなこれは。
「! あら、ペンシル?」
「来てくれたのかい?」
ペンシルの魔法の巧みは大いなる助けとなろうが、群れをいくらか押し留める程度だ。状況の打開にはなにかもう一手が必要だろう、さて。
「人を食べる虫……ウーン。イヤー。あんましやりたくはナイんだけど……」
「なにか、作戦でもあるのっ?」
「えーと、ちょっと残酷っていうか。できればやりたくはないというか」
志波はなにやら気乗りしない様子だが、城山に問われ引くに引けなくなったようだ。ペンシルが大きな魔法を行使するのを待つも手だが、ここは若者の奮起に期待するとしよう。
「これも
経験
が生きた、ってコトになるのカナー……フナムシにかじられて死ぬなんて、ひどい終わりだと思ったけどな。それが役に立つのなら」
苦笑いまじりにつぶやくと、志波は虫の一匹へ向け杖を振るう。幽霊桜の残滓の杖もその成功を助けただろうが、志波への過大な負荷と引きかえだ。顔をしかめながら、それでも彼はやり遂げた。
なるほど、実に良い出来だ。
「こりゃ、志波……アンタかい」
「ああ。俺自身を囮にする!」
虫の一匹を変質させつくりあげたのはまさしく、志波本人だ。いささか輪郭やら顔の配置が歪んでいるのはまあ、愛嬌といったところか。
そんな志波の贋作は抵抗するそぶりもなくまごまごと惑うばかりで、虫どもにとってはたやすくありつける格好のエサと映ったかもしれない。
「うわ……」
思わず城山も目を背ける光景が展開したが、血しぶきの中に彼らの活路も見い出したようだ。
「……今や!」
山田が吼えると同時、志波の致命の嵐が吹き荒れた。
「それにしても」
とヒューバートはつぶやく。群れの勢いは若干ながら引いてきただろうか。それでも気のゆるみが飛びかかってきた虫へ耳やら指やら、あるいは片腕一本も献上することになりかねない。城山の予言に傾注し慎重に事を運んだ。
「っと、また一匹! どうしたの、ヒュー?」
「いや、少し気になって」
写真家ゆえにか、ヒューバートの観察眼は鋭い。霊界の者ならば気づきようもない点を時に射抜くのが、これも寝子島の者らの慧眼だな。
「どうしてこんなにも、多種多様な虫たちが群れを作っているんだろう?」
「とゆーと?」
志波は致命の合間に解析を試みているが、虫どもは姿を変えるばかりで弱点なり打開の端緒といったものは見えない。
ヒューバートは続けた。
「当たり前だけど、群れっていうのは単一の種が作るものだよね。バッタならバッタの群れ、クモならクモの群れ……自然界では、虫という共通項だけでこんな群れを形成したりはしないと思うんだ」
「それは……"Lore"だから? フツーの虫じゃないからかしら」
「そうだと言ってしまえば、それまでなんだけど……」
城山のもっともな返しにも、いまひとつ得心がいかぬようだ。
「……ふむ。なるほどな。ヒューバート、あんたええとこ気がつくな」
彼の疑念を、山田の推測が補足した。
「ウチが思うに、こいつらは……虫という概念そのもの。なのかもしれんね」
「ガイネン? どゆこと、エレキちゃん」
「何々虫、とかそんな名前はないのかも。あやかしにも時々、そんなやつがおるやろ? 本当の名前なんぞ誰も知らんけど、なんとなく見た目や印象でテキトーな名前で呼ばれたり、その時その場所で違う名前で呼ばれたりするんや」
"Lore"とはまさに、そんなものだ。正体不明の噂にあやふやな目撃証言が添えられ、口伝えに多くの者たちの間をめぐるうち、事実と創作が入りまじってゆく。それを、たとえば我が魔法商店街では慣例として、その出現を予言した夕顔が発した呼び名でみなが言い表したりするわけだ。
だから、"Lore"。
「こいつには名前もなく、本当の姿もなく、力だけがある。きっとある場所、ある時代ごとに、いろんな名前で呼ばれてきたんやろな」
「だから……"なもなきむしがみ"、か? っと!!」
志波やヒューバート、城山の頭を染めゆく問いはしかし、虫の波に押し流されてゆく。やれ、そろそろ偉大なるペンシルの魔法の助けが必要か。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月17日
参加申し込みの期限
2025年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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