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魔女の咬み痕
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【東館二階廊下】
落下の衝撃で足首をくじいたと言うリヒャルトを、彼らは左右から支える。
「大丈夫です! こんな危機は、シュー君と何度も乗り越えてきたのです。一緒に生き残るですよー!」
「う、うん……ありがとう。すまないね、迷惑をかけて……」
椿 美咲紀
のろっこんならばあるいは彼の怪我を修復することもできたろうが、花は混乱のさなかに手折られ散ってしまった。
リヒャルトをかばいながらの歩みは遅々として進まないが、美咲紀には彼を見捨てるつもりなど毛頭ない。あの司書長や肉混じりに追われる中であっても、決して突き放すことはなかった。
「ああ。気にすることはないさ」
いわば相棒である
八神 修
もまた、その気持ちに偽りはない。
彼はろっこんで書架を動かし背後を塞ぎ、肉混じりの追走を断ち、司書長の視線を逸らした。
書架は巨大であり、可能な限り収められている本の少ないものを選んで操作したが、それは修に多大な負担を強いた。タイミングは極めて際どく、逃げ切ることができたのは奇跡と呼んでも差支えはなかったろう。
それでも彼を救うことができたなら、命を賭ける価値はあったのだと修は考えていた。
「! あちらに、光が見える。出口か……?」
「ああ、そうだよ、出口だ! あそこから外へ出られるはずだ、やった……!」
リヒャルトの顔が明るくなり、少しばかり歩幅が広がったように思えた、その時に。
「……? シュー君。何か落ちてるですよ?」
「なんだ?」
床に落ちている薄っぺらな一枚の紙きれが、カンテラの頼りない明かりに照らされて見えた。
「なんだろう、ねえ、拾ってみなよ」
出口が見えたことで心持ちも軽くなったのか、リヒャルトがそんなことを言う。
「読んでみなよ。気になるじゃない」
彼のそんな言葉に、あるいは何かに導かれるように、修はそれを拾い上げた。
マリーは信奉者らへ、可能な限り敵を生かしたまま捕らえることを徹底させた。
手向かう学徒や教員はマリーの前へと引き出され、夢境を切り分け繋ぎ合わされ、怪物へと変えられていく。
幾度かの激しいぶつかり合いの後、捕らえた者の中にあのマッケラン学長が含まれていたことには少なからずの衝撃があった。マリーの偉業を認めない前時代的な倫理観には呆れ果てながらも、比類なき魔術師としての彼を未だ尊敬していた私は動揺したが、マリーには当然にして手心を加えるつもりなどなかった。
マリーは学長をも変えてしまった。
敵を決定的に勢いづけたのは、恐らくそれがためだったろう。
今やデュボア学派とでも呼ぶべき彼らは、旗印である学長を失った反動のように気勢を上げ、異形らを次々に屠っていった。
戦いはやがて、膠着状態へと陥った。
そして、ああ。私はそれを見た。
彼女の最後を。
「最後? あれっ。マリーさん、死んじゃったですか?」
美咲紀がそう問うのは当然の流れであり、何気ないものに違いない。
「そう。彼女はその時、死んだんだ。レッドヒル・マリーは確かに……」
「……?」
しかしそこにかすかな違和感を覚えた修は思考を巡らせ、その大元を辿ろうと試みる。
何かが腑に落ちない。ひどく漠然として曖昧な疑問に、修は端正な眉をひそめ考え続ける。
マリーは罠を張り、講義棟の一角へデュボアと学長の雇い入れたハンターの男を誘い込んだ。戦況を打開する、大胆な策が必要だった。
しかし、私はそれを見た。
デュボアと相打つ、気高き彼女の最後の微笑みを。
その瞬間、私は私の愛が揺るぎなく確固たる真理であったことを悟った。
私もまた傷を負い身動き取れぬままに、ゆっくりと傾いていくマリーを私は見つめ続けた。
彼女の全てを取りこぼすことなく、私の中へ留め置くために。
【西館一階講義棟】
水を蹴り上げ、
志波 武道
は走る。
走っているつもりではあるが、何しろ膝下まで水が溜まっているために速度は上がらず、背後から迫る羽虫がざわつくような音にいつ追いつかれるかと気が気ではない。
それでいい、と武道は思った。
「そうだ……来い。そのままついて来いっ……!」
小さな、しかし肉を噛みちぎり削ぎ落とす無数の牙を備えた、フナムシのような生物たち。数え切れないほどのそれらが武道を追い立てている。
そんな状況は実のところ、武道が望んで作り出したものだ。
彼がフナムシたちを惹き付けておけば、その分良衣や奈津樹、ジャックが生き残る確率は上がるはずだ。
「……だから、来いっ!!」
拾い上げた椅子の成れの果てを濡れた石壁へ叩きつけ、フナムシたちを可能な限り仲間から引き剥がす。それが武道の決めた、己の最後だった。
「こっちだ!! ついて来い、こっちへ……、あ」
開いた講義室の扉をくぐり抜けたところで、武道は不意に仲間と再会した。
目の前には色とりどりの珊瑚に全身をくまなく覆われているような、恐らくは壮年の男。その傍らで、連れ去られた
朝鳥 さゆる
が無表情に武道を見つめている。
男は四肢を微動だにすることもできないらしく、ぎらつく瞳だけを動かし武道を見返した。途端、男の硬質化した身体の内部から、フナムシたちがずるずると姿を現す。
「ああ……そうか。何だよ……」
引き寄せるつもりが、武道は誘い込まれた餌が自分自身であることを知った。
それでも武道は、安堵に微笑んだ。
「いいんだ。これでいい。だって目の前で誰かが、なんて……」
フナムシたちが水面を、壁を、天井を覆い尽していく。
「はははっ。冗談じゃないんだゼイ☆」
きっと自分は、役割を果たせたことだろう。
彼の終わりは誇りに満ちていた。
【西館一階廊下】
最後の弾丸で異形の頭部を消し飛ばし、
史越 奈津樹
は指を差す。
「あれ、ゴールかな!」
光だ。淡い光が、彼らの進む方向にちらときらめいている。
「そうかも……! 行こう、ジャックさん!」
香月 良衣
はしんがりを務めるジャック・マクマスターを振り返り、彼を呼んだ。
「ジャック、さん?」
しかし彼はにわかに歩みを止め、長い廊下の一角に横たわる何かを放心したように見つめていた。
「……くそ。なぜ気づかなかった」
彼の声は、消え入りそうに弱かった。
傾き水の引いた床に、二人の男女が倒れ伏している。女は廊下の真ん中へ、刃の突き立つ腹を押さえ身を縮こませながら。男は壁にもたれ、うなだれたまま死んでいた。
二つの遺体は損傷が激しく、またひどく朽ち果てていたが、身に着けている衣服や武器の類から、良衣と奈津樹にはそれらが何者であるのかを察することができた。
「なぜ、俺は生き返ったんだ」
恐らくその一つはシモーヌ・デュボアであり、もう一つは剣と回転式拳銃を手にしたジャック・マクマスターだった。
「ジャックさ……っ!?」
手を伸ばした奈津樹の目の前で、彼はどこかから吹き込んだ緩い風にさらされ塵となって消え去り、目の前には年経た亡骸だけが物言わず佇んでいた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月27日
参加申し込みの期限
2017年08月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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