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ヒゲ猫ペンシルと、魔法商店街のはじまりの香り
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【巨影】
「矢につばをつけて射ると、やっつけられるんだよね。ムカデは」
霊界に虫妖は多く、稲積の述べたような逸話も聞かぬではない。眼前の大ムカデにはたして通ずるものか定かではないが、願掛け程度に試みるのも良かろう。
「藤原秀郷、俵藤太のムカデ退治の話だっけねえ。つばをねえ……これ全部にかい?」
「あはは、それはちょっと無理かな?」
ブラックウッドとのやりとりに思わずなごむ。
それにしても、稲積にこしらえたこれらの仕掛けは見事なものだ。商店街に植えられた街路樹を"変質"させるのは、この際目をつぶろう。背に腹は変えられまい。ともかく稲積はそれらを櫓のような形状へ変え、さらにそこらへ生え伸びる雑草の類をハッカへと変質させた。それらを組み合わせたならば、虫どもの忌避する香りと防護柵を兼ねた二重のトラップの完成というわけだ。
「ほう。大したもんじゃねえか」
街と渓谷の中間にこれらを設置し、大ムカデ退治のさなかに群れから背後を突かれるのを阻むにあたり、犬塚もこれを手伝った。彼の変質魔法の腕前は類稀なものだが、その彼をして稲積の仕掛けには感心したらしい。
「犬塚さんならもっと上手く作れるんだろうけど……」
「技の巧拙は重要じゃねえ、大事なのは発想だ。こいつは役に立つだろうぜ。俺も作るのを手伝おう」
「うん、ありがとう」
その手並みに見とれ、あるいは参考にしながら陣を構築してゆく稲積を手伝いながらブラックウッドは、犬塚を細めた目で見つめていた。彼への警戒は庇護欲からか、あるいは嫉妬の情だろうか?
「……んだよ、センセイ? おれの顔になんかついてっか」
「いーや、別にい~」
稲積はひとつため息をつく……この娘のほうがよほどに大人であるかもしれんね。
「仲良くしてくれたらいいんだけどね」
綾辻や早川の手腕も実に巧みになったものだ。ブラックウッドもそうだが教育者というものは良き影響を伝播させてくれる。寝子島の者らにも、時にあやかしたちにもな。
「左から……来ます! 伏せてください!!」
「よしっ」
"予言"を操りムカデの薙ぐ軌道を読む。巨体に似つかわしくない俊敏は虫がゆえの単純構造だからか、綾辻の予言は良く的を射た。
そして、"解析"する。解析は魔法戦の要と言ってもいい。戦いを制するには戦いを知らねばならない、諸君らも常日頃そのように立ち回るものだろう? たとえばそう、美しいメス猫との逢瀬へ臨む時などにな。
「う……やっぱり通用しません」
「けれど、魔法が当たるたびに輪郭がぼやけるのは、なんらかの効果があるからじゃないのかな。っと、あぶない!」
早川が綾辻を抱き込み身をかわすと、ムカデは不満そうに軋みをあげた。図体ばかりの虫ごときが生意気な。
「さらに続けてみよう。綾辻さん、適度に予言の魔法も頼むよ。あれに踏みつぶされたら、ちょっとひとたまりも無さそうだ」
「はいっ、まかせてください!」
身かわし、解析の流れを幾度か繰り返したところで、
「……? あれっ」
「どうかしたかい、綾辻さん」
綾辻は首を傾けた。巨大ムカデの像がふたたび揺らぎ、そこに在らざる姿を見つけたので。
「今……人の形に見えたような?」
"Lore"はあざむくものだ。在らざるものが形を成し、我らの眼前に投影されるのだ。
「変質……!」
「解析! 解析っ! ねえちょっと、これ効いてるの!?」
「わ、わかんない……!」
擬態し潜伏する。あざむく。ゆえに佐和崎と初瀬川の魔法があばき出す正体にこそ打開の要があるはずだが、容易ではない。ムカデの巨躯は伊達ではなく、ふたりの放つ魔法の威力では易々有効打とはならない。
それでも立て続け、魔法の乱舞を浴びせる。
「時どき姿が変わるのが、コイツの正体?」
「でも、理緒ちゃん……これまでに変わったもので、ひとつでも同じものがあったかな?」
たしかに、佐和崎の言うとおり。ぼやけた像が一瞬結ぶのは別の虫の姿であったり、人のような影であったりするが、どれも同じものではなかった。
ムカデが身を震わせ、巨大な顎を開くと毒々しく鮮やかな緑の粘液を吐き散らす。浴びれば腐れる、おそるべき酸液だ。
「岩よ、変質しろ!」
八神が岩くれを変質させ壁となし、それを阻む。
「そもそもなぜ、虫なんだ?」
「うん?」
八神の問いに初瀬川らが首をかしげる。
「なぜって?」
「観察し情報を把握することが大事だからね。知りたいのさ」
敵の弱点をつかみ、突く。そのためにとりうる策を模索するのが八神のやり方だ。大ムカデを渓谷へ誘導したこともその一環であり、街から引き離せば意識せねばならない事柄をひとつ減らし眼前の敵へ集中することができよう。
「白檀さんは香水びんの付喪神なのだろう、それならなぜ、彼にまつわるというこの"Lore"が、虫の姿をとるんだ?」
"Lore"の正体を探る、魔法戦の粋はそこに集約されるといっても過言ではない。
「彼と虫の関係性に、"Lore"を撃退するヒントがあると……、っ!!」
ふたたび岩を変質し、辛くも酸液を遮断する。
「思うんだが。一筋縄ではいかないか……!」
「そうみたいね!」
「このまま解析と変質を続けましょう……! 繰り返していれば効果が現れるかもっ」
轢き潰さんと弧を描き這う大ムカデの軌跡から飛び退いて避ける佐和崎の希少にも凛々しい顔に初瀬川は見とれ、八神は霊界イスノキの前腕覆いを掲げ身構えた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月17日
参加申し込みの期限
2025年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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